幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

みっちゃん

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第11章 ~DDの正体~

第五百四十二話 VS.モルベトール 5

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「"穢れ逝く命地けがれいくいのち"」

景色…いや、空気が重くなり、視界が紫色に染まる、ダメージはないが、何か妙だ

「「「「「…っ!?」」」」」

と、思った次の瞬間呼吸が一気に苦しくなり、エイト達全員が吐血する
視界がボヤけ、息が苦しく、心臓が痛く、熱が恐ろしい程上がっている…これはまさしく

「毒…か…しかも劇毒」

「…ダウンロード…"キュア…ヒール…"」

すぐさま毒と理解したミュウは解毒…状態異常の回復魔法を使い、体の中の毒を抜く

「ガフッ!!!…ハァ…ハァ…ありがとう…ございます…ミュウ様…」

「気にしないで…ガフッ…これくらい…平気よ…うぇっ」

だが、体の中にあった毒のダメージが思った以上に酷く、解毒した後も苦痛が残る

「この毒…普通の人間なら1mgでも体内に入れれば死ぬ毒ですね…うげぇ」

「それを空気ガスにして吸わせるとは…おげェェェェ…」

シルフィ達はゲロを吐きながら、懸命に耐える、モルベトールはまだ馴染んでいないとは言え、おそらく8割は馴染んでいるだろう

徐々にだがダメージ量が増してきている

「あら、よく耐えるわねぇ…ならこれならどう?」

「"戦火を喚ぶ秋の朱廊せんかをよぶあきのしゅろう"」

常夏の様な世界からいっぺん、文字通り地獄の炎の様な世界に移り変わる

全てが焼けており、まるで勇者カイトと幹部シカバネが大量虐殺ジェノサイドを行った街の様に燃え盛っている

「っ!?カウンター!!!」

そして変わった瞬間火の玉が襲って来たのでシルフィは咄嗟に剣で弾き返す

「ふん!」

弾き返した火の玉をモルベトールは片手で受け止め、少し火傷しているが、特に気にせずこちらを睨んでいる

「ここは燃え盛る業火の世界、貴方達はここで焼け死ぬのよ」

「確かに…このまま何もしなければ間違いなく死ぬだろうな?」

前の世界もあまりの気温の高さに頭がぼうっとして意識が朦朧とし過ぎていたが、今回はそれの比ではない

前が暑いなら、今は熱い
さらに気温の高さも相まって
全身が焼けるように痛い

「さーらーにー"修羅の路"」

「デカい!?」

巨大な剣や短剣など様々な武器が紫色に染まりながら降ってくる

それが全て地面に突き刺さると歪な時空の歪みと共に目の前がおかしくなる

「な…なんですか…これ」

「術式"グラウンド•スパーク"」

「!?シルフィ!危ない!」

シルフィが今の攻撃に困惑していると、アリアが術式を展開してこちらに撃ってきた

「引き継ぎ"サンダーウォール"!!!」

それを360°、全ての範囲でシールドを張ることができる電魔法をシルフィ目掛けて放ち
地面から来る雷を電で相殺させる

「これは一体…まさか」

「そう、勇者の能力よ?貴女達が散々苦しめられて来た、あの能力よ!」

「術式"ヒーリング•バースト"」

おそらく更に凶悪な能力へと進化したのだろう、厄災と暗黒神の片割れとは言え、強力な2人が簡単に洗脳されるとは思えない

そう考えているとエルが爆裂魔術を撃ち、エイトはそれで吹き飛ぶ

「チッ!ミュウ!!!」

「ええ!ダウンロード"キュア•ヒールEX"!!!」

おそらく先程の回復魔法を使っても効果はないと思うので、更に強力な回復魔法をアリアとエルに撃ち込む

「アリア!エル!あんな奴に負けるな!俺と一緒に生きるんだろ!!!」

「「!?」」

「クッやっぱり、まだ完全に馴染んではいないのね…でも」

モルベトールは舌打ちするとアリアとエルから距離を取る
そしてエイトが2人に抱きつくと、2人は抱きつき返してくれる

「兄様!?」

「主様!すまぬ油断した!」

「構わない、けど、そう簡単に洗脳されないでくれよ?」

エイトの言葉に2人は頷く
とは言え、先ほどの洗脳は勇者カイトの能力を遥かに超えていたが、魔法で治せた
つまり、洗脳魔法と言うよりは操り、混乱魔法に近い攻撃だ

——————————————————————
8割の力を出しているかいないかの状態での死闘、しかしモルベトールは徐々に力を増して来ている…このままでは…


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