幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

みっちゃん

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第10章 〜動き始めた歯車〜

第四百四十九話 最強の存在意義2

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「オルゼクス…君はやはり勇者だよ」

「え?」

エイトはこのしつこさに妙な感じになる、そうそれは「自分が全て正しい」と思っている「女神アダマス」に選ばれた男「勇者カイト」と似ているのだ。

「自己中でわがままで、自分の意見を変えない、リムルとは違う偽りの勇者だ」

「なに!?」

オルゼクスは怒るが、エイトは正論しか言っていない、エイトは「断った」のだ、それをしつこく話して来たのはオルゼクスだ。

「オルゼクス、お前は初代女神に選ばれた男だ、だからアダマスと同じ様な事しか考えないんだ」

「俺が自己中?違うね、俺は君の為にわざわ助けに来たんだ」

「それが大きなお世話だと、まだ理解出来ないのか?」

「…っ君は最強の力が欲しくないのか!?」

エイトはその場から一刻も早く離れたいが、オルゼクスがそれを妨害してくる、
カイトの様に自分の事しか考えないからこそ、話が通じないのだ。

「オルゼクス、君は最強になってどうするんだ?」

「え?」

だが、それでもエイトが話してしまうのは、エイト自身もまだまだ子供坊やだからだろう。

「君の言う通りにして最強の力を手に入れた…その後は?」

「その後って、その力を使って世界を平和にするんだよ、最強の力があるって事は誰にも負けないって事なんだから」

と、オルゼクスはエイトの質問にそう答える。

エイトはその答えを聞いて、「やはり」とため息をこぼす。

「な!?なんでため息をこぼすんだよ!」

「お前が最強の存在意義を知らないからだ」

「最強の存在意義?」

「ああ」

エイトはこれがこの夢の世界での最後の説明話しにし、本当に夢の世界から出ようと思いつつ、話し始める。

「最強って言うのは…存在しないんだよ」

「…何を言っているんだ?」

「最強とは最も強い者の事を言う、そしてその概念は無量大数ある」


速さ
守り
賢さ
魔法


その分野においての最強もあれば
魔法と剣
水と炎
機械と医術
など複数の物を扱っての最強など、
その幅はとても広い。

「そんな中でもオルゼクスが言うのは戦闘、戦いのおいての最強だ」

しかし前述したものを含めて本当の最強は…

この世界オラクルでの最強になったとしても、他の星や次元も含めれば、俺の最強は井の中の蛙と一緒だ」

「でも、この世界オラクルで最強ならそれでいいじゃないか!」

確かにオルゼクスの言葉にも一理ある…けどそれじゃあ駄目なのだ。

「女神アダマスの様に他の星から来た奴がいたら?」

「え?」

「勇者カイトは地球と言うこの星とは違う世界から来た、そいつは弱いからいいけど、厄災や暗黒神並みの強さを持っていたら?」

さらに頭も良ければ、エイトは勝てないだろう。

「最強と言うのは目指すものであっても、なるものじゃない」

「なるもんじゃない?」

「最強になったと言う事はそれ以上はない、と言う事だ、つまり、自分で自身でブレーキをかけてしまうんだ」

車でアクセルとブレーキを同時に踏む様なものだ。

「最強の力は、誰かの手でなるものではない、永遠に目指す目標、これが最強の存在意義だ」

「………」

どうやらオルゼクスには理解出来なかった様だ、頭を捻らせて「え?つまり最強じゃない?」とエイトの言った言葉がわからない感じだ。

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