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第9章 外伝2 〜英雄〜
第三百七話 自己紹介
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~食事中~
温かいスープを初めて飲む、いつもは冷たい水ととても硬いパンだけだった為、飲んだ瞬間涙が溢れる。
「あ!熱かったか!?」
彼が優しく声をかけてくれる、スープが熱くて涙を溢していると勘違いしているのだろう、その優しさが更に心を温かくする。
「ううん…こんな…美味しいスープ…初めて飲んで…」
「…そうか、おかわりはいっぱいあるからゆっくり飲みな?」
「…うん」
私は言われた通り、ゆっくりと味わう、涙が止まらない、美味しい、温かい、優しい、嬉しい、幸せの感情が自分を満たして行くのが分かる。
隣にいるエルちゃんは逆にがっついている。
パン、サラダ、ナポリタン、チーズ、ベーコン…兎に角いっぱい食べている!
「あらあら、喉に詰まらせない様にね?」
「もぐもぐ…うっ!?」
「って言ってる側から…はいお水」
白髪の女性がエルちゃんに水を渡して、喉に詰まっている物を胃に落とす、そしてまたがっつく。
「こんなにも美味しそうに食べてると、私達も嬉しくなるね?」
「そうだな、偽善者かもしれないけど、手の届く人はやっぱり救いたいよ。」
クリーム色の髪をした女性と彼はそう言いながら私達を優しく見つめる、それが不快に思えず、むしろもっと甘えたいと言う欲が生まれてくる。
まるで歳の離れた兄と姉をもった気分だ。
「…所でさ?君達の名前は?」
「あ、そう言えば聞いてなかったね。」
彼とクリーム色の髪をした女性が私達にそう尋ねてくる、確かに自己紹介はしていなかった。
「え、…いいの…ですか?」
「ワシ達は…奴隷じゃから…名前を名乗れない…んじゃが…」
奴隷は基本は「おい!」や「お前!」等人としての人権は無い為、家畜と同じで名前はないのだ、ある人も名乗ることは出来ない。
「奴隷なら俺達の言う事を聞くんだろ?なら、名前を名乗っても問題ないだろ?」
皮肉と優しさを込めて彼はそう言う
「奴隷」と言う言葉を使うが
「命令されたから仕方なく」と言う
言い訳が出来る為、私達でも安心して言える。
「…えっと…アリア…です。」
「…エルじゃ!」
そう言って自分達の名を言う、嘘は言っていない。
「………アリアにエル…か(やっぱり、何かおかしいな)」
「可愛い名前ね?」
「ではこれからよろしくお願いしますね?アリア、エル」
彼らはそう言うと今度は自分達の自己紹介を始める。
「俺の名はエイト、んで、こっちが」
「ミュウよ、よろしく!」
「シルフィです、よろしくお願いします。」
エイト、ミュウ、シルフィ、とても仲良しだけど、幼馴染なのだろうか?
そう思い質問すると、3人は苦笑いしながら「大体合ってる」と答えてくれた。
その後も食事は続き、気が付いたら私達はうとうとしていた。
「ミュウ、シルフィ、アリアとエルをベットに、温かいお風呂に温かい食事をお腹いっぱい食べたんだ、眠くなっても仕方ないだろ。」
「そうね、エイトはどうするの?」
「風呂に入るよ、臭いのは嫌だからな。」
エイトはミュウにそう告げると、そのまま風呂場へと向かう、確かに汗くささは少しあった。
「私達も行きますか、シルフィ」
「はい、ではエルちゃん、行きますよ?」
「う…うん」
「ワシは…平気…なの…じゃ」
ミュウとシルフィはアリアとエルを抱っこして自分達の部屋へと行く、ベットは3人分しかない為、真ん中のベットに2人を寝かせる。
2人はうとうとしていたが、ベットに入ると直ぐに可愛い寝息をたてながら寝始めた。
「こんな可愛い子達を奴隷にするなんて…あの商人…どうする?」
「あの1匹始末した所で新たなゴミが生まれるだけですよ、やるなら世界を救ってからにしましょう。」
シルフィはそう言って、ミュウに何もしないでと諭す、ミュウはため息を吐きながら納得して、アリア達を見る。
「こんな天使みたいな子達が化け物…か」
——————————————————————※アリアとエルちゃんはしっかりと歯を磨きました。
温かいスープを初めて飲む、いつもは冷たい水ととても硬いパンだけだった為、飲んだ瞬間涙が溢れる。
「あ!熱かったか!?」
彼が優しく声をかけてくれる、スープが熱くて涙を溢していると勘違いしているのだろう、その優しさが更に心を温かくする。
「ううん…こんな…美味しいスープ…初めて飲んで…」
「…そうか、おかわりはいっぱいあるからゆっくり飲みな?」
「…うん」
私は言われた通り、ゆっくりと味わう、涙が止まらない、美味しい、温かい、優しい、嬉しい、幸せの感情が自分を満たして行くのが分かる。
隣にいるエルちゃんは逆にがっついている。
パン、サラダ、ナポリタン、チーズ、ベーコン…兎に角いっぱい食べている!
