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最終章 ~彼らの終着点~
第五百八十五話 親子の再会(少し遅いけど)
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「それにしても、立派になったなぁエイト」
「父さん?」
国王の前だ雑談は控えたい所なのだが…と思っていると国王が微笑みながら話しかけてくる
「私の顔を見なくても良い、久しぶりの再会に水を刺すつもりはない…少しくらいなら許そう」
「ありがとうございます国王様」
エイトの母は頭を下げるとエイトを抱きしめる
「か…母さん!?」
「学園に通わせていた時とは違うの、もしかしたら2度と会えないかもしれなかったのよ?これくらいはさせて」
「エイト、諦めな、母さんはこれでもずっと心配してたんだぞ?」
「………」
父と母にそんな事を言われたら抵抗する事は出来ない、厄災を倒す旅は文字通り命懸けの冒険だ、負ければ確実に死ぬ
それにエイトはDDとの戦いで本当に死にかけている、一歩間違えればこうして会う事はなかっただろう
「ミュウ…貴女もよ」
「お母様………」
「いくら国王様との約束の為とは言え、自分の愛娘を死地に行かせたのです、無事に帰って来てくれて本当にありがとうございます」
ミュウの母は夫が浮気をし、それを執事長と隠蔽していた、男尊女卑がまだあるこの世界で女当主と言うのは中々にキツイ
その為婿養子として元夫は結婚したのだが、女神アダマスと自分の欲望が原因で破滅の道を辿ってしまった
今は女当主と言う厳しい立場の中、懸命に頑張っているミュウの母、イリスはとても素晴らしい人だと思う
「本当はシルフィとアリアンの両親も来る予定だったんだけど、体調を崩してしまって来れなくなってしまったの」
「そうなんですか?」
「ええ、そこで働いている人達に聞いたんだけど、"何としてでも行く!"とか言って、階段から落ちて、更に怪我もしてしまって…」
その体調不良の理由は当主がイリスになった事による他の貴族達からの圧政などによる対処が原因らしい
代々フローラ家に支えてきたが、女当主と言う理由のもと様々な嫌がらせを受けてきたらしい
アリアンの方も学園に通わせる為にミュウと同居していたが、同じ貴族として、そしてカイトの親からの嫌がらせ行為に頭を悩ませていたらしいのだ
精神的に疲れていた所、愛娘が無事に帰って来る情報を入手してすぐ様会いに行こうとボロボロの身体で動いたら…とイリスは教えてくれた
シルフィはその事を聞いて「やっぱりカイトをこの手で(自主規制音)」と言っていたので、先に倒しておいて良かったと本気で思った
「…そう言えばそこにいる人は、どうしたんですか?」
「この子だれ?」
メイドのメイルとイリスはエルの事を見る、そう言えばアリアの事も説明していなかった事を思い出す
(そもそも説明する時間がなかったが)
「ああそうでしたね、紹介します、私達の新しい仲間エルちゃんです」
「エルなのじゃ、よろしくお願いしますなのじゃ」
エルは行儀良く挨拶をする、イリスとメイルはそれに会釈して、微笑む
「ええ、よろしくねエルちゃん」
「エル様よろしくお願いします」
2人はエルの事を受け入れて、ようやく離れる、エイトの方も父に「そろそろいいだろ?」と言われて渋々離れる姿が見えた
本当はもっと色々な事を話し合いたいが、これ以上は国王の前で話す事は出来ない
これの続きは全てが終わってからにしよう
「もう良いのか?」
「はい、積もる話は沢山ありますが、先ずは国王様との約束を今回の旅の結果についてお話したいと思います…無礼な言い方ですが、お許しください」
悪い王様ならこれだけで死刑になる可能性があるが、ここの国王は常識人だ、この程度の事で起こったりはしない
「構わぬ、元々私らは偉そうに言える立場でないのだからな」
「そんな事はございません」
王国の兵士でもないただの学生…ではないが子供を危険な所へ行かせたのだ、彼らが望んでいた事とは言え、思う所はあったのだろう
「うむ、そう言ってもらえると助かるよ」
これ以上言うと平行線を辿ってしまうので、この話は終わりにして今回の件を質問し始める
——————————————————————
続く
「父さん?」
国王の前だ雑談は控えたい所なのだが…と思っていると国王が微笑みながら話しかけてくる
「私の顔を見なくても良い、久しぶりの再会に水を刺すつもりはない…少しくらいなら許そう」
「ありがとうございます国王様」
エイトの母は頭を下げるとエイトを抱きしめる
「か…母さん!?」
「学園に通わせていた時とは違うの、もしかしたら2度と会えないかもしれなかったのよ?これくらいはさせて」
「エイト、諦めな、母さんはこれでもずっと心配してたんだぞ?」
「………」
父と母にそんな事を言われたら抵抗する事は出来ない、厄災を倒す旅は文字通り命懸けの冒険だ、負ければ確実に死ぬ
それにエイトはDDとの戦いで本当に死にかけている、一歩間違えればこうして会う事はなかっただろう
「ミュウ…貴女もよ」
「お母様………」
「いくら国王様との約束の為とは言え、自分の愛娘を死地に行かせたのです、無事に帰って来てくれて本当にありがとうございます」
ミュウの母は夫が浮気をし、それを執事長と隠蔽していた、男尊女卑がまだあるこの世界で女当主と言うのは中々にキツイ
その為婿養子として元夫は結婚したのだが、女神アダマスと自分の欲望が原因で破滅の道を辿ってしまった
今は女当主と言う厳しい立場の中、懸命に頑張っているミュウの母、イリスはとても素晴らしい人だと思う
「本当はシルフィとアリアンの両親も来る予定だったんだけど、体調を崩してしまって来れなくなってしまったの」
「そうなんですか?」
「ええ、そこで働いている人達に聞いたんだけど、"何としてでも行く!"とか言って、階段から落ちて、更に怪我もしてしまって…」
その体調不良の理由は当主がイリスになった事による他の貴族達からの圧政などによる対処が原因らしい
代々フローラ家に支えてきたが、女当主と言う理由のもと様々な嫌がらせを受けてきたらしい
アリアンの方も学園に通わせる為にミュウと同居していたが、同じ貴族として、そしてカイトの親からの嫌がらせ行為に頭を悩ませていたらしいのだ
精神的に疲れていた所、愛娘が無事に帰って来る情報を入手してすぐ様会いに行こうとボロボロの身体で動いたら…とイリスは教えてくれた
シルフィはその事を聞いて「やっぱりカイトをこの手で(自主規制音)」と言っていたので、先に倒しておいて良かったと本気で思った
「…そう言えばそこにいる人は、どうしたんですか?」
「この子だれ?」
メイドのメイルとイリスはエルの事を見る、そう言えばアリアの事も説明していなかった事を思い出す
(そもそも説明する時間がなかったが)
「ああそうでしたね、紹介します、私達の新しい仲間エルちゃんです」
「エルなのじゃ、よろしくお願いしますなのじゃ」
エルは行儀良く挨拶をする、イリスとメイルはそれに会釈して、微笑む
「ええ、よろしくねエルちゃん」
「エル様よろしくお願いします」
2人はエルの事を受け入れて、ようやく離れる、エイトの方も父に「そろそろいいだろ?」と言われて渋々離れる姿が見えた
本当はもっと色々な事を話し合いたいが、これ以上は国王の前で話す事は出来ない
これの続きは全てが終わってからにしよう
「もう良いのか?」
「はい、積もる話は沢山ありますが、先ずは国王様との約束を今回の旅の結果についてお話したいと思います…無礼な言い方ですが、お許しください」
悪い王様ならこれだけで死刑になる可能性があるが、ここの国王は常識人だ、この程度の事で起こったりはしない
「構わぬ、元々私らは偉そうに言える立場でないのだからな」
「そんな事はございません」
王国の兵士でもないただの学生…ではないが子供を危険な所へ行かせたのだ、彼らが望んでいた事とは言え、思う所はあったのだろう
「うむ、そう言ってもらえると助かるよ」
これ以上言うと平行線を辿ってしまうので、この話は終わりにして今回の件を質問し始める
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続く
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