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第10章 〜動き始めた歯車〜

第四百八十二話 一先ずの終結

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「…俺も人の事をとやかく言える人間じゃないが…これだけは言わせてもらう…この…外道共…!!!」

エイト自身、アニメのヒーローの様に全ての人達を守りたいとは思わないし、全ての人間が救う価値があると思ってはいない。

いくら好感度が上がったとはいえ、抵抗もせずに簡単に股を開く女たちを救いたいとは思わないし、自分の命を狙って来た人達を助けたいとは思えない。

けれど、罪の無い人達を、自分達の目的の為に殺し、それを正当化する事はエイトには出来ない。

「ククク…最っ高の…褒め言葉だな…なら…その絶望の中…ぶz 」

サガが吐血しながら煽り散らしていると、ミュウの後ろから剣が飛び出して、サガの心臓に命中する。

「もう喋るな、サガ、君はもう終わりなんだ」

「「リムルさん!?」」

「お…おのれぇ…勇者め…貴様らは…どこまでも…我々の…邪魔ばかりしおって…!!!!」

そしてサガは忌々しい顔をしながら、地面に倒れ込み、そのまま生き絶えた。

「皆んな、ご苦労様」

「リムルさん…そっちは…大丈夫なんですか?」

「ああ…取り敢えずエイト、君はこれを飲んで回復液だからすぐに治るはずだよ」

リムルはそう言うとエイトに回復液、つまりポーションを渡す、エイトはそれを受け取り一気に飲み干す。

「…メロン味?案外美味しい」

「え?」

「不味いと皆んな飲まないからね、本物じゃないけどそう言う風な味付けにしたよ」

俗に言うかき氷にかけるシロップの様な物だろう、

かき氷シロップの主な原料は、甘い液体である「果糖ブドウ糖液糖」。 これに、「イチゴ味」なら、赤い着色料とイチゴ風の香料を加えます。 「メロン味」なら、緑の着色料とメロン風の香りを加えます。 つまり、シロップに使われるベースの味は同じで、違いは色と香りだけ、と言う事なのだ。

「…かき氷がどう言うものか知らないけど、まぁそんな感じ、ルクス達もアミとミアの回復魔法で治療中、下の階もほぼ制圧完了だ」

ほぼと言う事はまだ完全に制圧していないのだろう、しかしサガを倒した今、敵の攻勢も殆どないだろう。

「そうなんですね」

「良かった…」

「…所でミュウは喋れるのか?初めてまともに声を聞いたんだけど」

エイトとミュウが安堵していると、リムルは不意に質問してくる。

「ええ…緊張感が凄かったせいか、なんか普通に喋れています」

「ミュウは極度の人見知りなんです…何かキッカケがあれば喋れるんですけど…」

Reset前の世界でもミュウは途中から普通に話せる様になっていた、「Sランク」と言う今の自分達とは違うランクだったので、おそらくその過程で何かあったのだろう。

「まぁ兎に角、君が普通に話せる様になって良かったよ」

「はい」

「これが続けば良いんですけどねぇ」

エイトがそう言うと、リムルのミュウは笑う、戦いがひと段落して落ち着けた証拠だ。

「さて、僕達もそろそろ撤退しよう、アカギ達の治療も終わったみたいだしね」

リムルはそう言うと下の階に続く階段の方に向かって歩き出す。

「ふぅ…助かったよありがとう師匠」

「全く、貴方も魔法使いなんだから自分で回復しなさいよ」

「…ごめん…なさい…」

「君が謝る必要はないよ、アマギもう少し優しくしないと」

「ザークは黙ってて!」

ルクスとアカギの治療にはアマギとザークが担当していた、アマギとしては弟子のボロボロになった姿が見るに耐えなかったのだろう
(心配で仕方なかったのだ)、ザークに止められるが、アカギも含めて、無事だった事に安堵している。

「ありがとうございます」

「ありがとうございます、姉様方」

「ありがとうなのじゃ!」

「無事で良かったです」

「ええ、ボロボロの状態でしたが私達がいればこれくらいどうって事ないわね」

「流石は聖女と賢者ね、相変わらずの万能さ…」

シルフィ、アリア、エルには
アミ、ミア、アイリの3人が治療の担当をしている、お互い殆ど話した事がなかった為、会話は少ないが、笑顔が見える。

——————————————————————
たぶん、明日この章が終わります。



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