黄昏一番星

更科二八

文字の大きさ
上 下
196 / 353
1章 呪いの女

195話 おすそわけ

しおりを挟む
「あらタイガくんいらっしゃい待っとったよ」
娼館の女王ことリーシーがベッドの上で男に跨り体を揺らすとデカい胸がばいんばいんと揺れ動く。
そして周りに絡み合った男達が一斉に勢いよく発射し始めた。
リーシーは俺を見るや即本気モードなようだ。

この空間不思議なことにリーシーにしか気がいかず、周りの男達は太い喘ぎ声をあげているがあまり耳に入ってこない。
俺はまたしても速攻でリーシーのことで思考が埋め尽くされているし下腹部がじんじんとしてくる。
とにかく思考を片付けて冷静さを維持する。

「今日は賑やかだな」
「タイガくんこんなの好きやろ。やる気になってくれたかしら」
「全く俺のことよくわかってるな」
「男心なら手に取るようにわかるわ」

全く、つくづく厄介な奴だ。
俺はバッグから今日買った折りたたみの背の低い机を出してベッド近くに設置すると腰を下ろし、さらに今日買った茶器一式を広げて茶の準備をする。
もともと茶でもするかと軽く考えていたのだが、昨日のこともあり案外いい考えだったと改めて考え直ししっかり準備してきたのだ。
ただ耐えるだけの目的も意志もない状態では勝ち目はないので、しっかりと目的を作った訳だ。
俺はリーシーを眺めつつ落ち着いて茶を楽しみ何事もなく帰る。
それが勝利条件だ。
俺がやりたい事を突き通すための勝負を挑む。

「ふふふタイガくんやっぱり面白いわね。ここでお茶する人なんて初めてよ」
「花を愛でて茶を楽しむ、最高だろ」
「お酒じゃないのねー」
「酒は他の楽しいやつと飲む約束でな」
「もう、またうちを見てくれてない」
「そうだな、ここではリーシーしか見えないさ」

リーシーは俺と会話を進めるが流石なことに他の奴ら全員にもきっちり気遣っている。
そいえば今相手されてるのは2本持ちのサメ男のイーサンくんじゃないか。
なかなかデカいし男前な奴である。
これに気が回せるだけあって今日はまだ余裕があるな。

「あら、タイガくんはイーサンくんが気になるのかしら、だめ、うちのだからあげないわ」
リーシーはイーサンくんに噛み付くように口づけをしイーサンは腰が抜けて2本の竿からダバダバと白いのを漏らしている。
男前が台無しである。
よかったねイーサンくん。

そんな光景に胸が熱くなりながら魔法で湯呑みを温めてつつ急須に適当に茶葉を入れ魔法で作った熱湯を注ぐ。
俺の故郷や魔法学園のあった九孫はなかなか趣あるの茶の文化が発達していたがあまり興味なかったので適当にしか知らない。
一応下働きとして茶の淹れ方は覚えさせられたが俺の淹れた茶は不評だった。
文句言う奴は放り投げた。

さてそろそろいいか、時間は測ってないが急須から湯呑みに茶を注ぐ。
あえて高い位置からダバダバと。
茶が注がれると良い香りが立ち登る。
この部屋は甘い香りの香が焚かれているが、それの邪魔にならず香りが引き立つ茶葉を選んで買ってきた。

リーシーはまだ物足りなさそうなイーサンくんの男のシンボルを舐めて綺麗にしている。
その刺激でまた発射してる。
2本の竿から噴き出す様は見応えがある。

「タイガくん1本余ってるわよ、どお?」
「俺にくれないんじゃなかったのか」

ずずずず
茶を啜ると口の中から更に良い香りが鼻に抜け、茶の甘みを感じる。
甘味は次第に苦味へと移り変わるが、その苦味が頭をスッキリとさせてくれる。
うん、なかなかいい茶葉じゃないか。
高かっただけはある。
俺が淹れた茶も悪くないと思う。

茶で思考を紛らわせるがイーサンくんのが心残りである。
俺誰かの舐めたりとかしたっけ、ガキん時に突っ込まれたことはあるな。顎が外れたっけ。
これは女王の誘惑か俺の願望なのかどっちなんだ。

「いい香りね、うちにもちょうだい」
そう言われちゃ仕方がない、もう一つ湯呑みを出して茶を入れてやるとリーシーがこちらに来る。

「ほらよ」
「ふふ、ほんといい香りね」
リーシーは茶を口に含むと俺の膝の上に乗り上げ口づけをして俺の口に茶を注ぎ込む。
頭が沸騰しそうだ。

「ふふ、うちとイーサンくんのおすそわけよ」
全てを俺に注ぎ込んだリーシーからは茶の良い香りがした。
くそー勃っちまった。直接攻撃はまだきつい。
イーサンくんの飲んじまったのか。
複雑だ、いや、しかし嫌な感じがしないのはどうしてだ。
そんなにリーシーの口移しが嬉しかったのか。

ずずずず

湯呑みに残った茶を全て飲み干す。
リーシーも可愛らしい仕草で茶を啜る。

「ふふ、タイガくん頑固ね」

そういうとリーシーはベッドへ戻って行った。
耐えた、耐えたぞ今の攻撃を俺の大蛇は耐え切った。
やれると信じてた。
やっぱりやれるじゃないかおれのちんぽは!
追撃来なくて良かった。

リーシーは俺の目的をしっているから、一度仕切り直す猶予をくれたようだ。
今のうちにしっかりと大蛇を鎮め次に備えねば。
鎮まるか、鎮めてみせる。
勝負はまだまだこれからだ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

復讐はちゃんとしておりますから、安心してお休みください、陛下

七辻ゆゆ
ファンタジー
「フィオネよ、すまな……かった……」 死の床で陛下はわたくしに謝りました。 「陛下、お気が弱くなっておいでなのですね。今更になって、地獄に落とされるのが恐ろしくおなりかしら?」 でも、謝る必要なんてありません。陛下の死をもって復讐は完成するのですから。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

冤罪で追放した男の末路

菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

てめぇの所為だよ

章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。 『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

処理中です...