255 / 278
1章 呪いの女
254話 VSサファイア
しおりを挟む
「トレイ走れ!下からくるぞ!」
「ぬわぁぁぁぁ!」
俺の指示を受けてトレイ瞬時に動き出した刹那トレイの足元から2本の剣が飛び出して来た。
そしてそのままトレイを追いかけ始める。
俺の強化を受けたトレイはかなり素早いので剣の攻撃はなんとか交わせている。
サファイアの意識がトレイに向いたので俺は気配を薄めてサファイアの意識の外に抜けて一気に詰め寄る。
俺が消えたとわかった瞬間サファイアは警戒を強めたがその隙に一発叩き込もうとするが、サファイアの周りから急に3本の大剣が現れて彼女を守るように動き俺の攻撃を阻んだ。
「収納スキルか!」
トレイ情報では5本の剣だったが既に6本の剣が宙を舞っている。
何本動かせるのかわからないし収納スキルは別空間に道具を入れて置けるスキルだ。
何本剣も持っているかもわからない。
そしてサファイアは追加でもう一本細身の剣を空間から取り出し手に構えた。
「ふふふ、不意打ちが得意というならばこちらは攻め続けるまで」
サファイアの意識が俺に刺さり4本の宙を舞う大剣がこちらへ向くと刀身が燃えだした。
そしてサファイアが一瞬消えたと思う速さで俺に迫り切りかかる。
それは回避はせずに纏った氣で受ける。
「チッ!」
すぐさま追撃の燃える大剣が襲い来るが間に置いた水球の魔法に突っ込ませて瞬間に凍らせて砕く。
サファイアが状況を把握する前に思いっきり威圧をして怯ませ、サファイアに氣を大きく纏ったガチガチの拳を叩き込み、更に俺の氣をぶつけるように送り込んで、サファイアの氣を掻き乱す。
もろに攻撃が入ったサファイアは大きく吹き飛んでいった。
トレイを追っていた剣の制御も切れて地面に落ちた。
「すげえ、一撃!団長が飛んでったっす」
「倒せたか確認するまで気を抜くなよ」
地面に落ちた剣も拾って力任せに折ってから捨てる。
サファイアの様子は氣で探っていた、氣を乱せば体に力が入らなくなり意識を失う。
サファイアの氣も乱れていたが落ち着いて行くのが早い。
氣の扱いに長けていれば整えるのは早いのだがサファイアは意識が無いのに回復している様子がある。
殴った時の体へのダメージも回復しているようだ。
「継続的な回復がかかってるな。これは俺たちを足止めするために送り込んできたな」
「どうするっすか?」
めちゃくちゃ面倒だ。
放置すればまた俺らを襲い出す。
倒せばこいつは恐らく躊躇いもなく自死を選ぶ。
俺らがやった人質をけしかける作戦を逆にやられている状態だ。
俺は決してサファイアを死なせたい訳ではない。
かくなる上は・・・
「やりたくは無いが、サファイアを俺の眷属にして命令するか・・・」
本当ならば眷属なんて作りたく無いし、俺の眷属はエドガーだけがよかった。
モーガンもガルシアも仕方なくではあるが、それでも俺は2人を気に入ってるので受け入れる。
でもサファイアの事なんて全く知らないし、地位の高いものを傀儡にできるようなのはあまり知られたく無いし面倒くさい。
しかしすごーく嫌だがこの状況を素早く切り抜けるにはこれしか無い気がする。
まあやるからにはちゃんと責任は持とう。
意識を取り戻しつつあるサファイアの隣まで行くと、右手に纏った氣を刃物の形にして左の掌を切り裂き血を出す。
魔力を込めた血を操作してサファイアの口から体内に入れる。
サファイアの体がびくりと跳ねて俺の魔力が全身を駆け巡るのを感じた。
サファイアの体に手をそてえ乱れた氣を整えてやり回復魔法をかけると目を覚ました。
すぐに俺に殺気が来るが、俺の中に出来た眷属の繋がりを意識してサファイアに命令をする。
「動くな」
「ぐっ!何をした!」
「眷属サファイアに命じる。
聖女を敬うな、聖女の為に死ぬ事を禁じる。
そして俺たちへの攻撃をやめてギルダナに帰れ。
護衛隊の下へは戻るなよ」
「ぐっ・・・何を・・・わかっ・・た」
