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第9章 外伝2 〜英雄〜

第三百六十六話 カウントダウン

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~厄災が現れたとされる所からほど近い町~

にて、エイト達は(一応)最後の休息地としておもむいていた。

「…やっぱり活気がないなぁ」

エイトはそう呟く、エイトがそういうのも無理はない、町の前で立っている門兵もやる気がなく、町の中に入っても人の数はだいぶ少ない。

「仕方ないよ、厄災が現れたとなれば逃げる人も出てくるよ。」

「そうですね、ミュウ様の言う通り、自分の命に関わる事ですから。」

ミュウの言葉にシルフィは頷く、それはそうだ、厄災が近いと言う事は襲われる可能性が高いと言う事だ、そうなればこんな町なんてすぐに滅びる。

「でも、シルフィ姉様、ここに残っている人達もいますよ?」

「それは前の村と同じ理由じゃあないのかの?」

前の村でも似た様な話はした、宿屋の人は
「死ぬならここが良い」と言っていた。
やはり思い出のある地から離れたくないというのも理由の一つだろう。

更にここはあの村から更に厄災から近い町だ、むしろまだ住んでいる人達がいた事に感謝すべきだろう。

「まだ人がいるなら宿屋もやっている可能性がある、取り敢えず行ってみよう。」

エイトはそう言って、この町の宿屋を探しに歩き始めた。

(厄災を倒す、それが私達の目標だけど…)

ミュウは歩きながら手を繋いでいるアリアの横顔を見る。

「兄様ぁ!宿屋にお風呂があったら一緒に入りたいです!」

「あー!ズルいのじゃ!」

とても無邪気で元気で明るくて、まるで本当の妹の様な可愛いアリア

しかしその正体はミュウと同じ「Sランク」の冒険者であり、厄災の片割れ(?)と自称している女の子だ。

(にわかには信じがたい話ですけどね。)

圧倒的な魔力と、自分達が愛する人の読心術コールドリーディングの力によって、それが本当の話だとシルフィはわかっている。

エイトは仲間に嘘はつかない、更に言えば、ミュウやシルフィと言った心から信頼出来る相手にその様なくだらない嘘はつかない。

そして決定的なのは約半年前女神アダマスがアマスとエルに対して「厄災と暗黒神の片割れ」と言った事だ、張本人ではないが、女神であるアダマスが知っているとなれば、これはもう真実でしかない。

(…だからこそ…なんだよな)

と、エイトは「2人で一緒に入ろうな?」と優しく声をかけながら思う。

厄災を倒す、それはつまりアリアの本体を倒すと言う事、もしそのせいで今ここにいるアリアが消えて仕舞えば、エイトは一生後悔するだろう。

カイトと同じハーレム野郎と言われても構わない、しかし
大切な人、自分の事を金や地位、名誉と言ったアイ達の様な打算的でもなく、
カイトの様な洗脳などを使わず、
心の底からお互いを信頼出来る、相思相愛の関係の人達をエイトは見捨てる事はできない。

最初はミュウだけだった、しかしミュウと自分エイトを心から支えてくれるシルフィを、自分を兄の様に慕ってくれるアリアとエルをエイトは幸せにしたいと心から願っている。

偽善者と言われようとも優柔不断と言われようとも、エイトは1人の男として覚悟は出来ている。

「本当ですか!?約束ですよ!」

「主様と入れるのなら、嬉しいのじゃ!」

アリアとエルは無邪気に喜ぶ、ミュウとシルフィもその姿を見て静かに微笑む。

「なら、私も一緒に入るわ。」

「え?ミュウ?」

「私もです、当然です抜け駆けは許しません。」

「シルフィ?」

何故大人の2人が張り合う?と思ったエイトだが…

「チッバレましたか…兄様の主砲(意味深)を私の格納庫(意味深)を入れようと思ったのに…」

「アリア?」

「ワシの花の蜜(意味深)に主様の種を注いで欲しかったのじゃ(意味深)」

「エルちゃん?」

と、エイトはアリアとエルの顔を見る。

先程まで無邪気な子供だったアリアとエルだったが、ミュウ達の発言で乙女の顔になっていた。

「あの…人が少ないからって…いるかもしれないから…その…お手柔らかお願いします。」

決戦のカウントダウンは残りわずか…
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「ハーレムって良いって言うけど…体力ないと死ぬ…」by.エイト

かくろう氏に依頼してAIに描いてもらったエルちゃん(18歳)です!
本当にありがとうございます!



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