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最終章 ~彼らの終着点~
第五百八十二話 帰って来れた…けど
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~カルデア王国~
「つ…ついたぁ…」
「な…長かったぁ」
あれから3ヶ月、エイト達は無事にカルデア王国に帰る事が出来た
8ヶ月と8日間、長い様な短い様なそんな旅がもう直ぐ終わるのだ
「エイトさん、ミュウ様、お疲れ様です」
「あたし達がアリアンの時に旅に出てからもう8ヶ月ですか…数年はかかると思いましたよ」
「その分内容は濃かったけどな?」
エルの言う通りだ、この8ヶ月は怒涛の日々だった、本当の目的はミュウとの結婚の為に厄災を倒す事だったのに、それがDDのボス夢の鬼神を倒す事に変わったのだ
「冒険者ランクも"B"にまで上がったしなぁ」
「私達はそんな上がる様な事をしてないんだけどね?」
そう言ってエイトとミュウは冒険者カードを見る、そこには英語でBと書いてあり自分達が冒険者としても一人前になった事を証明している
「魔物の群れの討伐…1人100匹を倒せばそこまで上がりますよ」
「魔物の大群…本当に大変でしたね」
「リハビリにはちょうど良かったのじゃ」
カルデア王国に帰る途中の森の中にある街で恐ろしい数の魔物の群れが襲って来た事があったのだ
おそらくDDが暗黒神エルガウルの復活の為に利用していた魔物達だと思うのだが、そいつらが脱走して暴走した可能性が高い
「だからと言ってあんなにも多くの魔物が1度に現れるのか?」
「私達全員が倒した魔物の合計は約450匹、あり得ないわよ」
「DD関係だと思いますけどね」
シルフィはエイトとミュウの言葉にそう反応するが、実際の所何故あんなことが起きたのか全くわからないのだ
とは言え、その大群をこの5人はモノともせず、その功績が「ランクC」から「ランクB」に上がった理由になったので今回は良しとする
「取り敢えず、あたし達が帰って来た事をカルデアの王様に言いに行きましょ?」
「そうじゃな、主様達の事もそうじゃが、カイトの件も話さないといけないのじゃからな」
「カイト」と言う単語が出て来た瞬間、エイト達の顔が少し強張る、彼はもうこの世にいないが、彼のせいで散々な目に遭ってきた為、あまりいい思い出がないのだ
「そうだな…彼らの両親にもことの顛末を話さないといけないな」
「面倒くさいわね…本当に」
親が親な子も子も と言う言葉がある様に子供のカイトがあれなら親の2人は一体どう言う性格をしているのか本当に怖くて仕方ない
それでもやっぱり行くしかない為、渋々歩いて行く
街中を歩くと見慣れたモノ、初めて見るモノと好奇心を掻き立てるモノが沢山あるのだが、それを見て回ろうと思える程の心の余裕はない
「ハァ…なんで街に近づくにつれて胸騒ぎが起きなきゃいけないんだ」
「同感、それにカイトの事を思い出したら街中を歩くだけでも足が重くなるわ」
やっとの思いで帰って来れたのにまたしてもカイトのせいで気苦労しなければならないのだ、本当に最後の最後まで面倒な男だ
「…駆け落ちしません?」
「諦めてくださいシルフィ姉様、逃げてはいけませんよ」
「ワシ達の未来の為じゃ、この地獄を乗り越えて未来の為に頑張るのじゃ」
ずっと前からミュウとシルフィが言っていた駆け落ちと言う言葉が本当に起きそうで怖い、しかしどんだけ言い訳しようとも、どんだけ嫌な事だとしても、「やるしかない」のだ
「ハァ…明日にならないかなぁ」
「ああ…嫌だなぁ」
「本当に面倒くさいです…」
「兄様…姉様方…」
「ここまで嫌々オーラが出てるのを見るのは初めてなのじゃ…」
街に入ってからため息の回数が途轍もなく増えている、
例えるならそう…小学生の時運動が苦手な子達が「明日は地獄の運動会」と思う様なそんな感じだ