「よし。無理矢理ですまないな。
俺の名はタイガだ。何か俺が力になれることがあるのならば手をかそう」
「もー・・・どうなってるのよ・・聖女様・・」
「聖女に縋るな」
「ぐぅ・・・」
サファイアはいじけて地面に丸まってしまってしまった。
「ほら俺たちは早く行かなければいけないんだ、あんたもさっさと帰れ」
「わかったわよ!あなた手をかすって言ったわよね」
「帰る手助けはしないぞ」
「どうしてもだめ、私無一文で食料も持ってないのよ」
「嘘じゃないよな?」
「本当よ!」
「はー金と食糧は少しやる。後は自分で何とかしろ」
俺は荷物から3000ロング分の硬貨と食糧を分けた。
パンが今夜分で終わる。
分けた荷物は収納スキルで何処かにしまわれていた。
なんでそんな便利なものがあって無一文なんだ。
「あなた何者なの、どうして聖女様を邪魔するの?」
「俺はただの鬼だ。そんでほれこれ見ろ」
俺はスズナから預かった国王の聖女討伐の許可状とスズナからの任命証をサファイアに見せた。
「何これ、聖女様を討伐なんて王はなんて愚かな事を。聖女様が悪なわけ無いじゃ無い」
「聖女を信じるな」
「うっ・・・」
「そもそも何で聖女を信じてる。何故敬うようになった、見た瞬間からそうだったろ。おかしいと思わないのか?」
「思わないわ」
「それがおかしい、それが聖女の能力だ。
お前は利用されてるんだ」
「そんな、嘘よ!」
「俺を信じろとは言わないが、事実だ。
これ以上問答はしないぞ、俺たちは聖女を止める。アンタは帰れ」
サファイアの返事を聞かずに俺はトレイを小脇に抱えるとそのままサファイアの元から走り去った。
「ぬわぁぁぁぁ!」
俺の指示を受けてトレイ瞬時に動き出した刹那トレイの足元から2本の剣が飛び出して来た。
そしてそのままトレイを追いかけ始める。
俺の強化を受けたトレイはかなり素早いので剣の攻撃はなんとか交わせている。
サファイアの意識がトレイに向いたので俺は気配を薄めてサファイアの意識の外に抜けて一気に詰め寄る。
俺が消えたとわかった瞬間サファイアは警戒を強めたがその隙に一発叩き込もうとするが、サファイアの周りから急に3本の大剣が現れて彼女を守るように動き俺の攻撃を阻んだ。
「収納スキルか!」
トレイ情報では5本の剣だったが既に6本の剣が宙を舞っている。
何本動かせるのかわからないし収納スキルは別空間に道具を入れて置けるスキルだ。
何本剣も持っているかもわからない。
そしてサファイアは追加でもう一本細身の剣を空間から取り出し手に構えた。
「ふふふ、不意打ちが得意というならばこちらは攻め続けるまで」
サファイアの意識が俺に刺さり4本の宙を舞う大剣がこちらへ向くと刀身が燃えだした。
そしてサファイアが一瞬消えたと思う速さで俺に迫り切りかかる。
それは回避はせずに纏った氣で受ける。
「チッ!」
すぐさま追撃の燃える大剣が襲い来るが間に置いた水球の魔法に突っ込ませて瞬間に凍らせて砕く。
サファイアが状況を把握する前に思いっきり威圧をして怯ませ、サファイアに氣を大きく纏ったガチガチの拳を叩き込み、更に俺の氣をぶつけるように送り込んで、サファイアの氣を掻き乱す。
もろに攻撃が入ったサファイアは大きく吹き飛んでいった。
トレイを追っていた剣の制御も切れて地面に落ちた。
「すげえ、一撃!団長が飛んでったっす」
「倒せたか確認するまで気を抜くなよ」
地面に落ちた剣も拾って力任せに折ってから捨てる。
サファイアの様子は氣で探っていた、氣を乱せば体に力が入らなくなり意識を失う。
サファイアの氣も乱れていたが落ち着いて行くのが早い。
氣の扱いに長けていれば整えるのは早いのだがサファイアは意識が無いのに回復している様子がある。
殴った時の体へのダメージも回復しているようだ。
「継続的な回復がかかってるな。これは俺たちを足止めするために送り込んできたな」
