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第10章 〜動き始めた歯車〜

第四百三十話 集まる仲間と…

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「貴方もよ、エイト」

「わかった、気をつけるよ」

アミの言葉に素直に従う、エイト自身も体が万全じゃない事はよくわかっている、無理して戦う相手でもない為、余力は残しておく。

ルクス達がそんな話をしていると雪だるまが雪玉を作って投げてくる、人間が作る雪玉と違って鉄砲の弾丸の様に速く鋭い球が放たれる。

「ワイドガード!」

アミは再びシールドを張り、エイト、ルクスを守る。

「ありがとうアミ」

「ルクス、お礼を言う暇があるならさっさと攻撃して」

「了解!」

ルクスはシールドの前に出て、魔法を放つ

「バースト!!!」

イエティ、雪だるま2体に直撃してイエティは燃え尽き、雪だるまは溶けて消えた。

そして難なく窮地を脱する事が出来た。

「ふぅ…起きていきなり襲われたから本当にヤバかったよ、2人ともありがとうな」

「無事で良かったよ」

「2人とも回復させるからじっとしてて」

敵がいなくなったことで3人は落ち着きを取り戻し、アミは2人を回復させる。

「2人ともまだ完全じゃないんだから、無理はしないでね?」

「分かってるよ…所でエイト」

「ん?」

ルクスは回復してもらいながら、エイトに話しかける。

「アカギ達を見なかったか?飛ばされてからずっと探してんだけど…」

「いや、俺はついさっき目が覚めたばかりだから見てないよ…」

「そうか…」

エイトがそう答えるとルクスは落胆する、アカギと離れ離れになってしまった事がよほど辛いのだろう、

無理もない、エイトだってミュウ(シルフィ、アリア、エル)と離れ離れになってしまい、彼女達の安否が気になっている。

「でも、エイトが無事でよかったよ、気がついたら俺しかいなかったから皆んなの事、心配してたんだよ」

「俺もさ、あの時は本当に危なかったから、まさに"九死に一生"だったよ」

(エイトの実力はともかく、あのルクスでさえそんな事を言うなんて…DDダークデビルあの時魔王よりも危ないって事ね)

回復魔法をかけながら、アミは2人の会話を聞いてそう思う、

忘れてはならないのはルクスは勇者リムルと共に魔王を倒した程の力を持つ人間だ、

普通に考えてそんな人間がボロボロになる
なんて、想像がつかない。

「私達が動くなんてどんな仕事かと思ったけど、これは想像以上にハードな仕事になりそうね」

「仕事って…任務だろ?」

「同じよ、ま、聖地にいるよりはマシだわ」

アミはそう愚痴を言いながら、ルクス達の回復を終わらせる、

ルクスとエイトは体を動かしながら、自身の状態を確認する。

「さっきの魔物(?)達との戦闘時よりもだいぶ体が軽くなったな」

「ありがとう、助かったよ」

「どういたしまして」

2人の状態は先程と比べるとだいぶ良くなっている、これが聖女の力なのだろう。

「それで、これからどうする?」

「どうするって…ルクスみたいに仲間を探しに行くよ、1人でDDダークデビルに挑むなんて自殺行為だ」

「そうね、私も同行するわ、2人だけじゃ心配だし」

そんな事を話していると、何者かが速い速度でこちらに近づいている事に気づく、

その方向に視線を向けると…

「師匠?」

「え?アマギさん?」

ルクスの言葉にエイトが反応する、どうやらこちらに向かっているのはルクスの師匠義姉、アマギらしい。

「皆んな無事だったのね!」

「師匠!?どうしてこんな所に!?」

アマギはルクス達の顔を見て安堵する、しかしすぐさま顔色を変えて、慌て始める。

「皆んなを探しに来てたのよ!そしたら…」

アマギがエイト達に慌てて話していると、不意に悍ましい殺気に気づく、

その方向は先程アマギが走ってきた方向と同じだ、つまりアマギはルクスを見つけて来たのではなく、



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"寝取られた幼馴染みがヤンデレとなって帰ってきた"
に登場した 「聖女 アミ」


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