幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

みっちゃん

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第10章 〜動き始めた歯車〜

第四百三十八話 真紅の勇者エイト

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「ごめん、俺本当にアミが何を言いたいのか理解出来ない」

「えぇ…分からないの?」

「むしろこれでわかるのか?」

エイトはアミの言葉に呆れつつ、ルクスとアマギに助けを求める、彼らなら彼女の言葉も理解出来るだろう。

「ああ…エイト多分アミが言いたいのは…」

「勇者が嫌なら"人呼んで"の所で種類を分けようとしているんじゃない?」

「は?」

ルクスとアマギも理解している様だ、どうやら疲労のあまりエイト自身の頭の回転も鈍くなっている様だ。

「つまりだ、勇者と言う同じ括りするのではなく、勇者でも種類が違うと言う事にするんだ」

「私が普通の魔法使いなのに対して、ルクスとアカギは純愛の魔法使いと言われる様なものね」

「…ああ、なるほど」

エイトはルクスとアマギの説明でやっと理解する、

ルクスとアカギはアマギと同じ「魔法使い」だが、純愛の指輪を駆使して魔王討伐に貢献したと言う事で「純愛の魔法使い」と呼ばれる様になった。

職業はアマギと同じ「魔法使い」だが、それよりも上の存在の様な感じで少しカッコいいと感じてしまう。

「つまり、カイトと俺は同じ勇者だけど、カイトは"外道"俺は"真紅"と言う呼び名で勇者でも違う存在だとアピールする、と言う事か?」

「大体はあってるよ、カイト?だっけ?そんなに嫌ならそうすればいいんじゃない?」

それをエイトに伝えたくてアミはあんな事を言い始めたのだろう、ありがたいが、もう少しわかりやすくしてほしい。

「だな…まぁ俺はルクスと違って元から勇者魔法使いじゃないからな、狩虎かりとらがそう言っているだけで、確証はないんだし」

「まぁな、でも、もし狩虎かりとらの言っている事が本当なら、エイトは"真紅の勇者"と言う事になるな」

「真紅の勇者…か、まぁ俺が本当に勇者だったらそう名乗るよ」

厨二病心をくすぐるカッコいい名前だけど、エイトは勇者ではない、名乗った所で呼び名は偽りの勇者が妥当だろう。

「別にいいんじゃない?カイトみたいなクズよりもお前の方が勇者っぽいし」

「英雄だしね」

「真紅の勇者エイト、なんかリムル様より強そう」

ルクス達はそう言って、エイトの事を勇者として呼ぼうとするが、エイトが止める。

「やめてくれよ、せめて真紅の英雄にしてくれよ」

「語呂合わせがイマイチじゃないか?」

「だったら英雄のままの方がいいのかしら?」

「えぇそれだと私が言った意味が…」

ルクス達はああでもない、こうでもないと言うが、
そもそも狩虎かりとらがエイトの事を過去の勇者と似ていると言っているだけで、本当にそうなのかはわからない。

それにエイトは勇者よりも英雄の方が好きだ。

「別に俺は英雄でいいよ、それがミュウとの繋がりでもあるから」

「繋がり?」

ルクスは首を傾げる、ルクスの様に結婚指輪を渡すならともかく、職業が繋がりと言うのがわからないのだ。

「ああ、この職業はミュウと一緒に憧れた職業なんだ」

正確にはミュウは「ダークヒーロー」つまり魔王系なのだが、幼い頃から同じ様に憧れていたのだ、

英雄ヒーロー」に

「ふーん、ま、エイトがそれでいいなら俺はとやかく言わないよ」

「私もエイト君の意思を尊重するわ」

「えぇ…"真紅の勇者"ってかっこいいと思ったのに…」

ルクスとアマギは納得したが、アミは完全には納得していない様だ、しかし決めるのはエイトなのでこれ以上は何も言ってこなかった。

「兎に角、ルクスとアマギさんは見つかったけど、俺の仲間達がまだ見つかっていない、探しに行かないと」

「そうだな、でも、先ずは身体を休めないと、狩虎かりとらとの戦いで疲労が溜まってしまったしな」

ルクスの言う通りだ、エイトが仲間を探したい理由も理解出来るが、ここは雪山地帯、寒さで体力も奪われるし、移動でも結構体力を使う、無理して動けば、こちらが遭難してしまう。

「そうね、今日は休んで、明日出発しましょう」

アマギの言葉に一同はうなずき、洞窟の中で次の日を待った。

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