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第9章 外伝2 〜英雄〜
第三百七十五話 起こる絶望
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その瞬間はまさに唐突だった。
エイトがミュウ達を連れてカルデア王国へ帰ろうと歩き始めた時にそれは起きた。
「…え?」
エイトは後ろから血飛沫が見えて、それが誰かの血である事は容易に理解できた。
「だ…れ…?」
ミュウは後ろを向いてその正体を知る、目を大きく見開き、今起きた事に驚愕する。
「あ…ああ…」
「シルフィ姉様!」
「しっかりするのじゃ!」
目眩がして、ふらっと倒れそうになるシルフィをアリアとエルが支える。
「あ…か…ゴホッ」
そしてその血の正体は…
「私のミスがバレてこの世界の女神をクビにされたら困るんですよ。」
つい先程、仲間となった「厄災」のものだった…
心臓から手が突き出しておりそこから「ヒタヒタ」と血が流れ落ちている。
「嫌だ…また死にたくない…助けて…エイト…」
厄災は腕を伸ばし助けを求める、エイトはその手を掴もうと駆け寄るが、
「貴女の様な失敗作…もう存在すらいらないですね…消えろ」
「いや…いや…いやぁ…」
「アリア!エル!シルフィ!ミュウ!」
エイトは仲間達に声をかけてすぐに助ける様に合図する、ミュウ達も「ハッ」と我に返り、急いで厄災を救おうとする。
「ふん!」
「厄災!」
「そいつ」は手を引き抜き、厄災はエイトの方に倒れ込む、血の量が酷い、呼吸も小さく、体温もだいぶ低い。
「しっかりしろ!今治してやる!"引き継ぎ"超回復!!!!!」
エイトは厄災の心臓に手を置いて懸命に治そうとする…が
「嘘!?なんで治らないの!?」
ミュウも「ダウンロード」の力で超回復をかけているが、全く効き目がなく、どんどんと眼が虚になりかけている。
「あたし!しっかりして!」
「何故じゃ…何故じゃ何故じゃ何故じゃ何故じゃ何故じゃ何故じゃ何故じゃ!!!!!!」
アリアとエルは魔術の力で回復の術式をかけているが、それでも厄災は治らない。
「貴女…何をしたんですか!!!」
シルフィは「そいつ」に剣先を向けて警戒する、弱かったとは言え、エイトの心臓を軽く貫く程の力を持つ厄災をこうもあっさりと瀕死に追い込んだのだ、警戒しなければこちらが危ない。
「何って…プログラムしたんですよ、もう2度と蘇れない様に…ね♪」
「何ですって!?」
シルフィはそう言って後ろを振り向く、エイトの「引き継ぎ」、ミュウの「ダウンロード」、アリアとエルの「魔術」世界屈指の実力者である4人がここまで回復魔法をかけているのに、効き目が全くないのだ。
「嫌だ…ぼくは…今度こそ…君と…」
「駄目だ…死ぬな!死ぬなァァァァァァァァァ!!!!」
エイトは最後の最後まで決して諦めずに厄災を回復し続けた、ミュウもアリアもエルも諦めなかった…しかし
「…………………………」
彼女は治る事なく、息を引き取った…
「あーあ、やっと死にましたか…長いんですよ死ぬのが」
「………」
エイトはそっと厄災の目を閉じさせる、そしてそっと地面に置く
「本当は人間に始末させようと思ったんですが、性欲モンスターがそんな事出来る訳ないですよね?」
ミュウは立ち上がり、そっと手を合わせる
せめてあの世では幸せになって欲しい。
「それに英雄、魔王、厄災、暗黒神を殺させるなんて軍隊でも引き連れないと無理ですからねぇ…」
アリアは自分が消えない事を確認して、血が出る程自分の手を握りしめた。
「だから私自ら出向いたんです、だからさっさと…」
エルは涙を拭いて、殺気を露わにする。
「死んでくれませんかね?」
そう言って「そいつ」は魔力弾を撃ち込む、シルフィはそれを無言で斬り、エイト達に被害が出ない様にする。
「…ぶっ殺してやるよ……」
エイトはそう言って「そいつ」を…「女神アマス」を睨みつける。
悍ましい程の殺気を込めて…叫ぶ
