幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

第五章〜外伝〜 カルデア学園の3年間 高等部編

第百六十二話 何も知らない男 カイトside

卒業証明書を受け取り、カイト達は帰路に着く、約3年間、隔離寮の中で過ごし、外に出る事が叶わなかった彼らにとってこの道も随分と懐かしいものとなっていた

カイト「…あの野郎ぅ…絶対に殺す」

しかしその懐かしさ反面、エイトによって学生という人生で1度しかない期間を全て棒に振ってしまった事についてカイトは酷く怒っていた

アイ「カイトお兄ちゃん…」

カイト「あ？」

アイ「ひ！？」

そして、隔離寮での生活はカイトの性格をも変えてしまった、あの頃の余裕さはなく、ただただ憎悪に燃えていた

サユリ「カイト君、怒る気持ちはわかるけど落ち着いて…」

カイト「落ち着け？…こんなのが落ち着いていられるか！？」

サユリ「きゃ！？」

カイト「折角ミュウが僕と一緒に学園生活を送りたいと言う理由でわざわざ僕と一緒の学園に来てくれたって言うのに！！！！」

道に落ちていた石を思いっきり蹴飛ばす
カイトの力は凄まじく、遠くにいた子供の目にあたり血飛沫を上げながら泣き叫び、倒れた

メグミ「うわー、痛そう」

カイト「そんな事はどうでも良いんだ！それなのに、あのモブキャラは僕のミュウを寝取ったんだ…絶対に許さねぇ…地獄に落としてやる…！！！」

「でも、どうするの？私達じゃあの屑に勝てないよ？」

忘れてはならないのはカイト達はエイト達と戦い敗れている、例えズルだろうがなんだろうが、あっちの方が強いと言う事だ

カイト「別にやり方はいくらでもある、頭を使うんだ」

アイ「…頭を？」

メグミ「まさか、私達がエイトを殺してこい…と？」

血は繋がっていないが、エイトとアイ、メグミは兄妹だ、一応家族な為、会える機会もこの中では1番多い

カイト「それをして失敗したのは何処の誰だよ」

アイ「あ…その…」

メグミ「ごめん…なさい」

そうしてエイトとミュウは同居する事になり、更に厄介な状況になってしまったのだ、それなのに彼女達を自宅待機させた所で意味はない

サユリ「んじゃあ、どうするの？」

カイト「ミュウのパパを利用する、彼は僕の良き理解者だ」

カイトは知らないが、ミュウの父はとっくのとうに女神アダマスによって殺されている
協力を仰ごうとしても意味はない

しかし何も知らない為、まだ生きていると思っているのだ

「ミュウのお父さんを使ってどうするの？」

カイト「正式に婚約する、今は心と心の繋がりだけでやっているが、モブはそれがわからないらしいからな、現実を見せてあげようとね」

カイトは貴族、エイトは平民、普通に考えればカイトの方に分があるのは明確だ
しかし、エイト達はそれを承知の上で挑み、エイトとミュウの関係を認めてもらったのだ

それを知らないカイトは不敵に笑う
まるで既に勝った気でいるかの様に

カイト「いくらモブでも、ミュウの両親に"ミュウの婚約者はカイト君だ"と言われればあの馬鹿でもわかるだろ？」

アイ「成る程、流石カイトお兄ちゃん！」

メグミ「そうすれば、後はエイトを…」

サユリ「今までの分をまとめてお返し出来るね♪」

カイトはミュウを取り戻し
アイ達はエイトを嬲り殺せる
まさに一石二鳥の考えに彼のテンションは上がる

カイト「そうと決まれば、皆んな早く帰ろう！久しぶりに美味いご飯でも食べて、僕達の勝利を祝おう！」

女性達「おお！！！！！」

そう意気込んでカイト達は楽しく下校する
全てはカイトの思い込みと勘違いの暴走によるものなのだが、カイトもその女達も、それが真実かの様に動く

その結果が最悪なことでも全てエイトのせいにして、エイトに対する殺意が更に芽生え、同じ事を何度も何度も繰り返して…

やっと正常に戻った時…果たして彼女は正常でいられるのだろうか？

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カイトの能力…その能力の○○○を
いつ話せるだろうか…