524 / 680
第11章 ~DDの正体~
第五百二話 第一防衛ラインの突破 DD side
しおりを挟む
~アポカリプ遺跡最深部~
「ふふふ…暗黒神エルガウルを蘇らせる為に必要なエネルギーは全て入れたわ、エネルギーチャージ完了まで約40%…後1時間もあれば充分ね…!!!」
彼女はそう言うと高らかに笑う、本当に復活するのが待ち遠しいのだろう、まるで新発売のゲームの発売日まで今か今かと待っている子供の様な雰囲気だ。
そんな浮かれている彼女に、ゼルグはモニターから視線を外して彼女に話しかける。
「ボス、今大丈夫でしょうか?」
「ええ、どうしたの?」
「先程ルクス達の所へ向かわせたカイトですが、どうやらあちらの世界の英雄と魔王に倒されました」
モニター画面から少し離れて彼女も見れる様にする、するとそこにはチリとなって消えているカイトとそれを無視して歩いているエイトとミュウの姿が見える。
「あら、もう倒されたの?」
「はい、どうやら魔物化したのはいいもののそれを使いこなす知能がなかったみたいです」
「それは残念ね、でも魔獣をこうも簡単に倒すなんて…これだと魔物達と魔界三闘将の2人も早いうちに倒される可能性があるわね」
暗黒神エルガウルが蘇るまで後1時間、つまり1時間耐え切る事が出来れば、暗黒神エルガウルが蘇ると言う事になる
そうなればいくらアカギ達でも最早勝ち目なんてないだろう。
「どうしよう、これはもう私自ら行くべきなのかなぁ…」
「やめてください、ボスがわざわざ行く必要はありませんよ」
「じゃあどうするの?敵はどんどんにコチラに近づいて来ているんだよ?」
敵は予想以上に速く、このままだと40分以内にここに来て復活を阻止するために戦うハメになるだろう
コチラは暗黒神エルガウルが蘇るまでここを守らなければならないが、アマギ達はそれを阻止するために戦えばいい為、何も気にせず戦える
つまり、(勝てる相手だけど)面倒くさいのだ。
「それなら…ボクも行って来ますよ」
「…貴方が?」
「ええ、ボクは一度彼らに勝っています、それから月日はほとんど経っていませんし、アイツらはボクに勝てませんよ」
別にこれは自慢ではない、事実を言っているだけだ、ザークはいなかったが、それ以外のコチラに向かっているメンバーは全員ゼルグに手も足も出ずに負けた
それなのに勇者リムル、剣聖アイリ、賢者ミア、聖女アミの勇者パーティはオワイコット王国で足止めをくらい
ここにいるのはあの時よりも数の減った雑魚達だ、万に一つの勝ち目はない。
「…行ってくれるのね?」
「はい、今度こそ奴等の息の根をボクの手で止めて来ますよ」
ゼルグはそう言うとモニターから離れて、エイト達の方へ向かう。
「そう、それなら一思いに暴れてくるがいいわ」
「ええ、言われなくてもそうしますよボス」
そう言って最深部から出ようとするが、
「待ってゼルグ、1つ言い忘れていたわ」
と呼び止められる。
「どうしたんですか?まだボクに何かあるんですか?」
「ええ、1番大事なことよしっかりと聞きなさい」
彼女はゼルグの元に向かって耳元で囁く
しかしそのトーンはどこまでも冷酷で、ゼルグでさえ冷や汗をかいている程だ。
「ゼルグ…また以前みたいに手を抜く気がないでしょうね?」
「…っ!!!」
その言葉に背筋がゾッとする、確かに女神アダマスのエネルギーを取り込んだ事によって圧倒的格差があった為、余裕を持って倒したが、相手は昔の主君の片割れ…抵抗感が僅かながらにある。
「昔の仲間とかもうどうでもいいの、…本気で奴等を叩き潰して来て」
「…わかりました」
そして今度こそゼルグは最深部から出て行き、彼女は再びモニターに顔を映す。
「期待しているわよ、ゼルグ」
復活まで残りわずか…
——————————————————————
