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最終章 ~彼らの終着点~
第五百九十一話 約束
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「エイトよ、他にも私に話さなければならない事はあるか?」
「いえ、私達がこの約8ヶ月の間に起きた出来事は大体話しました」
全て話すとなると更に複雑になっていく
まず、エイトとミュウ、シルフィは前世の記憶を持つ転生者だ
カイトもその1人で、アリアンは転移者と呼ばれる者にはいる
アリアンは今世の世界の両親につけられた名前で本当の名前はアリアとエルだ
Reset前の世界の住人で、女神アマスとエイト(本当はモルベトール)の2人が行ったResetの力で時を戻したが、時空の歪みが生じて記憶を失ったまま地球の有田杏実として生活を送った
そして奇跡的にReset後の世界でオラクルの世界に転生し、アリアンとして記憶を失ったまま鑑定の儀式まで生活して、鑑定の儀式後に記憶を取り戻したのだ
つまるところ
エイト達は
地球→オラクル
の形だが、アリア達は
オラクル→地球→オラクルとなる
「なるほど、大体か」
「はい、申し訳ございません例え国王様と言えど言えない事があります」
「その内容は国を揺るがす話か?」
「いえ、私達個人の話です」
エイト達自身の過去話を話すとなると更に時間がかかるし、そもそも旅の内容に関係ない国王が求めているのは旅の中で起きた事
ミュウ達の前世の話なんて必要がないのだ
この世界の真実、理を知りたいとなれば話は別だが、国王達はそれをシルフィ達が知っている事を知らない為、質問されない筈だ
「そうか、ならば良い」
「国王様、よろしいのですか?」
「ああ、これまでの話で大体の事はわかった、これ以上は私達には関係のない話だ」
側近がエイトの言動に対して言うが、国王はそれを制す、国王にとって必要なのはこの国を守る事とそれに関する情報だ
Reset前のとかReset後とか、地球とかは別にどうでもいいのだ
「それよりも大事な話がある」
「と、申されますと?」
国王はエイトに視線を向ける
「私は英雄エイトと勇者カイトの2人とある約束を交わしておる、国王がその約束を破る訳にはいかぬ」
その約束と言うのは再三言っている「どちらが先に厄災を倒すか」と言う約束である
「本来ならば厄災を倒さなければならないが、我々の味方に引き入れてくれた功績は大きい、そこでお主には"特例"として公爵の爵位を授ける」
「…え?」
「なんだ?不服か?」
「いえ、その…私は平民です、精々出来て名誉男爵…一代貴族が限界の筈では…」
周りはざわめき始める、それもそうだエイトはいきなり「公爵になれ」と言って来たのだ、戸惑わない事の方がおかしい
「そうだな、普通ならばそれですら特例中の特例だ、しかしな、お主はそれ以上の事をしたのだ」
「それ以上の事…ですか?」
一体どう言う事だろうか?ミュウに視線を向けても「私にもわからない」と言う顔の表情が見て取れる
「ああ、まず先程も申したが、本来の約束 は厄災を倒す事 、話を信じると本体は倒したが 、その片割れは仲間になった」
しかも厄災本体も仲間に等しい関係であり、もし救えたらもっと楽に戦えただろう、それ程までに彼女は強く頼もしい存在だ
(とは言え厄災の実力はエイト1人でも勝てるレベルだが…)
「これによりお前は"厄災をも従わせる程の力を持っている"と周辺諸国から思われる、そしてお前を欲しがるだろう」
「それから守る為に自分の国の貴族にする、と言う事ですか?」
「そうだ、暗黒神の事は黙っておけばバレる事はないが厄災に関しては様々な国が対処しようと動いていた、隠す事は出来ない」
暗黒神の存在はDDを倒す為に協力してくれた国々は断片的に知っているかもしれないが、実際の姿や本当にいるのかはわからない筈だ
つまりこちらが生涯話さず、更にこの国の庇護下兼抑止力になった方がお互いの特になると言う事だろう
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魔法使いマイ
「いえ、私達がこの約8ヶ月の間に起きた出来事は大体話しました」
全て話すとなると更に複雑になっていく
まず、エイトとミュウ、シルフィは前世の記憶を持つ転生者だ
カイトもその1人で、アリアンは転移者と呼ばれる者にはいる
アリアンは今世の世界の両親につけられた名前で本当の名前はアリアとエルだ
Reset前の世界の住人で、女神アマスとエイト(本当はモルベトール)の2人が行ったResetの力で時を戻したが、時空の歪みが生じて記憶を失ったまま地球の有田杏実として生活を送った
そして奇跡的にReset後の世界でオラクルの世界に転生し、アリアンとして記憶を失ったまま鑑定の儀式まで生活して、鑑定の儀式後に記憶を取り戻したのだ
つまるところ
エイト達は
地球→オラクル
の形だが、アリア達は
オラクル→地球→オラクルとなる
「なるほど、大体か」
「はい、申し訳ございません例え国王様と言えど言えない事があります」
「その内容は国を揺るがす話か?」
「いえ、私達個人の話です」
エイト達自身の過去話を話すとなると更に時間がかかるし、そもそも旅の内容に関係ない国王が求めているのは旅の中で起きた事
ミュウ達の前世の話なんて必要がないのだ
この世界の真実、理を知りたいとなれば話は別だが、国王達はそれをシルフィ達が知っている事を知らない為、質問されない筈だ
「そうか、ならば良い」
「国王様、よろしいのですか?」
「ああ、これまでの話で大体の事はわかった、これ以上は私達には関係のない話だ」
側近がエイトの言動に対して言うが、国王はそれを制す、国王にとって必要なのはこの国を守る事とそれに関する情報だ
Reset前のとかReset後とか、地球とかは別にどうでもいいのだ
「それよりも大事な話がある」
「と、申されますと?」
国王はエイトに視線を向ける
「私は英雄エイトと勇者カイトの2人とある約束を交わしておる、国王がその約束を破る訳にはいかぬ」
その約束と言うのは再三言っている「どちらが先に厄災を倒すか」と言う約束である
「本来ならば厄災を倒さなければならないが、我々の味方に引き入れてくれた功績は大きい、そこでお主には"特例"として公爵の爵位を授ける」
「…え?」
「なんだ?不服か?」
「いえ、その…私は平民です、精々出来て名誉男爵…一代貴族が限界の筈では…」
周りはざわめき始める、それもそうだエイトはいきなり「公爵になれ」と言って来たのだ、戸惑わない事の方がおかしい
「そうだな、普通ならばそれですら特例中の特例だ、しかしな、お主はそれ以上の事をしたのだ」
「それ以上の事…ですか?」
一体どう言う事だろうか?ミュウに視線を向けても「私にもわからない」と言う顔の表情が見て取れる
「ああ、まず先程も申したが、本来の約束 は厄災を倒す事 、話を信じると本体は倒したが 、その片割れは仲間になった」
しかも厄災本体も仲間に等しい関係であり、もし救えたらもっと楽に戦えただろう、それ程までに彼女は強く頼もしい存在だ
(とは言え厄災の実力はエイト1人でも勝てるレベルだが…)
「これによりお前は"厄災をも従わせる程の力を持っている"と周辺諸国から思われる、そしてお前を欲しがるだろう」
「それから守る為に自分の国の貴族にする、と言う事ですか?」
「そうだ、暗黒神の事は黙っておけばバレる事はないが厄災に関しては様々な国が対処しようと動いていた、隠す事は出来ない」
暗黒神の存在はDDを倒す為に協力してくれた国々は断片的に知っているかもしれないが、実際の姿や本当にいるのかはわからない筈だ
つまりこちらが生涯話さず、更にこの国の庇護下兼抑止力になった方がお互いの特になると言う事だろう
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魔法使いマイ
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