318 / 680
第9章 外伝2 〜英雄〜
第三百九話 朝の出来事
しおりを挟む
~翌日~
目が覚めると、ミュウが自分の側で寝ていた、ベットは3つな為自ずと2人組が生まれるのだ。
エルちゃんはシルフィと共に寝ており、エイトは…
(…いない)
外はまだ薄暗く、街の人達もまだ寝ている時間帯だ、それなのに彼がいないのは何故だろう?
そう思ったアリアは布団から出て、部屋の外に出る、階段を降りて、外に出る。
冷たい風が顔に当たって気持ちいい、冬になったら地獄だが、まだその時季ではない。
「…素振りの音?」
「ブンッブンッ」と言う空気を斬る音が聞こえ、その音を頼りに歩く、宿屋の裏側、庭の所に彼はいた。
「…フッ…ハッ…ホッ…!!」
既に何時間もやっていたのだろう、一振りごとに汗が吹き出して、顔も汗だらけだ。
(…カッコいい、…けど怖い。)
真剣に剣を振る姿はカッコいいが、その視線や目つきはとても怖い、何かを恐れているのか、不安になっているのかは分からないが、「何かを忘れるかの様に剣を振っている」
様に見える。
去ろう、ここにいても迷惑なだけだ、自分は奴隷、ご主人様の邪魔はしてはいけないのだ。
そう思って後ずさると「パキッ」と木の枝を足で踏んでしまい、音が響く。
「しまっ!?」
「…ん?なんだアリアか」
アリアが慌てていると、エイトは剣を消して、アリアの方へと向かう。
「おはよう、よく眠れたか?」
「え!?あ…はい、よく眠れました…」
「そっか、なら良かったよ。」
「はい…」
話が続かない、エイトはアリアにとても優しく声を掛けてくれるが、先程の目が怖くて、上手く話せない。
「…どうしたんだ?…あ!もしかして汗臭いか?ごめんな、さっきまでトレーニングしてたから。」
「いえ、…別に…そうではないのですが…」
言いたいけど、その所為で怒られるのは嫌だ、彼は命の恩人だ、嫌われたくない。
だけどその所為で気まずい雰囲気になってしまったのは悪手だった。
「アリア」
「はい…」
「俺はお前の事を嫌いになったりしないよ。」
「え?」
いきなり言われた事に驚く、それは今思った事だったからだ、顔に出ていたのだろうか?
「読心術、相手の僅かな仕草や動き、癖を見抜き、さも心を読んでいるかの様に見せるテクニックさ。」
「…こーるど…りーでぃんぐ?」
「簡単に言えば、アリアが今思っている感情を何となく理解しているって事だよ。」
「……そう…なんです…ね」
でも、何故その様な感情を抱いたのかは分からないらしい、そこまでは優れていないと言う事だろう。
エイトは汗をタオルで拭きながら、アリアに優しく話しかける。
「嫌なら言わなくていいよ?」
「…ご…ご主人…様?」
エイトは笑いながら、アリアに話す
「無理矢理聞くのは簡単だけど、そこまで気になる訳でもないからな、アリアの言いたい時でいいよ。」
そう言ってエイトは水を飲む、あれだけの汗をかいたのだ、水分補給は必要だろう。
(…ご主人様…優しい…けど、)
言わないと絶対に後悔する、このわだかまりを取らないと、ずっと考えてしまう、だったら勇気を持って聞くべきだ。
「あの!ご主人様!」
「ん?」
水を飲んで一息ついていたエイトはアリアの方を見る「ドキッ」と緊張してしまうが、勇気を持って言う。
「あ…あの、…どうして…そんな…に悩んで…いるんです…か?」
「…そう思った理由は?」
真面目なトーンでエイトは話す、アリアも勇気を持って言ったことで、多少楽になったのだろう、続けて話す。
「目が…怖かったです。」
「…目…か」
あの真剣な目の奥にある、焦りの様な不安の様な、何か思い悩んでいる、そう見えたのだ。
「はい、何か思い悩んでいる事があるのかな…と考えてしまって。」
「成る程…ね(顔に出過ぎたか)」
「ああ!勿論、私がそう思っただけで、気のせいならすいません!」
もしこれが自分の勘違いならとんだ失礼な事だ、奴隷がこんな事を言っている事態おかしい事なのに、それに加えて今の言動だ、お仕置きと称して殴られても文句は言えない。
「いや、アリアの言う通りだ、俺は今自分の不甲斐なさに悩んでいるんだ。」
そう言ってエイトは近くにあった木に腰掛ける
「聞いてくれるか?」
「はい」
アリアもエイトの近くによって座る
そして徐にエイトは口を開いた
——————————————————————
続く
目が覚めると、ミュウが自分の側で寝ていた、ベットは3つな為自ずと2人組が生まれるのだ。
エルちゃんはシルフィと共に寝ており、エイトは…
(…いない)
外はまだ薄暗く、街の人達もまだ寝ている時間帯だ、それなのに彼がいないのは何故だろう?
そう思ったアリアは布団から出て、部屋の外に出る、階段を降りて、外に出る。
冷たい風が顔に当たって気持ちいい、冬になったら地獄だが、まだその時季ではない。
「…素振りの音?」
「ブンッブンッ」と言う空気を斬る音が聞こえ、その音を頼りに歩く、宿屋の裏側、庭の所に彼はいた。
「…フッ…ハッ…ホッ…!!」
既に何時間もやっていたのだろう、一振りごとに汗が吹き出して、顔も汗だらけだ。
(…カッコいい、…けど怖い。)
真剣に剣を振る姿はカッコいいが、その視線や目つきはとても怖い、何かを恐れているのか、不安になっているのかは分からないが、「何かを忘れるかの様に剣を振っている」
様に見える。
去ろう、ここにいても迷惑なだけだ、自分は奴隷、ご主人様の邪魔はしてはいけないのだ。
そう思って後ずさると「パキッ」と木の枝を足で踏んでしまい、音が響く。
「しまっ!?」
「…ん?なんだアリアか」
アリアが慌てていると、エイトは剣を消して、アリアの方へと向かう。
「おはよう、よく眠れたか?」
「え!?あ…はい、よく眠れました…」
「そっか、なら良かったよ。」
「はい…」
話が続かない、エイトはアリアにとても優しく声を掛けてくれるが、先程の目が怖くて、上手く話せない。
「…どうしたんだ?…あ!もしかして汗臭いか?ごめんな、さっきまでトレーニングしてたから。」
「いえ、…別に…そうではないのですが…」
言いたいけど、その所為で怒られるのは嫌だ、彼は命の恩人だ、嫌われたくない。
だけどその所為で気まずい雰囲気になってしまったのは悪手だった。
「アリア」
「はい…」
「俺はお前の事を嫌いになったりしないよ。」
「え?」
いきなり言われた事に驚く、それは今思った事だったからだ、顔に出ていたのだろうか?
「読心術、相手の僅かな仕草や動き、癖を見抜き、さも心を読んでいるかの様に見せるテクニックさ。」
「…こーるど…りーでぃんぐ?」
「簡単に言えば、アリアが今思っている感情を何となく理解しているって事だよ。」
「……そう…なんです…ね」
でも、何故その様な感情を抱いたのかは分からないらしい、そこまでは優れていないと言う事だろう。
エイトは汗をタオルで拭きながら、アリアに優しく話しかける。
「嫌なら言わなくていいよ?」
「…ご…ご主人…様?」
エイトは笑いながら、アリアに話す
「無理矢理聞くのは簡単だけど、そこまで気になる訳でもないからな、アリアの言いたい時でいいよ。」
そう言ってエイトは水を飲む、あれだけの汗をかいたのだ、水分補給は必要だろう。
(…ご主人様…優しい…けど、)
言わないと絶対に後悔する、このわだかまりを取らないと、ずっと考えてしまう、だったら勇気を持って聞くべきだ。
「あの!ご主人様!」
「ん?」
水を飲んで一息ついていたエイトはアリアの方を見る「ドキッ」と緊張してしまうが、勇気を持って言う。
「あ…あの、…どうして…そんな…に悩んで…いるんです…か?」
「…そう思った理由は?」
真面目なトーンでエイトは話す、アリアも勇気を持って言ったことで、多少楽になったのだろう、続けて話す。
「目が…怖かったです。」
「…目…か」
あの真剣な目の奥にある、焦りの様な不安の様な、何か思い悩んでいる、そう見えたのだ。
「はい、何か思い悩んでいる事があるのかな…と考えてしまって。」
「成る程…ね(顔に出過ぎたか)」
「ああ!勿論、私がそう思っただけで、気のせいならすいません!」
もしこれが自分の勘違いならとんだ失礼な事だ、奴隷がこんな事を言っている事態おかしい事なのに、それに加えて今の言動だ、お仕置きと称して殴られても文句は言えない。
「いや、アリアの言う通りだ、俺は今自分の不甲斐なさに悩んでいるんだ。」
そう言ってエイトは近くにあった木に腰掛ける
「聞いてくれるか?」
「はい」
アリアもエイトの近くによって座る
そして徐にエイトは口を開いた
——————————————————————
続く
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
879
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる