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第五章〜外伝〜 カルデア学園の3年間 高等部編

第百七話 身の程知らず メグミside

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「…そろそろか」

学園長がガラスのコップに酒を注いで
ゆっくりと一口飲む
昼間から酒は妻に怒られるが、これからの事を思うと許してくれるだろう

メグミ「学園長!!!」

ドンッ!と勢いよくドアが開きそこから
メグミを筆頭にカイトの仲間(皆んな女)達が一斉に流れ込んだ

「…全く…貴女達はマナーがなっていませんよ?」

アイ「そんな事はどうだっていいんです!」

いや、良くはないだろう、仮にもこの学園をまとめている1番偉い方なのだ
抗議にしてもそれなりの礼儀は必要だ

「ハァ、エイト君達はあれ程素晴らしいのに、君達は…」

サユリ「今あんなクソ野郎は関係ありませんよね?」

「私達はそのクソ野郎の不正について言いにきたのです!」

「不正?」

不正行為なんて、彼は1回もしていない
すれば学園長がすぐに見抜く

メグミ「カイト君があそこまで酷い目に遭ったのに助けなかった先生達は今回は目を瞑りましょう」

「目を瞑るって…」

上から目線過ぎて、寧ろ尊敬してしまう
今回の件の元々の原因はカイト率いる彼女達が元凶なのに、まるで自分達は被害者ヅラ
出来るのが凄い

アイ「カイトお兄ちゃんがあんな奴に負けるはずがないんです!」

サユリ「つまり、なんらかの不正行為をしたのは事実なんです!」

それはただ単に実力差があるだけなのでは?
と思ってしまうのだが、彼女達にとってカイトは絶対、その絶対が負ける事は満に一つもないのだ

だからこそ、カイトが負けたのは、エイトが不正行為をしてカイトに勝ったのだと思い込んでいるのだ

「成る程、それではを見せてください」

「え?」

「証拠ですよ、証拠、やったと言う証拠を見せてください」

「そ、そんなの私達が皆んな言っているんですよ!」

「そうですよ!それで十分です!」

「いいえ、口だけならなんとでも言えます」

「例えば、君達がこっそりカイト君にバフをかけて強化していた事やエイト君に弱体化魔法をかけていたことも、言えるんですよ?」

その言葉に彼女達は何も言えなくなってしまった。

それはそうだ、バレない様にやったつもりなのに、学園長には既にバレていたのだから

「沈黙は肯定と思って良いのですか?」

メグミ「そ…それこそ、証拠がないじゃないですか!」

「ええ、ですが、やられた本人もは別にハンデにもならないと言っていたので、とやかく言うつもりはありません」

アイ「あの程度って…嘘」

サユリ「なんなの、彼奴」

小さな声で話しているが全て筒抜けだ
学園長はやれやれと酒を飲み
ふー とため息を零しながら、口を開く

「まぁ貴女達がなんと言おうともこの結果は覆りません、寧ろ貴女達の日頃の態度が目に余るのでこれを機に退園と言うのもアリなんですよ?」

「え!?」

「た…退園!?」

当たり前だ、ここまでの事をしているのだ
もはや暴動と言っても過言ではない
今まで目を瞑っていたのは学園長の良心が動いていたからだ

「そうですねぇ、問題児達専用の隔離寮に住んで貰いますかね?」

メグミ「ちょ…ちょっと待ってください!隔離寮なんてあるんですか!?」

「ありますよ?貴女達の様な人達を同じ学園に行かせるわけにはいきませんからね?」

アイ「カイトお兄ちゃんは勇者なんだよ!?」

「だからなんですか?」

サユリ「え?」

「勇者だから何をしても許されるとでも?」

「当たり前よ!誰のおかげで生きていけると思ってるの!」

「では、誰のおかげでご飯が食べれているんですか?」

「そ…それは…」

学園長の言う事はごもっともだ
確かに勇者によって世界は平和になっている
しかしそれに調子に乗っていれば
勇者が生きていく上で必要な物は貰えない
奪っても物は有限いつかはなくなる

つまる所勇者は厄災がなければ
何も出来ないのだ

「君達は調子に乗り過ぎたんだ、あの馬鹿カイトにも言っておきなさい」

こうして彼女達の日頃の言動により
学園生活を棒に振る事になった

——————————————————————
続く
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