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2章 終末を呼ぶ狼
269話 バレる
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タイガが街を出てから15日がだった。
予定ならば明日には聖女が王都に着く頃だと言われている。
タイガがどうしているのか非常に気になってしまう。
モーガン達の事もあれから音沙汰がないので心配だ。
スズナさんのところに行くと言っていたが、一般庶民である自分は気軽に出向いて行ける場所ではない。
「今日はずっと心ここに在らずといった様子だな。タイガの事が気になるのか?」
夕食を終えて部屋で半裸で寛いでいるガグが聞いてきた。
もうすっかり気遣い無しの関係だ。
ガグに言われた通り今日はタイガのとこばかり考えて上の空だった。
「まあなー予定だと聖女は明日王都だろ。無事だといいけど」
「なあ、結局タイガは何をしてるんだ?」
「ガグって聖女見た事あるか?」
「いや無いが、どうかしたか?」
「なら大丈夫か、タイガの仕事は聖女が王都に着かないように足止めすることなんだ」
「足止め?護衛じゃなかったのか?」
「最終目的は聖女の討伐なんだ。その為に伝説の冒険者のシモンやライが来るまでの時間稼ぎをタイガがしてるんだ」
「聖女を討伐⁉︎
それに冒険者ライだって!!」
冒険者ライとはギルドで働く傭兵ならば誰でも知っているだろう。
依頼掲示板に名前が書かれているからだ。
どこのギルドでも同じ依頼が貼られているらしい。
「聖女はなんでも魔族と同じ存在なんだって。この国で活動していて知らない間に既に大勢の人間が死んでいるし、俺も殺されかけた。その事がわかったから討伐することになったんだ」
「魔族だって!だから高名な冒険者を呼んでまで討伐するのか。
なるほどな、エドガーが心配するのもこれで分かった」
「タイガだって1人で魔族を倒すような奴だけど、聖女は洗脳のようなことをしてくるから迂闊に近寄れないし、見るだけでも危険なんだ」
タイガが魔族を倒したことは今では割と知られている。
ギルド前での出来事でたくさんの目撃情報もあってかなり噂もされていた。
その事もあってかタイガはギルドのワーカー達からは割と恐れられている。
強さを目当てに声をかけてくる輩も居ないので人脈が広がらないとタイガは言っていた。
声をかけてきたのはガグぐらいなものだ。
「結果がわかるとしても遠く離れた王都の事だ、話が伝わってくるのもしばらくかかるだろうから辛抱強く待つしかないな」
ガグの言う通り結局この街に話が伝わるのは王都まで行っている護衛の兵士や商人たちが戻ってこないとわからない。
最短でもあと半月は待つ事になる。
なんとももどかしい。
タイガが全速力で走って戻ってきてくれたら速いのだが。
「王都に行く依頼とかないかな」
「今の時期は殆どないな、出てくるのはもう少し先だ」
依頼抜きにして王都に行こうとすると片道で1万ロング以上はかかるとされる。
それだと手持ち的に厳しい。
走って野宿なら全然かからないが、ギルダナ以外の街に行った事がないので不安もある。
結局のところやはり待つしかないのだ。
タイガの強さを信じてはいるが心配だ。
この気持ちをどう紛らわせたらいいものなのかさっぱりわからない。
「あー心配しすぎてどうにかなりそう!」
「ふふふ、エドガーは本当にタイガの事が好きなんだな」
「なっ!!、ま、まあ、俺の初めての友達って呼べるような間柄だし!心配するのは当然だろ!」
ガグに図星を指されてびっくりしてしまった。
あまり気づかれたくはなかったのだけど分かりやすすぎたようだ。
「友達か、俺にはもっとそれ以上に好いてるように見えるけどな」
「そ、そうか?うーん・・・実際のところ、まあ、好き・・・」
完全に見透かされている感じで見られていて凄く恥ずかしい。
顔から火が出そうだ。
もう誤魔化しも効かないようなので素直に白状してしまった。
「わはは!俺は別に変な事だとは思ってないからな!でもエドガーの様子見てるとすぐわかるぞ」
「そうか・・でも気をつけよ・・」
男同士の恋愛感情なんてバレると白い目で見られてしまうのが普通だ。
ガグがそうでなくて助かったが周りにはもっとバレないようにしたいな。
「案外チーム組んでるやつらでもそう言う関係のやつもぼちぼちいるもんだ。
男女混合のチームなら尚更な。
でも変な噂はすぐに広まるから気をつけとけよ」
「わかった、うードキッとしすぎて体が熱い。暴風の魔法浴びたい」
「悪かったな、あまり隠す気無いと思ってた」
「そんなにわかりやすかったのかー・・」
「本当に俺はなんとも思わないから安心しろよ、なんなら俺だって狙ってるやつは男だ」
「えっ!!まじ!?」
「内緒で頼むぞ。バレたら男とチーム組みづらくなるし」
「もちろん!それでどんなやつなんだ?」
ガグのカミングアウトでハラハラしていた気持ちからドキドキした感覚にかわった。
これまでのガグの様子にも納得が生まれる。
そりゃちんこに興味深々になるわけだ。
ガグに恋愛感情はないが同じ感覚を持つものとして親しみが湧く。
「んー誰かに言うのは初めてで恥ずかしいな。虎の獣人の男だぞ、一目惚れだったし、すごく気遣いが出来て良いやつなんだ」
ガグが狙っているというのは前に見受けしたいと言っていた娼妓の事だろう。
娼妓ではなく男娼だとするとめちゃくちゃ心当たりがある。
「もしかして、名前カイルっていわないか?」
「え!!何故!?あ、もしかして!」
この反応図星だ。
「俺とタイガでガグから勧めてもらった店に行った時に、空きが2人って言われて、男も構わんって事で俺の相手がカイルになったんだ・・」
「そうかー、まさか男相手にすると思ってなかったぞ。しかもカイルだとはな。でも、ちゃんとよくしてくれただろ」
「俺初めてだったんだけど凄く良かった、めちゃくちゃ気遣い上手いし、良い男だと思う。ガグが惚れるのも納得だなー」
「はーまさかエドガーと兄弟になっていたなんてな・・」
「俺はちょっと嬉しいけどな!」
「まあエドガーならいいか、ライバルにはならなさそうだしな」
またそのうち金ができたらカイルを買いたいと思っていたんだけど、ガグの気持ちを知ってしまったら買いづらくなってしまった。
でもあの夜のことは後悔はない。
最高の初めてだったと思う。
「カイルが言ってたけど、傭兵の仕事についてくことがあるってガグのこと?」
「え!!違うぞ!」
と言うことはそう言うことだ。
カイルに入れ込んでいる傭兵がまだ居ると言うことだ。
「身請けしたい事はカイルに言ったのか?」
「いや、全然目処が立たないからまだ言っていない・・・どうしよう、不安になってきた」
「俺が言えたことでは無いけどさ、気持ちはちゃんと伝えておいた方がいいんじゃないか?」
「カイルの負担になるかもと思っていたんだが、そうだよな。明日行ってくる!」
「おう、頑張れよ!」
「エドガーに励まされてしまうとはな。エドガーもタイガの事は心配だろうが、頑張って待とうな」
「おう!へへへ、気楽に話せる相手ができたと思うと嬉しいぜ」
「確かにな、話してみると少し気が楽だ。でも余計に心配は増えたけどな!」
タイガの事はずっと心配なのだが味方ができたようでとても嬉しかった。
なんなら初めての兄弟でもある。
ちょっと複雑な気持ちもあるがガグとの距離がまた一気に縮まったきがした。
予定ならば明日には聖女が王都に着く頃だと言われている。
タイガがどうしているのか非常に気になってしまう。
モーガン達の事もあれから音沙汰がないので心配だ。
スズナさんのところに行くと言っていたが、一般庶民である自分は気軽に出向いて行ける場所ではない。
「今日はずっと心ここに在らずといった様子だな。タイガの事が気になるのか?」
夕食を終えて部屋で半裸で寛いでいるガグが聞いてきた。
もうすっかり気遣い無しの関係だ。
ガグに言われた通り今日はタイガのとこばかり考えて上の空だった。
「まあなー予定だと聖女は明日王都だろ。無事だといいけど」
「なあ、結局タイガは何をしてるんだ?」
「ガグって聖女見た事あるか?」
「いや無いが、どうかしたか?」
「なら大丈夫か、タイガの仕事は聖女が王都に着かないように足止めすることなんだ」
「足止め?護衛じゃなかったのか?」
「最終目的は聖女の討伐なんだ。その為に伝説の冒険者のシモンやライが来るまでの時間稼ぎをタイガがしてるんだ」
「聖女を討伐⁉︎
それに冒険者ライだって!!」
冒険者ライとはギルドで働く傭兵ならば誰でも知っているだろう。
依頼掲示板に名前が書かれているからだ。
どこのギルドでも同じ依頼が貼られているらしい。
「聖女はなんでも魔族と同じ存在なんだって。この国で活動していて知らない間に既に大勢の人間が死んでいるし、俺も殺されかけた。その事がわかったから討伐することになったんだ」
「魔族だって!だから高名な冒険者を呼んでまで討伐するのか。
なるほどな、エドガーが心配するのもこれで分かった」
「タイガだって1人で魔族を倒すような奴だけど、聖女は洗脳のようなことをしてくるから迂闊に近寄れないし、見るだけでも危険なんだ」
タイガが魔族を倒したことは今では割と知られている。
ギルド前での出来事でたくさんの目撃情報もあってかなり噂もされていた。
その事もあってかタイガはギルドのワーカー達からは割と恐れられている。
強さを目当てに声をかけてくる輩も居ないので人脈が広がらないとタイガは言っていた。
声をかけてきたのはガグぐらいなものだ。
「結果がわかるとしても遠く離れた王都の事だ、話が伝わってくるのもしばらくかかるだろうから辛抱強く待つしかないな」
ガグの言う通り結局この街に話が伝わるのは王都まで行っている護衛の兵士や商人たちが戻ってこないとわからない。
最短でもあと半月は待つ事になる。
なんとももどかしい。
タイガが全速力で走って戻ってきてくれたら速いのだが。
「王都に行く依頼とかないかな」
「今の時期は殆どないな、出てくるのはもう少し先だ」
依頼抜きにして王都に行こうとすると片道で1万ロング以上はかかるとされる。
それだと手持ち的に厳しい。
走って野宿なら全然かからないが、ギルダナ以外の街に行った事がないので不安もある。
結局のところやはり待つしかないのだ。
タイガの強さを信じてはいるが心配だ。
この気持ちをどう紛らわせたらいいものなのかさっぱりわからない。
「あー心配しすぎてどうにかなりそう!」
「ふふふ、エドガーは本当にタイガの事が好きなんだな」
「なっ!!、ま、まあ、俺の初めての友達って呼べるような間柄だし!心配するのは当然だろ!」
ガグに図星を指されてびっくりしてしまった。
あまり気づかれたくはなかったのだけど分かりやすすぎたようだ。
「友達か、俺にはもっとそれ以上に好いてるように見えるけどな」
「そ、そうか?うーん・・・実際のところ、まあ、好き・・・」
完全に見透かされている感じで見られていて凄く恥ずかしい。
顔から火が出そうだ。
もう誤魔化しも効かないようなので素直に白状してしまった。
「わはは!俺は別に変な事だとは思ってないからな!でもエドガーの様子見てるとすぐわかるぞ」
「そうか・・でも気をつけよ・・」
男同士の恋愛感情なんてバレると白い目で見られてしまうのが普通だ。
ガグがそうでなくて助かったが周りにはもっとバレないようにしたいな。
「案外チーム組んでるやつらでもそう言う関係のやつもぼちぼちいるもんだ。
男女混合のチームなら尚更な。
でも変な噂はすぐに広まるから気をつけとけよ」
「わかった、うードキッとしすぎて体が熱い。暴風の魔法浴びたい」
「悪かったな、あまり隠す気無いと思ってた」
「そんなにわかりやすかったのかー・・」
「本当に俺はなんとも思わないから安心しろよ、なんなら俺だって狙ってるやつは男だ」
「えっ!!まじ!?」
「内緒で頼むぞ。バレたら男とチーム組みづらくなるし」
「もちろん!それでどんなやつなんだ?」
ガグのカミングアウトでハラハラしていた気持ちからドキドキした感覚にかわった。
これまでのガグの様子にも納得が生まれる。
そりゃちんこに興味深々になるわけだ。
ガグに恋愛感情はないが同じ感覚を持つものとして親しみが湧く。
「んー誰かに言うのは初めてで恥ずかしいな。虎の獣人の男だぞ、一目惚れだったし、すごく気遣いが出来て良いやつなんだ」
ガグが狙っているというのは前に見受けしたいと言っていた娼妓の事だろう。
娼妓ではなく男娼だとするとめちゃくちゃ心当たりがある。
「もしかして、名前カイルっていわないか?」
「え!!何故!?あ、もしかして!」
この反応図星だ。
「俺とタイガでガグから勧めてもらった店に行った時に、空きが2人って言われて、男も構わんって事で俺の相手がカイルになったんだ・・」
「そうかー、まさか男相手にすると思ってなかったぞ。しかもカイルだとはな。でも、ちゃんとよくしてくれただろ」
「俺初めてだったんだけど凄く良かった、めちゃくちゃ気遣い上手いし、良い男だと思う。ガグが惚れるのも納得だなー」
「はーまさかエドガーと兄弟になっていたなんてな・・」
「俺はちょっと嬉しいけどな!」
「まあエドガーならいいか、ライバルにはならなさそうだしな」
またそのうち金ができたらカイルを買いたいと思っていたんだけど、ガグの気持ちを知ってしまったら買いづらくなってしまった。
でもあの夜のことは後悔はない。
最高の初めてだったと思う。
「カイルが言ってたけど、傭兵の仕事についてくことがあるってガグのこと?」
「え!!違うぞ!」
と言うことはそう言うことだ。
カイルに入れ込んでいる傭兵がまだ居ると言うことだ。
「身請けしたい事はカイルに言ったのか?」
「いや、全然目処が立たないからまだ言っていない・・・どうしよう、不安になってきた」
「俺が言えたことでは無いけどさ、気持ちはちゃんと伝えておいた方がいいんじゃないか?」
「カイルの負担になるかもと思っていたんだが、そうだよな。明日行ってくる!」
「おう、頑張れよ!」
「エドガーに励まされてしまうとはな。エドガーもタイガの事は心配だろうが、頑張って待とうな」
「おう!へへへ、気楽に話せる相手ができたと思うと嬉しいぜ」
「確かにな、話してみると少し気が楽だ。でも余計に心配は増えたけどな!」
タイガの事はずっと心配なのだが味方ができたようでとても嬉しかった。
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