幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

みっちゃん

文字の大きさ
上 下
311 / 680
第9章 外伝2 〜英雄〜

第三百二話 運命の出会い

しおりを挟む
「ふむ…どうやら英雄パーティの3人はあの宿屋に泊まるようだな。」

奴隷2人を引き連れて奴隷商人は食事を摂っていた。

パンとコーヒーと言うシンプルな組み合わせだが、その上に(パンの上に)大量のバターをコッテリと塗って、コーヒーも砂糖とミルクを多く入れている。

量も多く普通の人なら2~3個の所を奴隷商人の男は30個頼んでいる。

そんな偏った食事をしていたらそりゃあ太るだろうよ、と思ってしまう程のデブ活だ。

「………」

「…お腹…空いたのじゃ…」

そんなデブ男の側に痩せ細り、何も食べさせて貰えてない子が2人、奴隷の2人だ。

静かに座りながら、今の飼い主の食事が終わるまでただただ待つ。

奴隷の食事は基本1日一食、パン一切れと濁ったコーヒーの様な物を渡される、これが1日に必要なエネルギー量を賄える訳もなく、常に空腹状態でいるのだ。

それでも貰えるだけまだマシで、他の所では同じ奴隷達で奪い合いが怒ったり、死んだ人間の肉などを喰わされる所も普通にあるのだ。

「だったら、宿屋から出る前にお前達を売るか、冒険者と言うのは、性に関しても大変だと言うしなぁ」

「…冒険者……」

冒険者と言うのはギルドのある街に滞在して働く事もあるが、英雄パーティの様に旅をしながら働く人達もいる。

そんな人達の問題点は性欲だ、人間の三大欲求は食欲、睡眠欲、そして性欲だ。

しかもパーティ内に女性が必ずしもいるとは限らないし、その人とそう言った行為が必ずしも出来るわけではない。

その為、男女ペアの冒険者、主人公の幼馴染み、婚約者などが他の男に寝取られるのは、たまに起こるのだ。

無論そんな簡単に股を開く女も女だ、もし妊娠してしまえば、冒険者なんて続ける事は出来ないし、出産、子育てだって楽ではない。

だからこそ男達は風俗などに行って性欲処理をするのだ、そしてもう1つの利用方法が、使だ。

奴隷と言うのは基本的に人権は無いに等しい、主人に逆らえない様に首輪され、逆らったら殺される、それを利用して性欲処理をして妊娠したら殺す。

そんな事も起こっているのだ。
無論そんな事を王国が認めているわけではない、そんな事を認めれば反乱が起きて国は滅ぶ。

しかし取り締まるにしても、相手は裏社会とも繋がっている奴隷商人達が多く、イタチごっこが続き、中々改善出来ていないのだ。

「お前達の様な化け物なら、死んだ所で退したって事で、誰も困りはしない、むしろ害悪が消えて喜ぶぞw」

「ブヒッブヒヒッ」と豚の様に笑いながら、パンを食べる、食べ方も汚くて、飲み方も酷い、品がなってないと言うのはこの事を言うのだろう。

「さて、そろそろ行くか、ほら行くぞ!」

食事が終わったのだろう、席から立ち、金貨を置いて宿屋へと向かう、「お釣りはいらない」と言う事なのだろう。

奴隷の2人も黙って付いて行き、英雄パーティが泊まっている宿屋へと向かう。

「さて、宿も無事に取れたし、ギルドに行って早速依頼を受けよう。」

「そうだね、ゆっくりしてると日が暮れちゃうからね。」

「そうですね、流石に夜は冷えますから、早く終わらせたいですね。」

すると宿屋から3人組の人達が出てくる
1人は黒いパーカーの様な服装を
1人は貴族が着ていそうな軽い軽装を
1人はメイド服を着ている。

「ブヒッ丁度いいあれが英雄パーティだなぁ」

「…あれが」

「英雄パーティ…じゃと?」

見るからに若い3人だ、想像していたゴツくて、汗臭くて、怖いと言う感じではない。

「…ん?何ですか?」

そんな事を思っていると、目の前の青年は自分達に話しかけてきた。

「ああ、すいません、少し確認したいのですが、貴方達は英雄パーティーの3人で間違いないでしょうか?」

奴隷商人が媚びを売った声で話しかける
見るからに気持ち悪い。

「…?ええそうですが?」

「あの…貴方は?」

青年と貴族の娘っぽい2人が、男の素性を聞く、側に奴隷である自分達がいるのだ、怪しんで当然だろう。

「ああ、これはすいません、私は奴隷達を売り捌く、奴隷商人をしております。」

「奴隷商人…」

メイド服の女性がそう言って自分達を見る
その目は軽蔑の眼ではなく、慈悲の眼
可哀想、救いたいと言う眼だった。

「どうです?この2人を購入して見ませんか?」

——————————————————————
この外伝も長くなる予定ですが、暖かい眼で見てくださるとありがたいです。

しおりを挟む
感想 755

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

称号は神を土下座させた男。

春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」 「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」 「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」 これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。 主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。 ※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。 ※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。 ※無断転載は厳に禁じます

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

処理中です...