幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

みっちゃん

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第9章 外伝2 〜英雄〜

第三百九十二話 2人だけど1人ぼっち

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「何処にあるんですか…兄様…」

返事をしても返答がない、一体どう言う事だろうか?

『アリア…聞いてなかったのか?』

「何を?」

自分アリアにしか見えないエルがフワッと現れて、アリアと話をする。

『とりあえず、この時空の歪みが消える前に入るのじゃ…主様の想いを無駄にするでない。』

「でも!兄様がいないのよ!?」

『主様は死んだ!さっきも言っておったじゃろ!っと!』

「あんなの嘘よ!兄様が!あたし達の兄様がそんな簡単に死ぬわけない!」

話は聞いていたが、信じてはいなかったのだろう、大好きな人が唐突に死んでしまうと信じる事が出来ない「アレ」に似ている。

『そうじゃ、ミュウやシルフィは主様と違ってあっという間に死んだ、けど主様はワシ達の為にその身をなんとか維持して来てくれたのじゃ。』

3人の力を使ってアリアとエルを助けて、エイトは僅かな想いを胸に抱いて先程までいたのだ。

それでもエイトの「決意」は最後まで持たなかったのだ。

「でも…あたし1人でどうすれば良いのよ…兄様の様なリーダーシップもない、ミュウ姉様の様な優しさがない、シルフィ姉様の様な器用さもないのよ…」

『ワシがおるではないか、暗黒神の片割れであるこのワシが!』

「でも肉体もないし、魔力だってさっきので使い切ってもうないじゃん。」

アリアの鋭い指摘にエルは『うっ!?』と狼狽える、ミュウ達がいなくなった事で多少言いたい事が言える様になったのだと思う。

「…まぁでも、本当に独りぼっちではないからいいかな?」

『ワシがいる限り1人にはせんよ…それに』

エルは時空の歪みの方に指を挿す、エイトがアリア達に残してくれた最後のお願いだ。

『主様は過去に遡ってと言っていた、つまり』

「過去に行って、今回の事を話して、そして…」

未来を変える、こんな悲劇が起こらない様にする、それこそが彼が望んだ結末だ。

「行こう!」

『うむ!』

そう言ってアリア(エル)は時空の歪みの中に入る、そこは白い世界とは違い、認識が出来ない、未知の世界だった。

脳で考え事をする時に感じる、あの虚無の様で虚無ではない、ありそうでない、と言う矛盾する世界。

そして

「…っアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

そこは時空の歪み、いくら厄災の片割れ、バグであったとしても、余裕な世界ではないのだ。

——————————————————————
続く
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