13 / 32
Scene13
しおりを挟む3人は帰りながら話をしていた。
リク「次はどこに行きたい?」
ケント「え?次があるの?」
リク「オレたちがこれからもずっと一緒にいたら、いつか次が訪れるだろ?」
ナオ「私はもっと都会っぽいところがいい!」
ケントは「オレは、こういうのんびりした場所も悪くないけどな。でも、3人で都内に行ったら、それはそれで楽しいかもな。」
リク「じゃあ東京タワーにでも行ってみるか?」
ナオ「東京タワー!?」
リク「どうした?」
ナオ「東京タワーってベタ過ぎない?」
リク「オレ、行ったことないんだよね。」
ケント「オレも。」
ナオ「えー!そうなの!?」
リク「ナオは行ったことがあるの?」
ナオ「無いけど。」
ケント「無いんかい!」
リク「じゃあいいじゃん。」
ナオ「まー、自分から進んで行くことないし、誰かに誘われないと行かないもんね。」
ケント「じゃあ決まりだな!いつ行く!?」
ナオ「受験が終わったらかな。」
リク「そうだな。みんなが志望校に受かって、そのお祝いを兼ねてもいいかな。」
ケント「それいいな!じゃあ、来年の春くらいかな。」
最後に3人は遺跡の中心にある大きな石碑の前で記念写真を撮ることにした。ナオがスマホを掲げて3人の自撮りを試みたが、またしてもリクの顔だけが微妙に切れてしまった。
リク「またかよ!」
ナオ「リクはもう顔が半分しか写らない芸風で行こう」
リク「芸風って何だよ?」
ケント「じゃあ、オレが後ろに回るよ。」
そう言ってケントは柱が立っていた岩の上で手を挙げて両手を合わせて目をつむった。
ナオ「何してんの?」
ケント「柱になってる。やっぱ記念撮影だから、国分寺の柱があった方がいいじゃん。」
ナオ「フッ、何それ。」
ナオは笑いながらシャッターを押した。
――
その日の晩、リクは弥生神社と相模国分寺跡に行ったときの写真を見直していた。リクはときおり「フッ。」と笑いながら写真を見返していた。最後にケントが柱のモノマネをして3人で撮った写真を見たときに表情が曇った。
リク(あれ?何だろうこの違和感・・・。写真に3人しか写ってないのは少なすぎる気がする・・・。この写真にはもう1人いたような・・・。)
リクは他の写真をめくった。
リク(他の写真はそうでもないんだけど・・・。)
リクはまた3人の写真に戻った。
リク(やっぱり、この写真にはもう1人いた気がする・・・。何だ?この感じ・・・。)
リクがふと立ち上がると、ラックの上に置いてあるクマのぬいぐるみが目に入った。
リク(オレ・・・こんなぬいぐるみ持ってたっけ・・・?)
リクはベッドの上に横たわり、クマのぬいぐるみを眺めた。
リク(持ってたっけって何だよ。何でオレが知らないんだ?オレ・・・どうかしちゃったのかな・・・。)
1
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
マイグレーション ~現実世界に入れ替え現象を設定してみた~
気の言
ミステリー
いたって平凡な男子高校生の玉宮香六(たまみや かむい)はひょんなことから、中学からの腐れ縁である姫石華(ひめいし はな)と入れ替わってしまった。このまま元に戻らずにラブコメみたいな生活を送っていくのかと不安をいだきはじめた時に、二人を元に戻すための解決の糸口が見つかる。だが、このことがきっかけで事態は急展開を迎えてしまう。
現実に入れ替わりが起きたことを想定した、恋愛要素あり、謎ありの空想科学小説です。
この作品はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
Bグループの少年
櫻井春輝
青春
クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる