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第9章 外伝2 〜英雄〜
第三百三十話 2人だけの会話
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~宿屋の中にて~
「ここか…」
ドアノブに鍵を差し込みドアを開ける、客が少ないとは言え、掃除はしっかりとやっているのだろう、とても綺麗だ。
「中は思ってたより綺麗ね。」
「なんだか寒気がしますね。」
「ミュウ、シルフィ、それ以上言うな。」
部屋の中に入り、ミュウとシルフィはとあるホラーゲームの最初の場面を言っていた。
「?」
「なんなのじゃ?」
当然アリアとエルが知っているわけがないので、今の行動は不可解だろう。
「アリア、エルちゃん、今のは知らなくて良いんだよ?」
エイトはそう言って2人を中に入らせる、最後にエイトが入ってドアを閉める、これでやっと一息がつける。
「ふぅ…疲れたぁ」
「お疲れ様、エイト」
「ボフッ」とベットの上にだいぶして、「ドッ」と溜まった疲労が来るのを感じる。
「お疲れ様です、エイトさん、ここは流石にお風呂はないのでお湯で体を拭く形になりますが、いかがなさいますか?」
流石に身体中汚れているし、少し臭う
(勿論後でベットも魔術で綺麗にするが)
拭いた方が良いだろう。
「そうだな、シルフィ、お願い出来るか?」
「かしこまりました。」
エイトはシルフィにそう頼むと、シルフィはお湯の入った桶を取りに部屋の外に出る。
「シルフィ姉様、あたしも行きます!」
「ワシもじゃ!」
「はい、ではついて来てください。」
アリアとエルもシルフィについていく、部屋に残ったのはエイトとミュウの2人だ。
「随分と賑やかになったわね。」
「だな、前世の時は俺とミュウの2人きりだったのに…」
そして今世では子猫だったシルフィはミュウのメイドとなって、奴隷だったアリアとエルを買って、今では5人パーティとなっている。
「それでさミュウ、ひとつ聞きたいんだけど良いか?」
「ええ、良いわよエイト」
ミュウは近くにあった椅子に座って、エイトはベットに座って、先程と違って真面目な顔になる。
「…アリアとエルは何者だ?」
「やっぱり、読心術で違和感を感じたのね。」
「まぁこれは最初っからおかしかったけどな」
厄災の話になると2人の視線や声のトーン、話し方、動き方や接し方等、ほんの些細な所から明らかに怪しい動きもエイトは見ていた。
「桁違いの魔力…いくら凄いとは言え、魔王と英雄、しかもSランクである私達よりも遥かに上なんて…おかしいにも程があるわ。」
「そうだよな…でも敵意は全くないからな…むしろ好意しかない。」
容姿に見合った幼さと愛されてこなかった事による、愛への固執。
特にエイトに対する想いは桁違いで、これが演技であれば恐ろしいくらいだ。
「俺やミュウ、シルフィに対する視線は間違いなく愛情に飢えた幼い子供だ、だからこそ胸が苦しい。」
「あんな小さな子供を…と言っても4つしか変わらないけど…疑いたくないからね。」
可愛く、健気で、とても優しい2人、でも、時折見せる不穏な影がどうしてもエイト達の脳裏を掠めてしまう。
「厄災との決戦も現実味を帯びてきた、そろそろ覚悟を決めないといけないからな。」
「そうね、もし…もし、あの子達が何かしらの関係性があるとしても、やるべき事は変わらないわ。」
勇者カイト、彼よりも早く厄災を倒す事
恐らく倒したとしても面倒な事が起こる事は分かっているが、特に問題はない。
「女神アダマス、アイツは何を企んでいる?」
「このまま見逃す…なんて事はないわよね。」
佐藤海斗をこのオラクルの世界に転生させて、カイトの為のハーレム物語を作っている元地球の女神アダマス、この世界の女神アマスからその座を奪い、自分の私利私欲の為に動いている全ての元凶。
そんな彼女が、そのシナリオを滅茶苦茶にしている英雄エイトを無視する訳がない、何かしらの邪魔をする筈だ。
