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第9章 外伝2 〜英雄〜

第三百七十三話 嫉妬

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「…ぼくは…厄災…世界を…滅ぼす…」

「させないと言ってるでしょ!」

「行くぞ!アリア!」

右腕は折れ、左手は切断され、背中は斬られ、普通の人間ならば致命傷の傷だが、「厄災」はなお睨み続ける。

「「術式"破裂する炎バーストフレア"!!!」」

アリアとエルの事を無視して、エイト目掛けて襲ってくる「厄災」に放つ、

エイトの事で頭がいっぱいなのだろう、爆発する寸前まで気付くことが出来ず、気付いた時には既に炎の中にいた

「アアアアアアアアアア!!!!!」

全身が黒焦げになるが何故か服は少し破ける程度だった。

しかしエイトにとっては好都合だった、いくら「厄災」とは言え、見た目は少女だ、その裸を見ながら戦う事は出来ない。

(…しかしやり難いな)

と、エイトは思う。
「厄災」はあまりにも、多分RPGで言う所の第1形態とかそう言うのだと思うのだが、5人の攻撃を一撃ずつ貰っただけで、もう瀕死の状態だ。

「痛い…クソッ…なんでぼくは…ぼくは…」

泣きながらもまだ立っており、その生命力の高さはやはり「厄災」と言っても過言ではないだろう。

それにしても…だ

「…なんで俺だけ狙い?」

「ダンッ」と地面を蹴り、エイトの方に飛び蹴りを喰らわす。

「な!?」

しかしそれをエイトは右手で掴む、足元が「ボゴッ」と地面が割れる音がして、その威力が桁外れだと言うのが分かる。

「そうやって俺だけ狙うと…」

「ひぎ!?」

ミュウが瞬時に現れて脚を斬る
そして重力に逆らえず尻餅をつく。

「これで貴女の使える足は一本だけになったわね?」

「っ!!!」

斬られた足から大量の血が流れる、酷い出血の量だ、人間なら既にショック死している量だ。

「嫌だ…死にたくない…ぼくは…ぼくは…」

「安心してください、貴女は死にません、ただ封印されるだけです。」

シルフィは倒れる「厄災」に向かってそう言う。

死んでは困るのだ、死んでしまってはアリアが消えてしまう可能性がある、その為アリアが死なない様に封印するしかないのだ。

「ふざけるな…お前達はぼくを虐めて、殺して、またいじめてを繰り返して来ただろ…どうせまたイジメて来るんだ…絶対に信じないぞ!」

「…やっぱり"プログラム"の事、理解しているじゃあないの」

「お主も記憶があるのじゃな?」

「厄災」を囲む様にアリアとエルも立って見下ろす、まさに四面楚歌という感じだ。

「…うるさい…君達だけずるいよ…ぼくだって…ぼくだって…」

「!?エイト!逃げて!!」

「ぼくだって!!!」

ミュウが叫ぶが遅かった、「厄災」は右腕、左手、右足、背中の傷を一瞬で治してエイトの方に向かう…そして

「うむ!?」

「…は?」

「…え?」

「…ふぇ?」

「…なぬ?」

エイトは「厄災」に唇を奪われた。
「クチュクチュ」と舌と舌が絡み合う音が響き渡り、終わった頃にはお互いの口から涎が溢れる。

「…ぼくだって…なんだよ…!!」

「…いきなり殺そうとしてきた奴がそれ言う?」

更に言うならシルフィと剣を交え、ミュウ達も本気で殺そうとしていた筈だが?

「ミュウ達だけずるいよ、ぼくだって兄様を独り占めしたいよ!」

「…マジで何言ってんの?」

「厄災」の言葉にエイトは「?」マークが浮かぶ、本当に訳がわからない、頭がおかしくなりそうで上手く働かない。

「ぼくは"厄災"だよ!片割れだったその"片割れ"いくらバグとは言え、同じ"厄災"なんだよ!」

「えーと…つまり、アリアの記憶を…共有…と言うか、持っている…と?」

2人で1人だから本体の方にその記憶が移動している…と言う事だろうか?

エイトがそう言うと「厄災」は頷く

「ぼくは"プログラム"に抗いながら、やっとその呪縛が解き放たれたんだ!」

そう言ってとてもはしゃぐ、その姿は本当にアリアとそっくりだった。

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期末試験と期末課題がある為、コメントは返せません。

本当にすいません。

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