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第9章 外伝2 〜英雄〜

第三百二十五話 野宿

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~数ヶ月後~

「もう…日が暮れてしまったな…」

「今日はここで野宿ね。」

エイトは周りの景色を見てそう言う、陽は殆ど落ちて茜色が少し見え、その大半が暗闇の世界になっている。

「そうですね、これ以上歩いたら危険ですね。」

魔物や肉食動物が徘徊する闇の中を歩くのは例えSランク冒険者といえど危険が大きい。
更に今ここは森の中だ
ここはミュウとシルフィの意見を取り入れて野宿するのが正解だろう。

「だな、取り敢えず、火を起こす為に薪と…食糧だな。」

「でも兄様、まだ備蓄はあった筈ですよね?」

「それが底を尽きたらお終いじゃろ?」

エルの言う通りだ、エイト達の旅はまだまだ続く、この森の中なら少しは食べられる物があるだろう。

「俺は火を起こすから、ミュウ達は薪と食糧を頼む。」

「わかったわエイト、シルフィ」

「かしこまりました、では行きますよ?アリア、エルちゃん。」

「はい!」

「うむ!」

そう言ってエイトは近くにある木と藁で火を起こす、この世界なら魔法か魔術で十分だから楽だ。

「後は皆が帰ってくるのを待つだけか…」

木を切って、椅子代わりにする、四角形に火の周りに置いて、ミュウ達の帰りを待ちながら料理の準備をする。

「それにしても夜空が綺麗だよなぁ」

空は星空が広がっており、無数の星々が夜空を照らしている。

日本では見る事の出来ない素晴らしい景色だ、そんな空をボーッと見ていると

「主様!」

「うぉ!?」

エルが背中から抱きついてくる、耳をぴこぴこ、尻尾をぶんぶんと振りながら、エルは「むふふー!」と喜んでいる。

「にしし、主様よ油断大敵じゃぞ?」

「こら!兄様に失礼でしょ!…ごめんなさい、兄様。」

それを止めに入ったのはアリアで、エルをペリッと引き剥がす。

「いいよ、なんならアリアも来る?」

「いいんですか!?…あ///いや…」

「アリアよ、我慢はいかんぞ?」

「エルちゃんは我慢して!」

ぽかぽかとエルを叩きながら追いかける、エルは「ごめんなのじゃ~」と嬉しそうに逃げる。

「全く…何してんのだか…」

と口では言うが、顔はとても穏やかで、いつもの2人に安心している様だ。

「しかし主様よ、お主は本当にお人好しじゃのう。」

「え?」

戯れ合っている2人は、不意にそれを止めて、2人でエイトの所へ行く。

「何でそう思うんだ?」

「だってワシ達は(元)奴隷なのに助けるなんて…普通の人間じゃやらんよ。」

「うんうん、兄様は救いようのない、お人好しです!」

普通の人間と言うか、お人好しと言うか、ただ自分の欲望に従っただけなのだが…
まぁ助けたいと思ったのは事実なのだが。

「貶しているのか、褒めているのか、どっちかにしてくれ。」

「褒めておるのじゃ!」

「褒めているのです!」

アリアとエルはそう言いながら笑顔で笑う、その姿がとても愛おしくて、可愛くて、自然と2人の頭を撫でてしまう。

「ううーーん////主様はてくにちゃんじゃのう。」

「それを言うなら"テクニシャン"だろ?」

「はい、兄様はてーくにしゃん…です////」

「結婚したい(可愛いよ2人とも)」

抱きつかれながら頭を撫でるのは、可愛い子猫や子犬と戯れ合う様な、癒し効果があり、ついつい本音が出てしまう。

そんな事をしていると、ミュウ達が帰って来て、そしてこの光景を見て早々

「あー!!!」

「「「!?」」」

と、大きな声で叫ぶ、お陰でエイト達3人は驚く。

「なんじゃ…お主か…びっくりさせるなぁ…」

「敵かと思っちゃいましたよ、ミュウ姉様。」

しかしミュウだと分かってからは、またか、と言わんばかりにため息をこぼす。

「だって2人がエイトとイチャイチャしてるんだもん…私のなのに。」

「正確には私"達"…ですけどね?」

「ミュウ、シルフィ、お帰り、どう?」

ミュウとシルフィは薪と山菜…と言うか森の食材を両手で抱えながら持ってくる、薪は兎も角、山菜(?)は…….

「それ食べたら死ぬなワシら」

そう、いわゆる毒系を持って来たのだ。

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AIイラスト エイト•マクラレンその2















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