幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

第五章〜外伝〜 カルデア学園の3年間 高等部編

第百二話 逆鱗

エイト「くっ！？…こいつ！」

ミュウ「強いっ！」

カイト「ほらほらほら！まだまだ行くよ！」

3人の戦いが始まってから1時間
戦況はカイトが優勢だった

カイトの妙な自信はこのことか！
と思った2人だが、それにも理由がある

カイトは本来勇者の力により基礎能力が高く
他の者達よりも秀でている存在なのである
更に今回は強化アイテムを酷使し続けた事により、基本ステータスはエイトとミュウを遥かに凌ぐ

エイトとミュウもシルフィのトレーニングにより強くなっているが、それでもジリ貧になるのは確実だ

アイ「いけー！カイトお兄ちゃん！！」

メグミ「ほらほら！早く死になさいよー！」

サユリ「じわじわ嬲なぶり殺しちゃえー！」

この1時間攻勢に出る事もなく
エイトとミュウはただひたすらに押されていた

アリアン「おいおい！大丈夫かよ！」

シルフィ「これはちょっと不味いですね」　

2人も想定外だったのだろう
焦りの色が隠せず、エイト達を見守っていた
最悪の場合、エイトは命を落とす

シルフィ「最悪の場合、私が行きます」

アリアン「はぁ！？そんな事をしたら学園に居られなくなるぞ！」

シルフィ「愛する人の為なら安いものです」

シルフィはメイド兼護衛だ
もしもの場合も備えてあり、クビになる事はない

更に、シルフィはエイトの事を心から愛しており、その人が危険に晒されば例え死ぬ事になろうとも助けに行くだろう

エイト「ミュウ！」

ミュウ「OK！エイト！」

エイトとミュウは2人にしかわからない合図を送り、カイトに向かう

カイト「僕に勝てるわけがないんだ、いい加減諦めてくれないか？」

エイト「そんなの！」

ミュウ「やってみなきゃわからないでしょ！」

エイトが真っ直ぐ走り、ミュウがそのエイトを踏み台にして高く跳ぶ

カイト「それがどうした！」

エイトがカイトに攻撃した瞬間
カイトの剣に弾かれて
その僅かな隙をミュウが攻撃するがそれも弾かれて飛ばされる

エイト「ミュウ！」

エイトがそれを抱き抱える形で止め
カイトと距離を置く

カイト「たく、無駄だと言う事に早く気づいてくれないかな？」

ここまで圧倒的に不利なのにエイト達が負けていないのは、カイトが本気を出していないからだ

もし最初っから本気を出していれば
2人は負けていただろう

エイト「英雄ヒーローは諦めないんだよ」

ミュウ「それが魔王ヒーローだからね」

しかし、圧倒的な差であろうとも2人は戦った、決して諦めない強い心を持って
それが2人が幼き頃から描いたヒーローだからである

カイト「…ぷ」

エイト「…あ？」

カイト「ぷはは…」

ミュウ「………」

カイト「ぷひゃひゃひゃひゃwwwwwww」

しかし、その言葉をカイトは馬鹿にする
それ程までにエイトとミュウの言葉は滑稽なのだろう

カイト「ヒーローって…ぷひゃひゃひゃw」

そして今度はこちらを指差して
罵倒する

カイト「僕に無様に殺されてw」

エイト「………」

カイト「僕に身体を捧げてw」

ミュウ「………」

カイト「そしてあの醜い猫を守れずに死んだ負け犬wがヒーローって、お笑い芸人かよw」

カイト「僕みたいなイケメンで、優しくて、モテて全てが完璧な僕ぅに負けた雑魚がw調子に乗ってると火傷するぜ？
ベイビィ(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎」

カイトがエイト達を煽った次の瞬間
2人は唐突に姿を消した

カイト「え？」

カイト「ぷぎゃあァァァァァァァァァ！？」

腹を殴られて後方へ吹き飛ばされる
その威力は凄まじく、肋骨が数本折れた

カイト「あびぼれひべばれ！？」

次に巨大な落雷がカイト目掛けて直撃し
感電する、黒焦げにはならなかったが、全身に激痛が走る

エイト「ミュウ、俺はこれ程までに殺意が湧いたことがなかった」

ミュウ「あら、奇遇ね私もよ？」

2人は眼が見えないほど、そして目に見えるほど、ドス黒いオーラを垂れ流し、周囲を驚愕させる

エイト「それじゃあ、今思っている事もわかるな？」

ミュウ「ええ、当然よ？」

シルフィは白目を剥きながら遠くを見つめ、口をこぼす

シルフィ「あーあ、私知りませんからね」

アリアン「これは完全にプッツンだね」

カイトは急に変わった2人を見て

エイトミュウ
「取り敢えず…ぶっ殺そうか？」

初めて恐怖を覚えた

——————————————————————
完全にプッツンしてます
それはもう、プッツンしてます