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第11章 ~DDの正体~

第五百六十話 Vs.モルベトール 再戦5

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「ガフッ…やっぱり…見抜いていたか…」

「ええ、とは言え最初は本当に命の危険を感じたわ、貴方の力がそのまま続いていたら、私はもう負けていたでしょうね?」

だからいきなり余裕の表情を浮かべたのか、おそらく喰らうダメージが減って来たのと、ルークの動きに遅れが出ていた事が確たる事実となったのだろう

「ルーク!!!」

「マイ!来るな!」

「あはwよそ見してて良いの?」

マイがルークに近寄ろうと走り出すと、それを見計らったようにモルベトールがマイに攻撃をしかける

「マイちゃん!!!」

「マイ!逃げろ!!!」

「無駄よ!そのまま死になさい!!!」

「「させるかァァァァァァァァァ!!!!!」」

モルベトールの攻撃がマイに直撃する寸前でエイトとルクスがシールドを貼り攻撃を防ぐ

「大丈夫か!?」

「全く無茶な真似を…」

モルベトールはエイトを…いやルクスを見てニヤリと笑う

「あら…貴方はあの剣聖の幼馴染みよね?」

「…だからなんだ?」

「…

モルベトールの唐突の発言にルクスは困惑する、それもそうだ、ルクスはアイリの記憶を消した

自分達の我儘わがままの為にアイリの人生を奪ったのだ、罪悪感は相当ある

確かにアイリは酷い事をして来た、ルクスの腕を斬り、ヤーヴァイ村では常にいじめの域を超えた暴力を受けて来た

それでも彼女は幼馴染みだ、楽しい過去が少ないけれど自分達のした事を考えると後ろめたさが残る

「…な、は?え?」

「あら?知らなかったの?私の部下に真実を伝えて仲間になる様に仕向けたんだけど…」

「…まさか」

「そう、今頃リムル達は全滅、オワイコット王国は終わりだねぇ」

(ま、嘘は言ってないわね?)

後半はと言う意味合いの為、嘘ではないし、前半の言葉は本当にこちら側寝返るように話しかけている

これで彼女が本当に裏切ってくれれば、ルクス達はオワイコットに帰ったとしてもアマギ達の家はもうない

「え…あ…嘘…だ…」

「本当よ?私があんなにいい駒をそう易々と捨てると思っているの?」

捨てないだろう…多分
しかしルクスの心を揺さぶるのには好都合の話だ

人の心を揺さぶる、つまり自身の力に変える事が出来る(訳ではないが見るのが楽しいだけ)

「自分達は幸せに暮らして、貴方の幼馴染みは辛い毎日…いいご身分ねぇ」

「あ…ああ…」

ルクスはその罪悪感に押し潰されそうになるが

「ルクス!」

「っ!?エイト!?」

エイトの叫びで元に戻る

「…勇者リムルは剣聖アイリに勝てない程弱いのか?」

「え?」

「1人裏切ったくらいで滅ぶ国なのか?」

「…いや違うけど…、でも」

「なら、こいつを倒してから全部話せ」

「え?」

ルクスはエイトの言葉に「え?」しかまともに返せない、それでもエイトは続ける

「他人にどうこう言われる筋合いはない、お前の人生物語だ、アイリとも面と向かって話せ…今の彼女なら、お前なら大丈夫だろ?」

「…ああ、そうだなありがとう、助かったよ」

「俺もお前に助けられたからなこれでチャラだ」

ルクスはこの戦いが終わった後の事に対して覚悟を決めて、その為にもモルベトールを倒す事に集中する

「チッ…余計な真似を」

「そいつはどうも…ルークも助かったようだしな?」

「…油断しすぎたわ」

ルクスの感情を見て楽しんでいる隙にユキがこっそりとルークの所に行って助けていた
のだ

「でも、私を倒すことはできないわ私には消去Deleteがあるわ、貴方達を一瞬で消す事も出来るのよ?」

「そこなんだよなぁ」

エイトはそう愚痴をこぼす、モルベトールにはそれ以外にもイカれたチート技がある、それを乗り越えて奴を倒す方法を見つけないといけないのだ

——————————————————————
続く

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