そんな不安要素がある中、シルフィ達3人は部屋に戻って来た…
——————————————————————
「………」
「ここか…」
ドアノブに鍵を差し込みドアを開ける、客が少ないとは言え、掃除はしっかりとやっているのだろう、とても綺麗だ。
「中は思ってたより綺麗ね。」
「なんだか寒気がしますね。」
「ミュウ、シルフィ、それ以上言うな。」
部屋の中に入り、ミュウとシルフィはとあるホラーゲームの最初の場面を言っていた。
「?」
「なんなのじゃ?」
当然アリアとエルが知っているわけがないので、今の行動は不可解だろう。
「アリア、エルちゃん、今のは知らなくて良いんだよ?」
エイトはそう言って2人を中に入らせる、最後にエイトが入ってドアを閉める、これでやっと一息がつける。
「ふぅ…疲れたぁ」
「お疲れ様、エイト」
「ボフッ」とベットの上にだいぶして、「ドッ」と溜まった疲労が来るのを感じる。
「お疲れ様です、エイトさん、ここは流石にお風呂はないのでお湯で体を拭く形になりますが、いかがなさいますか?」
流石に身体中汚れているし、少し臭う
(勿論後でベットも魔術で綺麗にするが)
拭いた方が良いだろう。
「そうだな、シルフィ、お願い出来るか?」
「かしこまりました。」
エイトはシルフィにそう頼むと、シルフィはお湯の入った桶を取りに部屋の外に出る。
「シルフィ姉様、あたしも行きます!」
「ワシもじゃ!」
「はい、ではついて来てください。」
アリアとエルもシルフィについていく、部屋に残ったのはエイトとミュウの2人だ。
「随分と賑やかになったわね。」
「だな、前世の時は俺とミュウの2人きりだったのに…」
そして今世では子猫だったシルフィはミュウのメイドとなって、奴隷だったアリアとエルを買って、今では5人パーティとなっている。
「それでさミュウ、ひとつ聞きたいんだけど良いか?」
「ええ、良いわよエイト」
ミュウは近くにあった椅子に座って、エイトはベットに座って、先程と違って真面目な顔になる。
「…アリアとエルは何者だ?」
「やっぱり、読心術で違和感を感じたのね。」
「まぁこれは最初っからおかしかったけどな」
厄災の話になると2人の視線や声のトーン、話し方、動き方や接し方等、ほんの些細な所から明らかに怪しい動きもエイトは見ていた。
「桁違いの魔力…いくら凄いとは言え、魔王と英雄、しかもSランクである私達よりも遥かに上なんて…おかしいにも程があるわ。」
「そうだよな…でも敵意は全くないからな…むしろ好意しかない。」
容姿に見合った幼さと愛されてこなかった事による、愛への固執。
特にエイトに対する想いは桁違いで、これが演技であれば恐ろしいくらいだ。
「俺やミュウ、シルフィに対する視線は間違いなく愛情に飢えた幼い子供だ、だからこそ胸が苦しい。」
「あんな小さな子供を…と言っても4つしか変わらないけど…疑いたくないからね。」
可愛く、健気で、とても優しい2人、でも、時折見せる不穏な影がどうしてもエイト達の脳裏を掠めてしまう。
「厄災との決戦も現実味を帯びてきた、そろそろ覚悟を決めないといけないからな。」
「そうね、もし…もし、あの子達が何かしらの関係性があるとしても、やるべき事は変わらないわ。」
勇者カイト、彼よりも早く厄災を倒す事
恐らく倒したとしても面倒な事が起こる事は分かっているが、特に問題はない。
「女神アダマス、アイツは何を企んでいる?」
「このまま見逃す…なんて事はないわよね。」
佐藤海斗をこのオラクルの世界に転生させて、カイトの為のハーレム物語を作っている元地球の女神アダマス、この世界の女神アマスからその座を奪い、自分の私利私欲の為に動いている全ての元凶。
そんな彼女が、そのシナリオを滅茶苦茶にしている英雄エイトを無視する訳がない、何かしらの邪魔をする筈だ。
そんな不安要素がある中、シルフィ達3人は部屋に戻って来た…
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