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はるの すみれ

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私の初恋

** ゆずといつきのあき

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  「俺たち別れよう…」


 「えっ?」


  「俺、バイトあるからもう行く…じゃあな」


  この会話を最後に二週間ほど学校でも柚子を避け、携帯も見ないようにして、バイトに全てを注いで、死んだような生活を送っている俺は、世界一最低な男の称号を手にしたような気がした。


 「あんた、最近柚子ちゃんは?お母さん柚子ちゃんに会いたいわ」


 「俺の傷口に塩を塗らないでくれ…俺、柚子とは別れたから」


 「えっ!?どうして?」


  「俺なりに将来的なこと考えたんだよ、そしたら俺は柚子と一緒にいる資格はないんだ…」


  リビングの机に突っ伏している俺に大きな溜息を吐きながら母さんは俺の頭を思い切り叩いた。


  「痛ってぇ!!!」


  バシンっと響いた音と共にじわじわと痛みが走り、涙目で母さんを睨みつけた。


  「あんた、柚子ちゃんも別れたいって言ってたの?あんたのことだから、一人で悩んで勝手に柚子ちゃんを突き放したんじゃないの?」


  流石は俺の母親だ。全てお見通しというわけだ。


  「だったらなんだよ」


  「馬鹿だねあんた、柚子ちゃんみたいないい子はなかなかいないんだから、我儘してでも捕まえとかなきゃ駄目じゃないの!あんたが仕事で時間取れなくても柚子ちゃんなら分かってくれるんじゃないの?あんたに言おうか悩んでたけど、昨日、柚子ちゃんから家に電話来たよ」


