幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

みっちゃん

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第四章 交差する思惑

第七十五話 担任の終わり

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「貴女は生徒を導く存在でありながら、たった1人の男の為にその権力を邪な気持ちで使いました、これは由々しき事態です」

学園長は席から立ち、担任を見る
担任は体が震えて、青ざめている

「し…しかし私がした事は間違ってなどおりません」

「例えば?」

言い訳を始める担任の言葉に学園長は耳を傾ける

「カイト君は勇者です!この世界の厄災に立ち向かう者です!そんな人がこんな平民風情に負けたとなれば世界の恥となります!」

「だから貴女は助けた…と?」

「はい!」

理解してくれた!
と思っているのだろう、目の輝きが少し戻っている……しかし

「その程度の力しか無い勇者が世界を救えるとでも?」

「…え?」

「話は聞いております、彼はまだ勇者になったばかり、力もそれ程無いのは仕方ないでしょう」

「ですから!」

「だからと言って、貴女が介入する理由にはならないでしょう?」

正論を言われて、何も言えなくなってしまった
それはそうだ、確かにエイトは英雄と言う勇者に近いものを持っていた
だが、その上位互換が勇者であり、しかもエイトとカイトは職業を身に付けたのは同じ日だ、普通に戦えばカイトが勝つ

それで負けたのはカイトが弱いからだ
世界の厄災に立ち向かうと言うのなら
この程度で助けに入るなんて、カイトの成長の妨害にも繋がる

彼女がやった事の方が実際の罪は重いのだ
それを知らない程彼女は無知ではなかった筈だ

「そ…それは…」

ミュウ「カイトに気に入られたい、と言う浅はかな思いが先に動いてしまって、後の事を全く考えてなかった…と言う事ですね」

「どうやら弁明する必要すら内容ですね、では騎士団の皆さんよろしくお願いします」

「は!」

「な!?いつの間に!?」

学園長が騎士団の名を呼ぶと、いつのまにか騎士団達が担任の両腕を抱えて連れて行こうとする

「な…何で騎士団が私を捕まえるのですか!
?」

「何故?貴女が用意したあの薬品は、危険な物です、そう言った物を無許可で使おうとし、大切な生徒を殺そうとした…そんな危険な人物をクビにした所で逆恨みで私や彼等に被害が出る、その前に対処するまでですよ」

「離して!私は何も悪い事なんてしてないわ!」

「大人しくしろ!」

「ガフッ」

暴れ回る担任を騎士団の1人が腹を殴り、気絶させる、そしてその間に騎士団が担任を連れて行った

そして担任がいなくなるのを確認すると学園長は椅子に座り、今度はエイト達を見る

「明日からは新しい担任が来る、今日は済まなかったな」

アリアン「い…いえいえ、あたい達も助かりました」

「しかし、だからと言って君達のやった事も決して許されることでは無い」

エイト「…はい」

人間の屑だからやり過ぎと言うのは無いのだが、一応彼は学園長、叱られて当然だ

「だが、今回は双方共に合意の上、死人は出ていない、怪我も回復魔法を使えばある程度は治るだろう」

シルフィ「…………」

治ると言う言葉にピクッと反応を示すシルフィ、ミュウの方を見ると

ミュウ「…………」

目の奥の色が真っ黒になり
本当に彼が大嫌いだと言うのがわかる

「本来であれば、反省文を書かすのだが、エイト君、君に免じて許してあげよう」

エイト「…私ですか?」

「ええ」

エイト「………わかりました、今日はこれで失礼します」

そう言うと、エイトは立ち上がり
ミュウ達を見る

エイト「行こう」

シルフィ「どう言う事ですか?」

そう言うとシルフィが不安げに答える
それはそうだいきなりエイトの顔に免じて
許されるなんて有り得ない

エイト「それについては外に出てから話すよ」

ミュウ「わかった、シルフィ馬車の用意をして、今日は帰るわ」

シルフィ「わかりました」

アリアン「お…おい!待てよ!」

エイト達は学園長室の前の扉まで行き
ドアを開けて外に出る

4人の足音が聞こえなくなると、学園長は
静かに微笑む

「初めてですよ?私のを見破ったのは」

——————————————————————
続く
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