幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

みっちゃん

文字の大きさ
上 下
459 / 680
第10章 〜動き始めた歯車〜

第四百四十九話 最強の存在意義2

しおりを挟む
「オルゼクス…君はやはり勇者だよ」

「え?」

エイトはこのしつこさに妙な感じになる、そうそれは「自分が全て正しい」と思っている「女神アダマス」に選ばれた男「勇者カイト」と似ているのだ。

「自己中でわがままで、自分の意見を変えない、リムルとは違う偽りの勇者だ」

「なに!?」

オルゼクスは怒るが、エイトは正論しか言っていない、エイトは「断った」のだ、それをしつこく話して来たのはオルゼクスだ。

「オルゼクス、お前は初代女神に選ばれた男だ、だからアダマスと同じ様な事しか考えないんだ」

「俺が自己中?違うね、俺は君の為にわざわ助けに来たんだ」

「それが大きなお世話だと、まだ理解出来ないのか?」

「…っ君は最強の力が欲しくないのか!?」

エイトはその場から一刻も早く離れたいが、オルゼクスがそれを妨害してくる、
カイトの様に自分の事しか考えないからこそ、話が通じないのだ。

「オルゼクス、君は最強になってどうするんだ?」

「え?」

だが、それでもエイトが話してしまうのは、エイト自身もまだまだ子供坊やだからだろう。

「君の言う通りにして最強の力を手に入れた…その後は?」

「その後って、その力を使って世界を平和にするんだよ、最強の力があるって事は誰にも負けないって事なんだから」

と、オルゼクスはエイトの質問にそう答える。

エイトはその答えを聞いて、「やはり」とため息をこぼす。

「な!?なんでため息をこぼすんだよ!」

「お前が最強の存在意義を知らないからだ」

「最強の存在意義?」

「ああ」

エイトはこれがこの夢の世界での最後の説明話しにし、本当に夢の世界から出ようと思いつつ、話し始める。

「最強って言うのは…存在しないんだよ」

「…何を言っているんだ?」

「最強とは最も強い者の事を言う、そしてその概念は無量大数ある」


速さ
守り
賢さ
魔法


その分野においての最強もあれば
魔法と剣
水と炎
機械と医術
など複数の物を扱っての最強など、
その幅はとても広い。

「そんな中でもオルゼクスが言うのは戦闘、戦いのおいての最強だ」

しかし前述したものを含めて本当の最強は…

この世界オラクルでの最強になったとしても、他の星や次元も含めれば、俺の最強は井の中の蛙と一緒だ」

「でも、この世界オラクルで最強ならそれでいいじゃないか!」

確かにオルゼクスの言葉にも一理ある…けどそれじゃあ駄目なのだ。

「女神アダマスの様に他の星から来た奴がいたら?」

「え?」

「勇者カイトは地球と言うこの星とは違う世界から来た、そいつは弱いからいいけど、厄災や暗黒神並みの強さを持っていたら?」

さらに頭も良ければ、エイトは勝てないだろう。

「最強と言うのは目指すものであっても、なるものじゃない」

「なるもんじゃない?」

「最強になったと言う事はそれ以上はない、と言う事だ、つまり、自分で自身でブレーキをかけてしまうんだ」

車でアクセルとブレーキを同時に踏む様なものだ。

「最強の力は、誰かの手でなるものではない、永遠に目指す目標、これが最強の存在意義だ」

「………」

どうやらオルゼクスには理解出来なかった様だ、頭を捻らせて「え?つまり最強じゃない?」とエイトの言った言葉がわからない感じだ。

しおりを挟む
感想 755

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

処理中です...