黄昏一番星

更科二八

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1章 呪いの女

211話 スズナの依頼達成

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夕刻の鐘の前になってエドガーとトレイが兵舎の部屋に戻ってきた。
無事にノルマを達成できたようだ。
モーガンはぐーすか鼾をかいて寝ている。
股間を大きく盛り上げて。

「まーたモーガンは油断しまくってるっすね」
「疲れてたようだし、しっかり休めてるのはいいじゃないか」
「そうっすけどね、俺も今夜は久しぶりにやることなくなって気が楽っす」
「トレイも調子整えてやろうか?モーガンにはやってやったんだが」
「なんかわかんないっすけど、頼むっす!」
「俺にいつもしてくれてるやつか?」
「ああ、氣を満たすだけな」

トレイに後ろ向いてもらい手を添えて俺の氣を体に満たしてやる。
エドガーは抱きしめるような形でやってるが、氣を纏わないし魔力の正確な調整もしないので手を添えるだけで充分だ。
まあエドガーも手を添えるだけでもできるが体が多く接していた方がやりやすい、落ち着くし、エドガーの毛並みも堪能できるので都合がいい。

「すげー!なんか急に元気出たっす!」
「しばらくは持つからな、夜ゆっくり休めば疲れも取れるだろう」
「ありがたいっす!氣ってこんな事もできるんすね!」
「氣をしっかり操れるようになればな。
身体能力も高くなってるから今なら普段以上のことできるぞ」
「へーすげー便利っすね!」

そう言ってトレイは寝てるモーガンの巨大を持ち上げてみようとする。
細身のトレイでも190超えの身長で熊獣人ならではの厚みのある肉体のモーガンの体をあっさりと持ち上げてしまった。

「うわ、すげえ!」
「はっ、トレイ!?な、なに!なに!?」
流石にモーガンもこれには目を覚まして慌てている。おもろい。
トレイは雑にモーガンをベッドに落とした。

「ぐえっ」
「起きるっすよー」
「起きたよー、最悪の起こし方だよー」
「ははは!」

氣による身体強化は練度にもよるが、付与魔術や魔力による身体強化よりも性能が高い。俺の場合だと何もしてない時と比べて5倍近く持てる重量は変わる。今のトレイは普段の2倍の重さは持てるし走るのも飛ぶのも2倍ぐらいにはなっているだろう。

「飯食いながら報告の中身まとめるっすよ」
「はーい」
「タイガたちも今日も晩飯は食ってくといいっすよ、兵舎の飯だから豪華ではないっすけど」
「量だけはすごいからな御相伴に預からせてもらおう」
「俺ここの飯も結構好きだぜ」

そんな事で今日も兵舎の飯をいただくことにした。
ここの兵舎のメニューは日替わりで1つしかない。
今日は大量の肉と根菜類をいろんなスパイスとヤギの乳とチーズを加えて煮込んだものだった。
それをデカい深皿に並々と注ぎ、パンと葉物野菜のサラダもついて、どれもおかわり自由だ。
肉はしっかりと柔らかくなるまで煮込まれて、根菜も煮崩れしない程度の柔らかさで食べ応えがある。
食欲そそる香りと辛さがクセになるが、ヤギの乳でまろやかに仕上がっている。
普通に凄く美味い。
エドガーもうめえうめえいいながらバクバク食っている。

「今日でしっかりノルマ分の候補者集まったからこの後辺境伯屋敷に持ってくっす。
タイガたちには協力してもらって感謝っすよ」
「なに、俺が言い出した事が原因だしな、ちゃんとやれてよかった」
「タイガにはまた護衛部隊ができた頃に確認の協力をお願いすることになると思うっす」
「わかった。またギルド経由かスノーシェの酒樽って宿に泊まってるから知らせてくれ」
「了解っす」
「俺はこの先も護衛部隊についてく可能性あるな」
「俺らも護衛部隊には入るかもしれないし、タイガとエドガー2人と一緒に仕事できたらいいねー」
「そうだな、俺も知り合いがいてくれた方がやりやすいからな」

誰も知り合いがいない中で兵士団と連携を取るのは嫌だなーと思うのでぜひ2人にはいてほしい。
その頃には2人にも聖女討伐の事は伝わるのだろう。
飯を食い終わり、別れ際にモーガンが寝ている間に作っておいた温風の魔道具2枚を手渡した。

「モーガンの分とここの洗い場に一つ置いてくれ」
「やったーありがとー!使いごごちはあれだけど凄く便利なんだよねー」
「なんすかそれ?」
「体を乾かす魔道具だよーすぐ乾くし楽しいから、後で水浴びの時にトレイにも使わせてあげるよー」

トレイの股間が荒ぶる様子でも見て楽しむつもりなのだろう。いいなー。
トレイに関しては完全に謎だからな。
朝の様子からしてモーガンほどはないのではないかと予測している。

「そんじゃまたな!」
「仕事頑張れよー」
「世話になったっす!」
「またねー」

遠くの空に夕焼けを残す頃にトレイたちとは別れた。

「エドガー、モーガンのどうだった?」

朝からずっと気になっていた。布越しには見ているが、直に見た感想は聞いておきたい。

「ははは、タイガらしいな!
やっぱでかかったぞ!
そうだなー普通にしててもカイルの本気ぐらいの長さで、太さは倍ぐらいあったかな。あとしっかり皮被ってた」
「そうかーやっぱ結構なものもってんなー」

カイルはエドガーの初めての相手で、勃ったところも見たが、巨根と呼べるほどではないがなかなか立派だった。モーガンは通常時でもそのサイズで更に太いとなればかなりの逸品だ。なかなかやるな。

「直接見たかったな」
「魔道具使うところは最高だったぞ」
「最近エドガーばっか面白そうなとこ見れてずるいよな」
「タイガだって昨日14人も勝負したんだろ」
「あれは楽しむ余裕なんか無かったし。
あー解体場の風呂が恋しいぜ。明日こそは解体の仕事受けよう」
「だなー、毎日入ってると恋しくなるな」

エドガーは2日だが俺は暫く入っていない。
旅人の輪の効果もあるし、シコった時に全身浄化の魔法で綺麗にしてるから汚れはないが、風呂は恋しい。
明日こそ風呂。
一度考え始めると気持ちはもう風呂一色である。
だが、女王との修行があるのでその気持ちを振り払う。
思考の切り替えはなかなか上手くなってきたと思う。

「それじゃ女王とこ言ってくる」
「頑張れよー」
「おう!」

気持ちを引き締めてエドガーと別れ色街へと足を向けた。
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