  「えっ!?柚子から?」


  携帯にも毎日、メッセージや電話が来ていたが、柚子のために別れないととばかり思っていた俺は意固地になってそれらを見ないふりをしていた。


  バイトも柚子と同じ部活の純一を避けるようにしてシフトを入れてもらい、今のところ逃げ切れていた。


  「あんたを心配してたし、ちゃんと理由を知りたいって、涙声でさ…あんたの馬鹿加減に頭にきたよ」


  「すみません…」


  ここまで言われると謝ることしか出来なくなる。


  俺だって柚子から離れていても、頭の中は柚子のことばかりだ。
  最後に見ないふりをした大粒の涙でさえはっきりと思い出せる。


  「母さん…」


  「ちゃんと話してから決めなさい!母さん、サスペンス見るからリモコン取って」


  母さんは話が終わると大好きなサスペンスに意識をすぐさま切り替えた。


 柚子…。


  俺はこの日、改めて柚子のことを意識し始めたのだった。


  *  「はあ…」


  「もう、何回目なのよ、元気だしなって」


  「乙ちゃん…わっ私、嫌われちゃったのかな…」


  「柚子、泣かないの!よしよし」


  写真部の部活中にも関わらず、私の頭の中は樹君のことでいっぱいで、涙がどんどん溢れ出て乙葉に泣き止ませてもらっていた。


  穂乃果先輩は進路活動で今日はお休みで、部室には乙葉と私と霧島君の三人が集まっていた。


  「崎先輩のことだからきっと訳ありでしょ多分、
原因はわかってるけど…柚子先輩を嫌いになんてなるわけないし」


 頬杖をつきながら傷心状態の私を見ていた霧島君がポツリと呟いた。


  「原因?」


  「崎先輩、新店舗の副店長に推薦されてて、きっと来年から今年よりも会えなくなるから柚子先輩を思うあまり勝手に考えて別れようなんて言ってるんだと思うけど」


  「そうなのかな…副店長に推薦か…樹君を応援できるだけでも嬉しいのに…」


  「崎先輩が聞いたら泣いちゃいそうな台詞っすね…まあ、そのうち連絡来るんじゃないっすか?」


  「他人事だからって安易に言わないで…柚子は傷ついてるんだから!純一が上崎先輩に話聞いてきてくれれば早いじゃない!」


  私達の会話を聞いて怒り始めた乙葉に霧島君は怯えながら口を開いた。


  「聞きたいのは山々だけどさ、あの人俺とシフト被らないようにしてるらしくて、最近一緒にならないんだよ」


 「やっぱり…嫌われちゃったのかな…」


  「もう、柚子ってば!大丈夫だよ、訳を聞くまでは勝手に落ち込んじゃ駄目!」


  「ありがとう、乙ちゃん」


  乙葉に励まされながら私は目に溜まる涙を拭いた。


  樹君から別れを告げられて2週間、こちらから連絡をしても返答もなく、学校でも会う機会がなくて、迷惑を承知で樹君のお家にも電話したけど、樹君には繋がらなかった。

 
    私の初恋は去年のちょうどこの頃に始まって、2週間前に終わりを告げてしまった。


  理由さえ分かれば納得できるのに、訳も教えてくれないから諦めがつかなくて、ただただ涙が溢れた。


 午後6時前、乙葉と霧島君は一旦部室の鍵を返しに行くと言って職員室に向かって行った。


 私は一人で先に駅を目指して歩き始めとぼとぼと地面を見つめながら歩き進めていた。


  顔も上げずに歩いていたからか目の前の信号が赤に変わっていたことに気付いていなかった。


  まだ蒸し暑い気温の中、横断歩道に一歩踏み出した。


  「柚子!」


 「えっ!?」


 私の体はよく知った大好きな人の腕に包まれていた。振り返らなくてもそれが誰かはすぐに分かった。


 「いつ…き…君?」


  「もうちょっとで轢かれちまうとこだっただろ…気をつけろよ…俺が見ててよかった…」


 樹君に言われて初めて顔を上げると目の前の信号な赤信号ですごいスピードの車がどんどん過ぎ去っていた。


  樹君がいなかったら私は…。


 「っ…ひっ…」


  「柚子?」


  「うっ…ひっ…」


  「泣くなよ…柚子…場所変えようぜ」


  泣きじゃくる私を優しく撫でながら近くのベンチに座らせてくれた。


 「柚子…ごめんじゃ足りないと思うけど、ごめん」


  「樹君…会いたかった…別れたくなかった…」


   「俺も…別れたくなかった…このまま柚子に嫌われるくらいなら手放した方が良いと思ってたんだ…だけど、柚子を忘れようとしても出来なかった」


  「嫌われたと思ってた…理由を知りたかった」


 「進路のこと考えたんだ、新店舗が出来たら副店長になって欲しいって言われて…そしたらきっと柚子と会う時間も減るから、柚子を悲しませるなら別れた方が良いと思ったんだ」


  「私は、私は、樹君を応援できるだけでも幸せなんだよ?会えないなら会いに行くし…樹君と別れたいなんて思わない」


  震える声でそう言うと、樹君は優しく私を抱きしめてくれた。久しぶりに嗅ぐ大好きな人の匂いは、私を酷く安心させた。 


    私の目から溢れ出した感情は樹君の制服を濡らしていった。2週間分の寂しさはすぐには止まらずにしばらく泣き続けた。


  「柚子…ごめんな…泣き止んだか?」


  「うん…」


  泣き腫らした目の私を樹君は優しく撫でてくれた。
私はただ、樹君から貰える優しさに甘え続けていた。涙も止まり、普通に話しができるようになっだ私に樹君がそっと囁いた。


