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第9章 外伝2 〜英雄〜
第三百二十四話 自由だけど辛い世界
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街から出る前に奴隷商人…元ご主人(?)に出会ったが、エイト達のお陰で無事に追い払う事が出来た。
「さて、気を取り直して…」
「次の街に行こう!」
エイトはアリア達を撫でながら、アリア達を安心させ、ミュウは元気よく腕を上に上げる。
「アリア達は旅は初めてですか?」
「いえ、シルフィ姉様、前のご主人様の馬車に乗って旅…と言うより、色々な街に行ったことがあります。」
「売れなかったら次の街へ、それを繰り返しておった…」
嫌な思い出なのだろう、シルフィの質問にアリアとエルは少し暗い顔になる。
「すいません、失言でした。」
「いえ!シルフィ姉様が謝る事ではありません!」
「ですが…」
アリア達の苦しみはエイト達には理解出来ない、それは実際に体験…経験していないと本当の苦しみはわからないからだ。
例えるならば骨折は痛い、と言うのが骨折した事ない人の感想だ。
ならした事がある人はより細かく、より鮮明に話す事が出来るだろう。
共感する事は出来るが、理解する事は意外と難しいのだ。
「あたし達は大丈夫ですから、そんな憐れみの眼はしないでください。」
「同情されるのは…不愉快なのじゃ…」
きっと今までもシルフィの様に憐れむ人達がいたのだろう、しかし手を差し伸べてくれた人も、助けてくれた人もいなかった。
同情した所で、何も変わらない、むしろ自分達が惨めになるだけなのだ。
「すいません…」
「シルフィ、謝る癖はメイドだから仕方ないとして、何回もアリア達の前で言うな、このままじゃ、無限ループに入るぞ。」
シルフィがまた謝るのでエイトが止める、これ以上同じ様な問答は無用だ。
「すいま…わかりました。」
「アリア達ももういいだろ?」
「はい、兄様」
「うむ、過ぎた事じゃしな!」
これでこの話は終わりにして、別の話題に変える。
「まぁ兎に角、アリア達の旅と私達がやる旅は全然違うからね?」
「そうだな、ミュウの言う通り、これからは歩いて次の街まで行く事になる、足への負担は大きいけど、大丈夫か?」
アリア達は奴隷として馬車に乗っていた、つまり自分の足で長時間歩くと言うのには慣れてないはずだ。
「それはわかりませんが、兄様達のご迷惑にならない様についていきます!」
「体力は奴隷生活でそこそこあるからの!」
栄養の全然足りない食事で、普通の人間以上の働きをしているのだ、普通の食事、普通の入浴、普通の睡眠をすれば、前以上の事が出来る…筈だ。
「そうか、でも無理はするなよ?」
「はい!」
「わかったのじゃ!」
とは言え、アリア達の体はまだまだ細い、普通に戻るまではまだまだ時間がかかりそうだ。
そう言って5人は街の入り口前に立つ、エイトはアリア達に顔を向けて、真剣な声で話す。
「いいか、アリア、エル」
「「………」」
2人は静かに頷く
「ここから先は文字通り自由だ、果てしなく広がる草原と、自然豊かな世界が広がっている。」
国同士の国交や国内の交通機関等は地球と比べると遥かに劣っている、その為、情報や物流等は圧倒的に遅い。
「でも、その分残酷な世界が広がっている。」
アリア達の様に奴隷になる者や
魔物の餌になる者
山賊達によって惨い殺され方をする者など
見たくない光景が広がっている。
「それでも俺達と一緒にいてくれるか?」
「そんなの!」
「当たり前なのじゃ!」
2人は街の外に出る、心地よい風が2人の顔に当たる。
「ふふっだって?」
「頼もしい仲間が…いえ家族が増えましたね?」
「ああ…必ず守るよ、この笑顔を」
エイト達3人は無邪気に笑うアリアとエルを見て微笑む
「それと、ミュウとシルフィと結婚する為にもな?」
「勿論よ!」
「当然です、私達以外と浮気したら許しませんからね?」
そう言って3人も街の外に出る
シルフィの言葉にエイトは苦笑いする
「これ以上は身体がもたないよ…」
女性4人と男性1人、ハーレムを味わっているエイトだが、「そこ変われ」と言う人に一言言いたいと思っている…それは
…本当に死ぬぞ? と
——————————————————————
AIイラストで描いてもらったエイト君(その1)です。
同情するなら金をくれ…確かにその通りだよなぁ
「さて、気を取り直して…」
「次の街に行こう!」
エイトはアリア達を撫でながら、アリア達を安心させ、ミュウは元気よく腕を上に上げる。
「アリア達は旅は初めてですか?」
「いえ、シルフィ姉様、前のご主人様の馬車に乗って旅…と言うより、色々な街に行ったことがあります。」
「売れなかったら次の街へ、それを繰り返しておった…」
嫌な思い出なのだろう、シルフィの質問にアリアとエルは少し暗い顔になる。
「すいません、失言でした。」
「いえ!シルフィ姉様が謝る事ではありません!」
「ですが…」
アリア達の苦しみはエイト達には理解出来ない、それは実際に体験…経験していないと本当の苦しみはわからないからだ。
例えるならば骨折は痛い、と言うのが骨折した事ない人の感想だ。
ならした事がある人はより細かく、より鮮明に話す事が出来るだろう。
共感する事は出来るが、理解する事は意外と難しいのだ。
「あたし達は大丈夫ですから、そんな憐れみの眼はしないでください。」
「同情されるのは…不愉快なのじゃ…」
きっと今までもシルフィの様に憐れむ人達がいたのだろう、しかし手を差し伸べてくれた人も、助けてくれた人もいなかった。
同情した所で、何も変わらない、むしろ自分達が惨めになるだけなのだ。
「すいません…」
「シルフィ、謝る癖はメイドだから仕方ないとして、何回もアリア達の前で言うな、このままじゃ、無限ループに入るぞ。」
シルフィがまた謝るのでエイトが止める、これ以上同じ様な問答は無用だ。
「すいま…わかりました。」
「アリア達ももういいだろ?」
「はい、兄様」
「うむ、過ぎた事じゃしな!」
これでこの話は終わりにして、別の話題に変える。
「まぁ兎に角、アリア達の旅と私達がやる旅は全然違うからね?」
「そうだな、ミュウの言う通り、これからは歩いて次の街まで行く事になる、足への負担は大きいけど、大丈夫か?」
アリア達は奴隷として馬車に乗っていた、つまり自分の足で長時間歩くと言うのには慣れてないはずだ。
「それはわかりませんが、兄様達のご迷惑にならない様についていきます!」
「体力は奴隷生活でそこそこあるからの!」
栄養の全然足りない食事で、普通の人間以上の働きをしているのだ、普通の食事、普通の入浴、普通の睡眠をすれば、前以上の事が出来る…筈だ。
「そうか、でも無理はするなよ?」
「はい!」
「わかったのじゃ!」
とは言え、アリア達の体はまだまだ細い、普通に戻るまではまだまだ時間がかかりそうだ。
そう言って5人は街の入り口前に立つ、エイトはアリア達に顔を向けて、真剣な声で話す。
「いいか、アリア、エル」
「「………」」
2人は静かに頷く
「ここから先は文字通り自由だ、果てしなく広がる草原と、自然豊かな世界が広がっている。」
国同士の国交や国内の交通機関等は地球と比べると遥かに劣っている、その為、情報や物流等は圧倒的に遅い。
「でも、その分残酷な世界が広がっている。」
アリア達の様に奴隷になる者や
魔物の餌になる者
山賊達によって惨い殺され方をする者など
見たくない光景が広がっている。
「それでも俺達と一緒にいてくれるか?」
「そんなの!」
「当たり前なのじゃ!」
2人は街の外に出る、心地よい風が2人の顔に当たる。
「ふふっだって?」
「頼もしい仲間が…いえ家族が増えましたね?」
「ああ…必ず守るよ、この笑顔を」
エイト達3人は無邪気に笑うアリアとエルを見て微笑む
「それと、ミュウとシルフィと結婚する為にもな?」
「勿論よ!」
「当然です、私達以外と浮気したら許しませんからね?」
そう言って3人も街の外に出る
シルフィの言葉にエイトは苦笑いする
「これ以上は身体がもたないよ…」
女性4人と男性1人、ハーレムを味わっているエイトだが、「そこ変われ」と言う人に一言言いたいと思っている…それは
…本当に死ぬぞ? と
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AIイラストで描いてもらったエイト君(その1)です。
同情するなら金をくれ…確かにその通りだよなぁ
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