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第四章 交差する思惑

第八十八話 失脚させる方法

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メグミアマス「ありがとうございます、皆さん」

頭を下げ続けるメグミアマスだったが、お礼を言って頭を上げる

メグミアマス「特にエイトさん」

エイト「ん?」

メグミアマスは申し訳なさそうにこちらを見つめる
多分本体メグミの事だろう

エイト「別に良いですよ、女神である貴女が私達に近づく為に必要な事だったんです、一個人の意見は必要ありません」

メグミアマス「それでもです、私がこの肉体から離れれば、彼女はカイトの能力で好感度が上がり貴方の敵になります、義理とはいえ、家族なんですから」

彼女が言える立場ではない
しかし、彼に対する申し訳なさがあり
許して欲しいのだろう

エイト「気にしないでください、覚悟の上です」

本当はどうでも良いが、こうでも言わないと
彼女は納得しないだろう

メグミアマス「そう言ってもらえるとありがたいです」

予想通り、納得してもらえたので良しとする
問題はこれからだ

エイト「けど、私達はどうすれば良いのですか?人間が神に勝てるとは思えませんが」

メグミアマス「女神アダマスを倒す事は出来ません、しかし失脚させる事が出来れば彼女を消す事が出来ます」

ミュウ「失脚?」

失脚させる事で、女神アダマスを消す事が出来るとはどう言う事だろうか?
そう不思議に思い、ミュウは頭を捻らす

メグミアマス「女神アダマスは元地球の神、地球には様々な宗教があり、その中でも全てを統治していた実績のある女神です」

日本だけでも八百万の神と言われる程
神は多く存在いる
その他の宗教、国、地域、伝承を含めれば
億単位はくだらないだろう

そんな神々を束ねていたのが、女神アダマス
なのだ

メグミアマス「今の地球がラグナロクを起こさなかったのはひとえに彼女のお陰とも言えます、それ程までに彼女は優秀なのです」

シルフィ「しかし、カイトのせいで頭がおかしくなり、こんな暴挙にでたと?」

メグミアマス「そういうことです」

あり得ないと思うかもしれないが、これは人間でも良くあることだ

環境によって人は変わり
浮気によって人は変わり
宗教によって人は変わり
死(他者も含め)によって人は変わり
事故によって人は変わり
薬物によって人は変わり

例を挙げればキリがない
女神アダマスはその中でも
真面目な人間がパチンコを覚えた時の快楽
に似ている

真面目な人程快楽に堕ちやすい
寝取られ漫画のテンプレとも言える

女神アダマスもきっと真面目だったのだろう
だからこそラグナロク…神々が起こす終焉の戦争も起こらなかった

だからこそ堕落した彼女はもう2度と戻らない、戻れないのだ

アリアン「らぐなろく、とか ちきゅうとか、もう訳がわからん」

エイト「この話が終わったら全て話すよ」

アリアン「さっきも聞いたよ…それでも頭が痛い」

アリアンにとっては未知の会話だ
理解しようにも分からない事が多すぎて
脳が疲れているんだろう

メグミアマス「私達の上司も彼女の暴挙には困っていますが、何しろ実績があります、なのでやたら無闇に断罪は出来ないんです」

シルフィ「それで私達に協力を?」

メグミアマス「はい、女神アダマスを失脚させるには、彼女が起こしたミス、エイトさん達が厄災を止める事が彼女を失脚させる手段なのです」

エイト「つまり、女神アダマスが作ったハーレム物語を壊せば女神アダマスの暴挙は間違っていたとなり、失脚すると」

もしくはカイトが厄災に負けて死ねば
勇者1人だけにした事により死ぬ必要のなかった人を神の悪戯で死なせてしまったと言う
大罪もその一つだが、今は置いておく

メグミアマス「はい、そうすれば、世界のバランスが元に戻り、私も女神として復帰できるはずです」

そして、エイト達の因果関係もきっと終わるだろう

そう信じたい

——————————————————————
続く



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