「どうするっすか?」
めちゃくちゃ面倒だ。
放置すればまた俺らを襲い出す。
倒せばこいつは恐らく躊躇いもなく自死を選ぶ。
俺らがやった人質をけしかける作戦を逆にやられている状態だ。
俺は決してサファイアを死なせたい訳ではない。
かくなる上は・・・
「やりたくは無いが、サファイアを俺の眷属にして命令するか・・・」
本当ならば眷属なんて作りたく無いし、俺の眷属はエドガーだけがよかった。
モーガンもガルシアも仕方なくではあるが、それでも俺は2人を気に入ってるので受け入れる。
でもサファイアの事なんて全く知らないし、地位の高いものを傀儡にできるようなのはあまり知られたく無いし面倒くさい。
しかしすごーく嫌だがこの状況を素早く切り抜けるにはこれしか無い気がする。
まあやるからにはちゃんと責任は持とう。
意識を取り戻しつつあるサファイアの隣まで行くと、右手に纏った氣を刃物の形にして左の掌を切り裂き血を出す。
魔力を込めた血を操作してサファイアの口から体内に入れる。
サファイアの体がびくりと跳ねて俺の魔力が全身を駆け巡るのを感じた。
サファイアの体に手をそてえ乱れた氣を整えてやり回復魔法をかけると目を覚ました。
すぐに俺に殺気が来るが、俺の中に出来た眷属の繋がりを意識してサファイアに命令をする。
「動くな」
「ぐっ!何をした!」
「眷属サファイアに命じる。
聖女を敬うな、聖女の為に死ぬ事を禁じる。
そして俺たちへの攻撃をやめてギルダナに帰れ。
護衛隊の下へは戻るなよ」
「ぐっ・・・何を・・・わかっ・・た」
「よし。無理矢理ですまないな。
俺の名はタイガだ。何か俺が力になれることがあるのならば手をかそう」
「もー・・・どうなってるのよ・・聖女様・・」
「聖女に縋るな」
「ぐぅ・・・」
サファイアはいじけて地面に丸まってしまってしまった。
「ほら俺たちは早く行かなければいけないんだ、あんたもさっさと帰れ」
「わかったわよ!あなた手をかすって言ったわよね」
「帰る手助けはしないぞ」
「どうしてもだめ、私無一文で食料も持ってないのよ」
「嘘じゃないよな?」
「本当よ!」
「はー金と食糧は少しやる。後は自分で何とかしろ」
俺は荷物から3000ロング分の硬貨と食糧を分けた。
パンが今夜分で終わる。
分けた荷物は収納スキルで何処かにしまわれていた。
なんでそんな便利なものがあって無一文なんだ。
「あなた何者なの、どうして聖女様を邪魔するの?」
「俺はただの鬼だ。そんでほれこれ見ろ」
俺はスズナから預かった国王の聖女討伐の許可状とスズナからの任命証をサファイアに見せた。
「何これ、聖女様を討伐なんて王はなんて愚かな事を。聖女様が悪なわけ無いじゃ無い」
「聖女を信じるな」
「うっ・・・」
「そもそも何で聖女を信じてる。何故敬うようになった、見た瞬間からそうだったろ。おかしいと思わないのか?」
「思わないわ」
「それがおかしい、それが聖女の能力だ。
お前は利用されてるんだ」
「そんな、嘘よ!」
「俺を信じろとは言わないが、事実だ。
これ以上問答はしないぞ、俺たちは聖女を止める。アンタは帰れ」
サファイアの返事を聞かずに俺はトレイを小脇に抱えるとそのままサファイアの元から走り去った。
10
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
召喚されたのに、スルーされた私
ブラックベリィ
恋愛
6人の皇子様の花嫁候補として、召喚されたようなんですけど………。
地味で影が薄い私はスルーされてしまいました。
ちなみに、召喚されたのは3人。
2人は美少女な女子高生。1人は、はい、地味な私です。
ちなみに、2人は1つ上で、私はこの春に女子高生になる予定………。
春休みは、残念異世界への入り口でした。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる