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第8章 因縁と因果 現れし外道
第二百七十八話 勇者の愉快な冒険 カイトside
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~冒険1日目 マヨウ森にて~
カイト「…ここは何処?」
アイ「森の中だよ?」
そんな事はわかっている、ここがどこの森で、今どこにいるのか、それが知りたいのだ
メグミ「アイ、索敵魔法で周囲を見る事は出来ないの?」
今、勇者パーティの4人はマヨウ森にて迷子中なのだ、本来であれば1日あれば簡単に抜ける事が出来る所なのだが、彼らは既に1日が過ぎている
それなのに抜けられていないのは彼らがお気楽すぎるのか、それとも本当に迷っているのかの2択だ
アイ「義姉ちゃん、昨日からずっと使ってるよ、でも私の索敵範囲は半径10mが限界なの。」
メグミ「え?」
アイ「しかも昨日から使ってるからもうMPが無くて、もう使えなくなりそうなの。」
半径10mを昨日からずっと使っているのはすごい事だが、それ以前にもう無くなりそうなのはまずい
サユリ「それは不味いわね、私とカイト君は近距離型、メグミとアイは後方支援型、その1人が使えなくなると、中々にキツいわよ。」
いくら学園で隔離寮で地獄の様な毎日を送って多少力がついたとはいえ、その後、交尾、混じり合い、夜の営み、風俗の様に腰を振り、贅の限りを尽くし、欲望のままに数ヶ月間過ごしてきたせいで、その地獄の日々は今では効果を示さない
メグミ「私も僧侶だからHPは回復出来ても、MPは流石に…」
こういう時、マジックポーション、つまりMPの回復薬を飲む事によって回復して、旅、又は冒険が出来るんだが、それすら用意していない彼らにとって、今、危機的状況にあるのだ
カイト「大丈夫だよ、魔物が来たら僕達で倒せば良い、怪我したらメグミに頼んで回復して、また戦えば良い。」
アイ「でも、それだと私がカイトお兄ちゃんの役に立てないよ!」
それは即ち、役立たずと言う事になり、自分は必要のない人間と言われるのと同じだ
そう思ったアイはカイトに抱きつき、捨てられたくない一心で泣きながら謝る
アイ「ごめんなさい!私、もっと頑張るから!だから見捨てないで!お願い!」
カイト「ちょっと、ちょっと!誰も見捨てるなんて言ってないでしょ!?」
泣きじゃくるアイを見てあたふたしながら、とりあえず頭を撫でる
自分の妹も泣いている時に頭を撫でると落ち着いてくれるので、ついつい癖でやってしまう
アイ「…でも、私全く役に立たないから…」
カイト「だったら今は休んで?」
頭を撫でながら説得する、ここまでなら普通の…いや、成り立てイキり冒険者の末路と同じだが、彼は勇者、女神に愛されし男だ
カイト「僕達が戦っている間、アイはしっかりと休んでて、MPがちゃんと回復したら、その時はまた頼むよ。」
MPがない魔法使いは杖で殴る事しか出来ない、しかしそれをカバーするのが仲間だ
サユリ「そう言う事、困った時はお互い様、アイは休んでて。」
メグミ「大丈夫だよ、エイトの様な無能な人間とは違うんだから、安心して。」
その言葉を聞いてアイは笑う
仮にも義理の兄妹なのに、ここまで言うのは、やはりカイトの仕業なのかもしれない
アイ「そうだよね、あの無能に比べたら私はまだまだ平気だよね!」
そう言うとアイはカイトの腕に抱きついて一緒に歩く
メグミ「あー!」
サユリ「ちょっとアイ!何やってんの!」
アイの行動に2人は怒るが、いつもの事なのか、カイトは苦笑いする
カイト「全く、これじゃあ戦えないだろ?」
アイ「えー、この状態でも守ってよー」
カイト「無茶な事を言うなよ、ほら離れて。」
カイトに離れる様に言われるがアイはイヤイヤと首を振って断る
それに痺れを切らしたメグミとサユリが無理矢理引き剥がす
メグミ「いい加減にしなさい!」
サユリ「こんな事をしてて、もし魔物が襲って来たら!」
と注意している中、4人とも気を許してしまい、近くにいたウルフの群れに気づかなかった
——————————————————————
続く
カイト「…ここは何処?」
アイ「森の中だよ?」
そんな事はわかっている、ここがどこの森で、今どこにいるのか、それが知りたいのだ
メグミ「アイ、索敵魔法で周囲を見る事は出来ないの?」
今、勇者パーティの4人はマヨウ森にて迷子中なのだ、本来であれば1日あれば簡単に抜ける事が出来る所なのだが、彼らは既に1日が過ぎている
それなのに抜けられていないのは彼らがお気楽すぎるのか、それとも本当に迷っているのかの2択だ
アイ「義姉ちゃん、昨日からずっと使ってるよ、でも私の索敵範囲は半径10mが限界なの。」
メグミ「え?」
アイ「しかも昨日から使ってるからもうMPが無くて、もう使えなくなりそうなの。」
半径10mを昨日からずっと使っているのはすごい事だが、それ以前にもう無くなりそうなのはまずい
サユリ「それは不味いわね、私とカイト君は近距離型、メグミとアイは後方支援型、その1人が使えなくなると、中々にキツいわよ。」
いくら学園で隔離寮で地獄の様な毎日を送って多少力がついたとはいえ、その後、交尾、混じり合い、夜の営み、風俗の様に腰を振り、贅の限りを尽くし、欲望のままに数ヶ月間過ごしてきたせいで、その地獄の日々は今では効果を示さない
メグミ「私も僧侶だからHPは回復出来ても、MPは流石に…」
こういう時、マジックポーション、つまりMPの回復薬を飲む事によって回復して、旅、又は冒険が出来るんだが、それすら用意していない彼らにとって、今、危機的状況にあるのだ
カイト「大丈夫だよ、魔物が来たら僕達で倒せば良い、怪我したらメグミに頼んで回復して、また戦えば良い。」
アイ「でも、それだと私がカイトお兄ちゃんの役に立てないよ!」
それは即ち、役立たずと言う事になり、自分は必要のない人間と言われるのと同じだ
そう思ったアイはカイトに抱きつき、捨てられたくない一心で泣きながら謝る
アイ「ごめんなさい!私、もっと頑張るから!だから見捨てないで!お願い!」
カイト「ちょっと、ちょっと!誰も見捨てるなんて言ってないでしょ!?」
泣きじゃくるアイを見てあたふたしながら、とりあえず頭を撫でる
自分の妹も泣いている時に頭を撫でると落ち着いてくれるので、ついつい癖でやってしまう
アイ「…でも、私全く役に立たないから…」
カイト「だったら今は休んで?」
頭を撫でながら説得する、ここまでなら普通の…いや、成り立てイキり冒険者の末路と同じだが、彼は勇者、女神に愛されし男だ
カイト「僕達が戦っている間、アイはしっかりと休んでて、MPがちゃんと回復したら、その時はまた頼むよ。」
MPがない魔法使いは杖で殴る事しか出来ない、しかしそれをカバーするのが仲間だ
サユリ「そう言う事、困った時はお互い様、アイは休んでて。」
メグミ「大丈夫だよ、エイトの様な無能な人間とは違うんだから、安心して。」
その言葉を聞いてアイは笑う
仮にも義理の兄妹なのに、ここまで言うのは、やはりカイトの仕業なのかもしれない
アイ「そうだよね、あの無能に比べたら私はまだまだ平気だよね!」
そう言うとアイはカイトの腕に抱きついて一緒に歩く
メグミ「あー!」
サユリ「ちょっとアイ!何やってんの!」
アイの行動に2人は怒るが、いつもの事なのか、カイトは苦笑いする
カイト「全く、これじゃあ戦えないだろ?」
アイ「えー、この状態でも守ってよー」
カイト「無茶な事を言うなよ、ほら離れて。」
カイトに離れる様に言われるがアイはイヤイヤと首を振って断る
それに痺れを切らしたメグミとサユリが無理矢理引き剥がす
メグミ「いい加減にしなさい!」
サユリ「こんな事をしてて、もし魔物が襲って来たら!」
と注意している中、4人とも気を許してしまい、近くにいたウルフの群れに気づかなかった
——————————————————————
続く
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