「あらあら、喉に詰まらせない様にね?」
「もぐもぐ…うっ!?」
「って言ってる側から…はいお水」
白髪の女性がエルちゃんに水を渡して、喉に詰まっている物を胃に落とす、そしてまたがっつく。
「こんなにも美味しそうに食べてると、私達も嬉しくなるね?」
「そうだな、偽善者かもしれないけど、手の届く人はやっぱり救いたいよ。」
クリーム色の髪をした女性と彼はそう言いながら私達を優しく見つめる、それが不快に思えず、むしろもっと甘えたいと言う欲が生まれてくる。
まるで歳の離れた兄と姉をもった気分だ。
「…所でさ?君達の名前は?」
「あ、そう言えば聞いてなかったね。」
彼とクリーム色の髪をした女性が私達にそう尋ねてくる、確かに自己紹介はしていなかった。
「え、…いいの…ですか?」
「ワシ達は…奴隷じゃから…名前を名乗れない…んじゃが…」
奴隷は基本は「おい!」や「お前!」等人としての人権は無い為、家畜と同じで名前はないのだ、ある人も名乗ることは出来ない。
「奴隷なら俺達の言う事を聞くんだろ?なら、名前を名乗っても問題ないだろ?」
皮肉と優しさを込めて彼はそう言う
「奴隷」と言う言葉を使うが
「命令されたから仕方なく」と言う
言い訳が出来る為、私達でも安心して言える。
「…えっと…アリア…です。」
「…エルじゃ!」
そう言って自分達の名を言う、嘘は言っていない。
「………アリアにエル…か(やっぱり、何かおかしいな)」
「可愛い名前ね?」
「ではこれからよろしくお願いしますね?アリア、エル」
彼らはそう言うと今度は自分達の自己紹介を始める。
「俺の名はエイト、んで、こっちが」
「ミュウよ、よろしく!」
「シルフィです、よろしくお願いします。」
エイト、ミュウ、シルフィ、とても仲良しだけど、幼馴染なのだろうか?
そう思い質問すると、3人は苦笑いしながら「大体合ってる」と答えてくれた。
その後も食事は続き、気が付いたら私達はうとうとしていた。
「ミュウ、シルフィ、アリアとエルをベットに、温かいお風呂に温かい食事をお腹いっぱい食べたんだ、眠くなっても仕方ないだろ。」
「そうね、エイトはどうするの?」
「風呂に入るよ、臭いのは嫌だからな。」
エイトはミュウにそう告げると、そのまま風呂場へと向かう、確かに汗くささは少しあった。
「私達も行きますか、シルフィ」
「はい、ではエルちゃん、行きますよ?」
「う…うん」
「ワシは…平気…なの…じゃ」
ミュウとシルフィはアリアとエルを抱っこして自分達の部屋へと行く、ベットは3人分しかない為、真ん中のベットに2人を寝かせる。
2人はうとうとしていたが、ベットに入ると直ぐに可愛い寝息をたてながら寝始めた。
「こんな可愛い子達を奴隷にするなんて…あの商人…どうする?」
「あの1匹始末した所で新たなゴミが生まれるだけですよ、やるなら世界を救ってからにしましょう。」
シルフィはそう言って、ミュウに何もしないでと諭す、ミュウはため息を吐きながら納得して、アリア達を見る。
「こんな天使みたいな子達が化け物…か」
——————————————————————※アリアとエルちゃんはしっかりと歯を磨きました。
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