「ふふふ…暗黒神エルガウルを蘇らせる為に必要なエネルギーは全て入れたわ、エネルギーチャージ完了まで約40%…後1時間もあれば充分ね…!!!」
彼女はそう言うと高らかに笑う、本当に復活するのが待ち遠しいのだろう、まるで新発売のゲームの発売日まで今か今かと待っている子供の様な雰囲気だ。
そんな浮かれている彼女に、ゼルグはモニターから視線を外して彼女に話しかける。
「ボス、今大丈夫でしょうか?」
「ええ、どうしたの?」
「先程ルクス達の所へ向かわせたカイトですが、どうやらあちらの世界の英雄と魔王に倒されました」
モニター画面から少し離れて彼女も見れる様にする、するとそこにはチリとなって消えているカイトとそれを無視して歩いているエイトとミュウの姿が見える。
「あら、もう倒されたの?」
「はい、どうやら魔物化したのはいいもののそれを使いこなす知能がなかったみたいです」
「それは残念ね、でも魔獣をこうも簡単に倒すなんて…これだと魔物達と魔界三闘将の2人も早いうちに倒される可能性があるわね」
暗黒神エルガウルが蘇るまで後1時間、つまり1時間耐え切る事が出来れば、暗黒神エルガウルが蘇ると言う事になる
そうなればいくらアカギ達でも最早勝ち目なんてないだろう。
「どうしよう、これはもう私自ら行くべきなのかなぁ…」
「やめてください、ボスがわざわざ行く必要はありませんよ」
「じゃあどうするの?敵はどんどんにコチラに近づいて来ているんだよ?」
敵は予想以上に速く、このままだと40分以内にここに来て復活を阻止するために戦うハメになるだろう
コチラは暗黒神エルガウルが蘇るまでここを守らなければならないが、アマギ達はそれを阻止するために戦えばいい為、何も気にせず戦える
つまり、(勝てる相手だけど)面倒くさいのだ。
「それなら…ボクも行って来ますよ」
「…貴方が?」
「ええ、ボクは一度彼らに勝っています、それから月日はほとんど経っていませんし、アイツらはボクに勝てませんよ」
別にこれは自慢ではない、事実を言っているだけだ、ザークはいなかったが、それ以外のコチラに向かっているメンバーは全員ゼルグに手も足も出ずに負けた
それなのに勇者リムル、剣聖アイリ、賢者ミア、聖女アミの勇者パーティはオワイコット王国で足止めをくらい
ここにいるのはあの時よりも数の減った雑魚達だ、万に一つの勝ち目はない。
「…行ってくれるのね?」
「はい、今度こそ奴等の息の根をボクの手で止めて来ますよ」
ゼルグはそう言うとモニターから離れて、エイト達の方へ向かう。
「そう、それなら一思いに暴れてくるがいいわ」
「ええ、言われなくてもそうしますよボス」
そう言って最深部から出ようとするが、
「待ってゼルグ、1つ言い忘れていたわ」
と呼び止められる。
「どうしたんですか?まだボクに何かあるんですか?」
「ええ、1番大事なことよしっかりと聞きなさい」
彼女はゼルグの元に向かって耳元で囁く
しかしそのトーンはどこまでも冷酷で、ゼルグでさえ冷や汗をかいている程だ。
「ゼルグ…また以前みたいに手を抜く気がないでしょうね?」
「…っ!!!」
その言葉に背筋がゾッとする、確かに女神アダマスのエネルギーを取り込んだ事によって圧倒的格差があった為、余裕を持って倒したが、相手は昔の主君の片割れ…抵抗感が僅かながらにある。
「昔の仲間とかもうどうでもいいの、…本気で奴等を叩き潰して来て」
「…わかりました」
そして今度こそゼルグは最深部から出て行き、彼女は再びモニターに顔を映す。
「期待しているわよ、ゼルグ」
復活まで残りわずか…
——————————————————————
0
お気に入りに追加
889
あなたにおすすめの小説


友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる