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第11章 ~DDの正体~

第五百二十五話 本当の勇者

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「所で主様、この魔法陣は?」

「多分、最深部に繋がる転移魔法だと思う」

エイトはエルの頭を撫でながら、そう答える、そもそもエル程の実力者ならそんな事を聞かなくても分かるはずなんだが…

(ま、気にしないでおこう)

多分疲労によるものだと思うし、ここで少し休めばなんとかなるだろう

そんな風に思っていると不意に魔法陣が光出す

「な!?」

「ま…眩しっ!」

「目が…目ガァァァァァ!!!」

「エルちゃん!大丈夫!?」

「な…なんとか…」

いきなりの事で皆んなが目を瞑っていると、何かの気配を感じ始める

「誰だ!?」

「おっと…身構えないでくれ、僕は敵じゃない」

「…女性?」

目を瞑っていても気配で察知できる為、五人は武器を構えて対峙する

しかし敵意がない為、一旦武器を収めるが、魔法陣から現れたとなれば敵の可能性が高い為警戒は怠らない

そしてミュウの言う通りで、その声は女性のものだった

「そうだよ?僕の名前は"オルゼクス"君達が生まれる前に暗黒神エルガウルを倒した勇者さ」

「…オルゼクス?」

その言葉にエイトは疑問を覚える、確か狩虎かりとらと対峙した後、オルゼクスはエイトの前に現れた筈だ

しかも性別は男で、かなりのクズだった気がする

「うん、そうだよ?名前は男性ぽいけど立派とした女性だよ?」

「いや、俺が前にあったオルゼクスは"男性"だったぞ?」

「え?…それってもしかして夢の中で君にそっくりな男性の事?」

「そうだけど…」

エイトが頷くと「オルゼクス?」はうーんと悩み始めて、ミュウ達の視覚が戻り始めた頃に「ぽん」と手を叩き納得する

「それ多分だけど、僕のフリをした時の王子だと思うよ?」

「は?」

「あ、時の王子って言うのは「その当時の」王子って意味ね?」

「いや、それは分かるよ、なんで俺にそっくりなんだ?」

「それは多分、変装魔法か何かで自分の顔を変えて、あたかも君の祖先、みたいな事したかったんじゃないの?」

つまり、狩虎かりとらと戦った後、夢の中で現れた勇者は、その当時の王子で自分の信頼を得たいが為に自分そっくりに化けた

と言う事だろうか?
それにしても何故そんな事をするのか理解出来ない

「なんでそんな事をしたんだ?」

「多分だけど、その王子、僕の手柄を自分のものにして色んな女性に手を出したせいで地獄に堕ちて、この先にいる奴によって利用されたんじゃないの?」

「なんで?」

「この先にいる敵は"感情"を好物としているからだよ」

感情を?ますます意味がわからなくなる
まるで
"パルスのファルシのルシがパージでコクーン"

の様な感じで理解するのに時間がかかる

それを感じ取ったのかオルゼクス?はもっとわかりやすく説明する

「もっとわかりやすくすると

1.君の夢の中に現れた男性は偽物
2.偽物は天国に行く為にそれに従う
3.奥にいる敵は"人の感情"が好き
4.僕はここの呪縛霊みたいな感じ

な感じかな?」

「まぁさっきよりはわかりやすいな」

「それに貴女がいる理由もサラッと説明しているし」

それでも、何故あの様な事をしたのかが、よくわからない

それに対しての敵のメリットがわからないのだ

「オルゼクスさん、私からも質問していいですか?」

「うん、いいよ何でも聞いて」

時間がないとは言え、聞ける事は聞いておかないと肝心な場面で失敗する可能性がある為、聞ける事は聞いておく

「先程貴女が説明した2と3の意味がわかりません、エイトさんにとってはメリットはありましたが、アチラにとってのメリットはなかったはずです」

「それに貴女がもし本当に呪縛霊なら何故その様な事を知っているんです?」

シルフィとアリアはそう質問する、そう何故その様な事を知っているのか、本当に彼女が呪縛霊なら分かるはずがないんだ

——————————————————————
続く

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