上 下
543 / 680
第11章 ~DDの正体~

第五百二十一話 絶望を希望に、再戦〜ゼルグ〜4

しおりを挟む
「術式"ジャガーバイト"!!!」

「ガフッ!!!」

 蒼き光線がゼルグを貫き、そこから爆発が起こる

 未だ動きが鈍いゼルグにエイト達は怒涛の追い打ちをかける、卑怯と言われても構わない、けどそうでもしないとゼルグには勝てないのだ

「剣技"稲妻雷光斬"!!!」

 剣に雷魔法を付与し、雷鳴の如く天から稲妻⚡️を落としながら自らも斬りにかかる
 一瞬世界が黄色に染まり、激しい爆音と斬撃がゼルグに襲いかかる

「クゥゥゥゥゥ…ごふ…」

 口から血反吐を吐き、こちらを睨みつける、余裕の表情が無くなり始め、風向きが徐々に変わり始める

「術式"ワイドガード"!」

「術式"ヒーリング"!」

 それでも堕天使の力は圧倒的な為、防御力と体力を回復させる、MPにも限界がある為やたら無闇に使えないが、出し惜しみはもうしない

「"滅びの宴"!!!」

「だから…効かねえって言ってんだろ!!!」

 3度目の正直でゼルグは同じ技を放つ、エイトは「闇色の影」を使い、攻撃を防ぐ
 …しかし

「ゴフッ」

「エイト!!!」

「馬鹿め!あれ程の魔力を短時間で人間が使えばどうなるか、分かってた筈だ!」

 エイトは激しい吐血と共に地面に倒れる、ミュウが慌てて駆け寄り回復魔法をかけるが、魔力枯渇によるダメージが酷く、治るのに時間がかかっている

「…っ!!(私も…魔力を使い過ぎた)」

 シルフィも「闇色の影」を2回、それ以外でも魔力を消費している為、頭痛が酷くなっている

 それでも圧倒的な精神力で自我を保っている

「さぁ…終わりにしてやる…"幻滅の波動"!!!」

 漆黒の禍々しき波動がゼルグから溢れ出し、ミュウ達を包む、そこから想像を絶する程の斬撃、魔撃の様でそうでない、言葉にするのが困難な程の悍ましき波動攻撃がシルフィ達を襲う

「ククッ…ボクの全魔力を込めた一撃…さぁ耐えれるもんなら耐えてみせろ!!!」

「ガァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!引き継ぎ"闇色の影"!!!!!」

 眼、口、鼻、耳、毛穴、ありとあらゆる所から血を吹き出しながらエイトはアリア達を守る

 悍ましき波動によりエル達は想像以上のダメージを負っていたが、エイトの命懸けの行動により、見事耐え切った

「エイト!!!!!バカ!何やっているのよ!!!」

「エイトさん!!!!!…ッ!!!!アリア!エル!!一気に仕留めるわよ!!!!!」

「兄様!!!!!…はい!行くよ!エルちゃん!!!!!」

「うむ!主様…お主の想い無駄にはせぬ!!!!!!!」

 ミュウはエイトを抱き抱えていた為全身血だらけだが、そんな事気にせずに傷を治している

 ミュウも魔力がなくなってきているが、エイトの為に振り絞っている

 シルフィ達はその意図を理解し、ゼルグとの戦いに決着をつけるべく地面を蹴る

「剣技"リブレイブ""ドラゴンビート""ダメージブースト"!!!!!!」

「!?それはまさか!!!」

「術式"アクセル""ブースト""チャージ"!!!!」

 シルフィは前のゼルグ戦の時と同じ…いや、それ以上の魔力と攻撃力を高め、現段階の極限の状態になる

 さらにアリアのバフにより、一時的かもしれないが、ゼルグを凌駕する力を手に入れる

「だったら、あの時の様に止めるだけだ!

 ゴフッ….クソ!魔力が…」

 先程の攻撃で魔力が底をつき、障壁を築く事が出来ず、今度は空から逃げようとする

「させるか!術式"ヴォーテクス"!!!」

が暗黒神の片鱗の力を使い、ゼルグを暗黒の爆発で地面に落とす

「今じゃ!やれ!!!」

「神技"紫電一閃の剣しでんいっせんのつるぎ雷鳴紫龍らいめいしりゅう"!!!!!」

——————————————————————
シルフィがそう叫び、一筋の線が、まさに雷鳴の如く現れし龍の様に凄まじく、ゼルグはそれを躱す事も、避ける事も出来ず、翼をもがれ、一太刀の斬撃と共に血飛沫を上げて、倒れる——-
しおりを挟む
感想 755

あなたにおすすめの小説

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

処理中です...