  「柚子、目瞑って」


  「はい」


  言われるままに目を閉じて待っていると、掌に何かが握らされた。


 「目、開けて良いよ」


 「はい」


  ゆっくり目を開けると、私の掌にはプレート型のチャームがついたネックレスがあった。プレートの裏には私と樹君のイニシャルが入っていた。


 樹君の顔を見上げると、照れ臭そうにそっぽを向いてしまった。


  「樹君、これ」


 「仲直りしたくて…」


  「ありがとう…大事にする!」


 「おう…」


 樹君の照れた時の表情は可愛らしくてついつい見つめてしまう。


 「そんなに見るなよ…恥ずかしいだろ…」


  「だって、好きだから見てたくて」


  一瞬、驚いたように目を見開いた樹君に急に強く抱きしめられ息をするのも忘れてしまうくらい驚いた。


   「樹…!?」


 私の目の前には樹君がいて、初めての感覚に身を委ねるしかないのだけど、心臓が破裂しそうな程にドキドキとうるさかった。


  これが私のファーストキスだった。私が想像していたよりものすごくドキドキした。


  樹君もおんなじ気持ちだと嬉しいな…。


  やっと離れた唇はまだ熱を帯びていた。樹君の顔は真っ赤に染まっていた。


  「柚子…ごめん」


  しばらくの沈黙の後、樹君が呟いた言葉が謝罪の言葉だったことに疑問を覚えた。


  「何で謝るの?」


 「俺なんかが…柚子にキスしちゃったんだぞ…可愛いなって思ってたらつい…」


 「私は樹君とファーストキス出来て嬉しかった!私は樹君がいいの…だから謝らないで」


  「柚子…これ以上惚れさせてどうする気だよ」


  「えっ?」 


   はあ、と溜息を吐く樹君に首を傾げる私。この光景が嬉しくて頬が緩んでいく。


  「樹君、大好き」


  「俺も」


  私達は再び見つめ合って、柔らかいキスをした。ドキドキして心臓が破裂しそうなくらい音を立てていた。


  しばらく恥ずかしくて地面を見つめているとドキドキしている心臓の音に負けないくらいに私の携帯が音を立てた。


  誰だろうと疑問に思いながら樹君に許可を取り携帯の画面を見つめた。


  『乙ちゃん』と表示されている文字を見て、先に駅に行くと言っていたのを思い出した。


  「樹君、どうしようっ乙ちゃん達に先に駅に行くって言って他の忘れてた!」


  「落ち着け柚子、とりあえず電話でろよ、それから考えようぜ」


  私は小さく頷くと携帯画面に指を当て応答すると、携帯を耳に当てた。


  『もしもしっ柚子!大丈夫!?今どこ!?一人にしてごめんね…』


 電話口から聞こえる乙葉の声は酷く慌てふためいていて、私のことを心配してくれていたことがすぐに伝わってきた。申し訳無さから声が小さく細くなっていく。



  「ううん、大丈夫!今、樹君とまだ学校の近くにいるよ」


  「上崎先輩と?!何があったの!?」


  「えっと、色々あって仲直りしたの」


  乙葉の声の後ろで私達が乗る予定の電車がホームに来たことを知らせるアナウンスが聞こえてきた。


  「乙ちゃん、電車乗らなきゃ!帰ったら詳しく話すね!私は後から帰るから気にせずに先に帰って!」


 『柚子、何かあったらすぐに言ってね!帰ったら連絡してね!先に行くよ』


  「うん!じゃあね」


  ピッと携帯画面に指を当て電話を切った私を申し訳なさそうな顔で樹君が見つめていた。


  「ごめんな、柚子…次の電車だと遅いから俺の親に連絡してみる」


 「そんな、悪いよ!大丈夫だよ!」


  「彼氏だから遅い時間に一人にしたくないんだ!そもそも電車に乗り遅れたのは俺が悪いし」


  そこまで言って項垂れてしまった樹君の手をそっと握ってみる。


  樹君は私の方を優しい表情で見上げた。


  「じゃあ、お言葉に甘えます」


  私は樹君の言葉に肯定の意思を示した。樹君は私の頭を優しく撫でると誰かに電話をかけ始めた。


  「もしもし…はい…お願いします」


  端的に要件を告げると樹君は携帯をポケットにしまい込んだ。樹君の親が来るまでの間に今年の体育祭の話を振ってみた。


  「樹君は今年の体育祭も用具係?」


  「ご名答!今年も用具係だけど、今年は自分から志願したんだ…恥ずかしいけど、用具係になれば柚子とまた接点が持てるような気がして選んだんだ。自分から別れ話しといて自分勝手な男だよな…」