「このクソ女神がァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
——————————————————————
課題やりたくない
エイトがミュウ達を連れてカルデア王国へ帰ろうと歩き始めた時にそれは起きた。
「…え?」
エイトは後ろから血飛沫が見えて、それが誰かの血である事は容易に理解できた。
「だ…れ…?」
ミュウは後ろを向いてその正体を知る、目を大きく見開き、今起きた事に驚愕する。
「あ…ああ…」
「シルフィ姉様!」
「しっかりするのじゃ!」
目眩がして、ふらっと倒れそうになるシルフィをアリアとエルが支える。
「あ…か…ゴホッ」
そしてその血の正体は…
「私のミスがバレてこの世界の女神をクビにされたら困るんですよ。」
つい先程、仲間となった「厄災」のものだった…
心臓から手が突き出しておりそこから「ヒタヒタ」と血が流れ落ちている。
「嫌だ…また死にたくない…助けて…エイト…」
厄災は腕を伸ばし助けを求める、エイトはその手を掴もうと駆け寄るが、
「貴女の様な失敗作…もう存在すらいらないですね…消えろ」
「いや…いや…いやぁ…」
「アリア!エル!シルフィ!ミュウ!」
エイトは仲間達に声をかけてすぐに助ける様に合図する、ミュウ達も「ハッ」と我に返り、急いで厄災を救おうとする。
「ふん!」
「厄災!」
「そいつ」は手を引き抜き、厄災はエイトの方に倒れ込む、血の量が酷い、呼吸も小さく、体温もだいぶ低い。
「しっかりしろ!今治してやる!"引き継ぎ"超回復!!!!!」
エイトは厄災の心臓に手を置いて懸命に治そうとする…が
「嘘!?なんで治らないの!?」
ミュウも「ダウンロード」の力で超回復をかけているが、全く効き目がなく、どんどんと眼が虚になりかけている。
「あたし!しっかりして!」
「何故じゃ…何故じゃ何故じゃ何故じゃ何故じゃ何故じゃ何故じゃ何故じゃ!!!!!!」
アリアとエルは魔術の力で回復の術式をかけているが、それでも厄災は治らない。
「貴女…何をしたんですか!!!」
シルフィは「そいつ」に剣先を向けて警戒する、弱かったとは言え、エイトの心臓を軽く貫く程の力を持つ厄災をこうもあっさりと瀕死に追い込んだのだ、警戒しなければこちらが危ない。
「何って…プログラムしたんですよ、もう2度と蘇れない様に…ね♪」
「何ですって!?」
シルフィはそう言って後ろを振り向く、エイトの「引き継ぎ」、ミュウの「ダウンロード」、アリアとエルの「魔術」世界屈指の実力者である4人がここまで回復魔法をかけているのに、効き目が全くないのだ。
「嫌だ…ぼくは…今度こそ…君と…」
「駄目だ…死ぬな!死ぬなァァァァァァァァァ!!!!」
エイトは最後の最後まで決して諦めずに厄災を回復し続けた、ミュウもアリアもエルも諦めなかった…しかし
「…………………………」
彼女は治る事なく、息を引き取った…
「あーあ、やっと死にましたか…長いんですよ死ぬのが」
「………」
エイトはそっと厄災の目を閉じさせる、そしてそっと地面に置く
「本当は人間に始末させようと思ったんですが、性欲モンスターがそんな事出来る訳ないですよね?」
ミュウは立ち上がり、そっと手を合わせる
せめてあの世では幸せになって欲しい。
「それに英雄、魔王、厄災、暗黒神を殺させるなんて軍隊でも引き連れないと無理ですからねぇ…」
アリアは自分が消えない事を確認して、血が出る程自分の手を握りしめた。
「だから私自ら出向いたんです、だからさっさと…」
エルは涙を拭いて、殺気を露わにする。
「死んでくれませんかね?」
そう言って「そいつ」は魔力弾を撃ち込む、シルフィはそれを無言で斬り、エイト達に被害が出ない様にする。
「…ぶっ殺してやるよ……」
エイトはそう言って「そいつ」を…「女神アマス」を睨みつける。
悍ましい程の殺気を込めて…叫ぶ
「このクソ女神がァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
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