——————————————————————
聖女 ユキ
「つ…ついたぁ…」
「な…長かったぁ」
あれから3ヶ月、エイト達は無事にカルデア王国に帰る事が出来た
8ヶ月と8日間、長い様な短い様なそんな旅がもう直ぐ終わるのだ
「エイトさん、ミュウ様、お疲れ様です」
「あたし達がアリアンの時に旅に出てからもう8ヶ月ですか…数年はかかると思いましたよ」
「その分内容は濃かったけどな?」
エルの言う通りだ、この8ヶ月は怒涛の日々だった、本当の目的はミュウとの結婚の為に厄災を倒す事だったのに、それがDDのボス夢の鬼神を倒す事に変わったのだ
「冒険者ランクも"B"にまで上がったしなぁ」
「私達はそんな上がる様な事をしてないんだけどね?」
そう言ってエイトとミュウは冒険者カードを見る、そこには英語でBと書いてあり自分達が冒険者としても一人前になった事を証明している
「魔物の群れの討伐…1人100匹を倒せばそこまで上がりますよ」
「魔物の大群…本当に大変でしたね」
「リハビリにはちょうど良かったのじゃ」
カルデア王国に帰る途中の森の中にある街で恐ろしい数の魔物の群れが襲って来た事があったのだ
おそらくDDが暗黒神エルガウルの復活の為に利用していた魔物達だと思うのだが、そいつらが脱走して暴走した可能性が高い
「だからと言ってあんなにも多くの魔物が1度に現れるのか?」
「私達全員が倒した魔物の合計は約450匹、あり得ないわよ」
「DD関係だと思いますけどね」
シルフィはエイトとミュウの言葉にそう反応するが、実際の所何故あんなことが起きたのか全くわからないのだ
とは言え、その大群をこの5人はモノともせず、その功績が「ランクC」から「ランクB」に上がった理由になったので今回は良しとする
「取り敢えず、あたし達が帰って来た事をカルデアの王様に言いに行きましょ?」
「そうじゃな、主様達の事もそうじゃが、カイトの件も話さないといけないのじゃからな」
「カイト」と言う単語が出て来た瞬間、エイト達の顔が少し強張る、彼はもうこの世にいないが、彼のせいで散々な目に遭ってきた為、あまりいい思い出がないのだ
「そうだな…彼らの両親にもことの顛末を話さないといけないな」
「面倒くさいわね…本当に」
親が親な子も子も と言う言葉がある様に子供のカイトがあれなら親の2人は一体どう言う性格をしているのか本当に怖くて仕方ない
それでもやっぱり行くしかない為、渋々歩いて行く
街中を歩くと見慣れたモノ、初めて見るモノと好奇心を掻き立てるモノが沢山あるのだが、それを見て回ろうと思える程の心の余裕はない
「ハァ…なんで街に近づくにつれて胸騒ぎが起きなきゃいけないんだ」
「同感、それにカイトの事を思い出したら街中を歩くだけでも足が重くなるわ」
やっとの思いで帰って来れたのにまたしてもカイトのせいで気苦労しなければならないのだ、本当に最後の最後まで面倒な男だ
「…駆け落ちしません?」
「諦めてくださいシルフィ姉様、逃げてはいけませんよ」
「ワシ達の未来の為じゃ、この地獄を乗り越えて未来の為に頑張るのじゃ」
ずっと前からミュウとシルフィが言っていた駆け落ちと言う言葉が本当に起きそうで怖い、しかしどんだけ言い訳しようとも、どんだけ嫌な事だとしても、「やるしかない」のだ
「ハァ…明日にならないかなぁ」
「ああ…嫌だなぁ」
「本当に面倒くさいです…」
「兄様…姉様方…」
「ここまで嫌々オーラが出てるのを見るのは初めてなのじゃ…」
街に入ってからため息の回数が途轍もなく増えている、
例えるならそう…小学生の時運動が苦手な子達が「明日は地獄の運動会」と思う様なそんな感じだ
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聖女 ユキ
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