  「嬉しいな、そんなこと考えてくれてたんだ」


  「おう」


  「じゃあ、今年も格好良い樹君を沢山撮らなきゃね!三年生の借り物競走には出るの?」


  「ああ、変なものとかじゃなければ柚子のこと探しに行くから、見つけやすいところにいろよ」


  「うん、分かった!楽しみだな」


  三年生による借り物競走は城咲高校の名物種目で、三年生達自らが好きなお題を書いて用意してあり、大半がおふざけが過ぎた内容になっている。


  去年多かったのは恋人関連で、付き合いたい人や今付き合ってる人などというお題をで溢れていた。


  もし、そういう相手がいない場合にはスタート地点で待機している葉月先生が走ってくれることになっている。


  樹君がどんなお題を引くのかは運次第だけど一緒に走れるなら私も一生懸命走りたいな、なんて思っていたら頬が緩んでいたようだ。


 樹君がそれに気が付いて頬をつついてきた。


 「柚子?なんか嬉しいことがあったのか?」


  「なっ、何でもない!気にしないで!」


  「可愛いやつだな」


  「恥ずかしい…」


  可愛いなんて言われなれてないから耳まで熱くなって咄嗟に俯いた。 


    私が俯いて黙りこくっている間に樹君のお父さんが到着した知らせを樹君の携帯が知らせた。


  「柚子、行くぞ」


  「うん、お世話になります」


  樹君に連れられて道路まで歩くと樹君と瓜二つの顔のお父さんが私に気付いて手を振ってくれた。



  「こんばんは、すみませんお世話になります!」


  「柚子ちゃん久しぶり、樹の馬鹿のせいでごめんね、親御さん心配してないかな?」


  「はい、大丈夫です!メールで連絡取りましたから、私のためにこんな遅い時間に来ていただいてすみません」


  私が頭を下げると樹君のお父さんは笑顔で受け入れてくれた。


  案内された車に乗り込むと樹君のお父さんは私の家に向けて車を発進させた。カーステレオから昔に聞いたような洋楽が流れ出し、和やかな気持ちにしてくれた。


  樹君のお父さんの和樹さんは一般企業のサラリーマンをしているらしい。物腰柔らかで話していても変に堅くならなくて安心出来るような人だった。


  車内に流れる洋楽に時折混じる鼻歌が聞こえて頬が緩んだ。


  「父さん、恥ずかしいから鼻歌やめろよ!」


  「なんだよ樹、今一番いいところだろ、昭和の洋楽の素晴らしさが分からないなんて可哀想な息子に育ったな」


  「昭和の洋楽は好きだけど、父さんの鼻歌が雑音にしかならないから黙って聞いておいてくれよ」


  「サビにかけての盛り上がりを邪魔するなんて困るな全く」


 「分かった分かった、好きに歌ってくれよ」


  「うふふ、素敵な親子だね」


  私は後部座席の隣に座る樹君に耳打ちで呟いた。


  「そうかな…よく似てるとは言われるな」


  「そっくりだよ」


  「嬉しいような、嬉しくないような…」


  「樹君が素敵なのは家族譲りなんだね」


  「柚子の親は柚子に似てるか?」


  「どうかな?」


  そういえば私は樹君のお宅に何度もお邪魔して家族にも会っているけど、樹君を私の家に連れてきたこともなければ、家族に会わせたこともなかった。


  「樹君、今度家に遊びに来てよ」


    「えっ!?」


  「どうしたんだ樹?いきなりでけー声出して、柚子ちゃんに嫌われるぞ」


  私の言葉に驚いた樹君は車中に響く声で驚きを表現していた。そんな樹君に私はくすっと笑いながら更に話を続けた。


 「私は樹君の家に何回もお邪魔しているけど、私の家に呼んだことなかったから来て欲しいの?ダメかな?」


   私の言葉にしばらく考え込んでいた樹君はやっと口を開くと緊張した面持ちになって私を見つめた。


  「いいのか?俺なんかが柚子の家に上がらせてもらって、俺、人生で経験したことないからさ…彼女の家に行くなんて…」


  「私も初めてだったよ、彼氏の家にお邪魔したの…それにお付き合いするのも、好きになったのも樹君が初めてだし…だから私の家にも遠慮なく遊びに来て欲しいの!」


  途中から恥ずかしいことを口走っている自分に赤面しながら樹君に向けて最後は捲し立てる用に早口に締めくくった。


 恥ずかしさから俯いていると樹君が私の頭を撫でながら笑顔で。


  「じゃあお邪魔させてもらいます」


 なんて言ってくれて、ホッとした。


 家に着くまで樹君のお父さんの柔らかい鼻歌を聞きながら車に揺られていた。


  樹君と樹君のお父さんにお礼を言い、車から降りて手を振った。


  家に入るとココアが私を尻尾を振りながら出迎えてくれた。ココアを抱っこしながらリビングに入ると私の夕飯を用意してくれていた母が目に入った。


 「お母さんただいま!」


  「おかえり柚子、あれ?なんかいいことあった?」


  「えっ?なんで分かるの!?」


  「分かるよ、だって柚子のお母さんだもん、彼氏と仲直りできたの?」


  昔から母には何も隠せないのは母が私のことをよく見ていてくれているからだろうと思うと胸が温かくなった。


  「お母さん聞いてくれる?あれ?お父さんまだ帰らないの?」


  私はさっきから父の姿がないことが気になっていて母に尋ねてみた。時刻は7時過ぎだから父が帰って来ていてもおかしくない。


  「今日ねお父さんは高校時代のお友達と食事してくるって、それより早く聞かせて柚子の話」 


    母の柔らかい笑顔に安心感を覚え、私は今日の出来事を母に話して聞かせた。


 「樹君の親御さんにお礼したかったのに、てっきり乙葉ちゃん家の親御さんかと思ってたから挨拶にも出て行かなかったのよ、明日町内会の会議で乙葉ちゃんの親御さんに会うからその時にお礼すればいいかと思って、樹君の親御さんに失礼なことしちゃったわね、今度樹君連れてきて!いつでもいいわよ」


  「ありがとうお母さん!」


   「柚子が元気になって良かった、さあご飯食べよっか」


  「うん!」


  私はこの日の夕食の後、乙葉に電話で今日の出来事を全て話した。


  乙葉は私の話を聞いて納得したように返答をした。


  『先輩は柚子のことが大事なんだってことがよく分かった、でも次、柚子を悲しませたら私だって怒るんだから』



  「ありがとう乙ちゃん、今までメソメソしてごめんね」


  『謝らなくていいの、友達でしょなんでも頼ってよね!』


  「ありがとう」


  『どういたしまして、柚子、また明日ね!』


  「うん!話し聞いてくれてありがとう、おやすみなさい!」


  ピッと人差し指で携帯画面をタップしてちゃん通話を終了した。


  私はベッドに横になるとゆっくり目を閉じた。昨日までのメソメソな私にさよならできたこと、樹君の気持ちが分かったことみんなに私が心配をさせてしまっていたこと。


 今日は沢山の出来事が起こっていて、まるで夢の中の出来事みたいだったけど素敵な一日を過ごせたのは実感できた。


 母と乙葉には内緒にしているけど、初めて樹君とキスしたことも私にとって大切な思い出として私の中でキラキラ輝いていて、思い出すと胸がドキドキして頬が熱くなる。


  私は今日の出来事を一生忘れないだろう。


  大好きな樹君とまた恋ができることを神様に感謝した大切な一日を。


  私はそんなことを考えながら夢の世界に旅をしに行った。


  


  
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