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第9章 外伝2 〜英雄〜

第三百五十五話 女神アダマス

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~数日後~

勇者カイトとの戦いから数日が経過した。
エイト達の旅は良好で、順調に目的地に近づいてきていた。

「ここまでは順調に進んでいるな。」

「そうね、カイトも怪我で当分はあの村に滞在するはずだし、まだ心配する必要もないよね?」

エイトは地図を開きながら旅の日数を記録していた、徒歩の為時間はかかっているが、初日と比べたらだいぶ歩行距離も伸びている。

そしてミュウの言う通り、カイトはメグミ、アイ、サユリも含めて相当な深傷ふかでを負った、いくら魔法使いや僧侶といった回復魔法を使える者達がいても短くで数週間、長ければ数ヶ月はかかるだろう。

「しかし、油断は禁物です、勇者カイトと言う男を倒した、となれば、少なからず彼女(?)が来る可能性もあります。」

シルフィが言う彼女(?)とはおそらく…

「女神アダマス…ですね?」

「うむ…主様の話が本当なら…今の状況は面白くないはずじゃしな。」

アリアとエルはそう答える、エイトに教えてもらった話しだと、ハーレム物語の主人公カイトは今はその物語のバッドエンドに向かっている。

このまま行けばバッドエンドは確実、何か打開策を立てる筈だ。

その打開策が何かまではわからないが、バッドエンドへ導いたミュウ達を女神アダマスが見逃す訳ない。

「今はまだ女神アダマスは何もして来ないけど、アイツの事だ何か仕掛けてくるかも知れない…それだけは忘れずに旅を続けよう。」

「そうねエイトの言う通りね、カイトの狙いは私だったとしても、女神アダマスの狙いは私だからね。」

ミュウの言う通り、女神アダマスはカイトのライバル(?)のエイト、カイトの幼馴染み(は?)のミュウ、そしてエイトの洗脳魔法(え?)で洗脳されたシルフィ、アリア、エルをカイトとの思い描いた、女神アダマスが作った物語通りにする為に全員を狙ってくる筈。

「なんとかして、女神アダマスを何とかしないと行けませんね?」

「シルフィ姉様の言う通りです、女神アダマスの所為で世界は滅茶苦茶になりかけています。」

「ワシ達の様なバグ(?)が起こってしまったら…大変な事になるぞ?」

アリアとエルは厄災と暗黒神の片割れ…分身体だ、これだって女神アダマスの所為で起こった事で、今回の件はまだマシな方だ。

何故ならアリア達は人間側の陣営だ、例えその理由がエイトだとしても、そのエイトが人間側の陣営なら、エル達もそちら側だ。

しかし
例えば厄災の片割れがまだいて更にそれが
7つの球を集める物語の神様の様にだったら?

暗黒神の分身体がまだいて、それが人を殺すことしか考えていなかったら?

「そうだな、エルちゃん達は稀な存在だろう、もしかしたら厄災並の力を持った者達がバグで大量に現れたら、俺達じゃ勝ち目はない。」

「そうね、エイトの言う通り、厄災単体でも勝機はわからないのに、それが多かったら…不味いわね。」

嫌な予感は尽きない、ミュウの言う通り厄災単体なら命を捨てる覚悟で挑めばその片割れ、バグであるアリアと何処にいるかはわからないが存在している暗黒神の片割れであるエルもいる、勝機はある。

「取り敢えず、これ以上考えるのはよそう、嫌な事を考えるとそれしか考えられなくなる。」

エイトの言う通りだ、嫌な予想をしたところで所詮は予想だ、実際にそうなっているわけじゃないし、あくまでも可能性の話だ。

「うん、そうだね。」

「確かに考えても仕方ないですね、私達は厄災を倒す、それだけです。」

「兄様の為にあたし達もついていくだけです。」

「主様の為にワシも頑張るぞ!」

アリアとエルは自分達の存在がどうなるか分からない中で協力してくれるのだ、その想いに応えなければならない。

しかし、

「いい加減…その厨二病全開の言葉を言うのをやめてほしいんですけど?」

「「「「「!?」」」」」

そこにいたのは女神アダマスだった。

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