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1章 呪いの女
185話 手作り魔道具
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「よし、完成!夕方だしここまでか」
制作部門の工房は地下で窓もなく、時計も見当たらないが俺の魔法学園の下働きで鍛えられた体内時計はだいたい5時ごろを指している。
エドガーはぼちぼち風呂に入ってる頃だろう。
いいなー風呂。
旅人の輪のおかげで体は清潔に保たれるがやっぱり入りたい。
ある程度金策できたら俺も解体の仕事しよう。
作業台を片付けて今日作ったものを工房内の検品カウンターへ持っていく。
魔法陣や魔法の術式が刻まれた魔道具類を作った場合はここで検品が必要になる。
もし危険な物を作って、外に持ち出せば魔道具検知の魔法に引っかかって兵士団がきてしまう。
そうならない為にも検品してもらい持ち出し許可を得なければならない。
俺が今日作ったのは、3倍の容量拡張を施したマジックバッグ1つ、カスタマイズした治癒の魔法陣が縫い付けられたデカい布1枚、俺とエドガーの魔力の流れと魂の位置を同期させる魔法陣の描かれた小さな木の板1枚。
同期の魔法陣に時間かかりまくってあまり数を増やせなかったが、量産しようと思ってる2種類は作った。
「これの確認を頼む」
「はいよ」
検品カウンターにいたハーフドワーフと思わしき男に渡すと一つずつに鑑定の魔法をかけて調べ出した。
「マジックバッグはオッケー。品質も問題なし。
この布は・・・まてまて、何だこりゃ?」
ふふふ、驚いてる。
そうだろう、俺もなかなかいい物を作ったと思ってる。
「鑑定してどんなものかは分かったが、一応口頭での説明を頼む」
「ああ、傷の治療用の魔法陣だ、発動は布を羽織れば勝手に魔力を吸い上げて発動する。使用者の魔力量によっては治療時間を伸ばす代わりに魔力消費も抑えるようにしている。
他の者が魔力を流すことでも使用できる。
治療の内容としては、止血、痛みの緩和、傷口の浄化、傷の接着からの治癒。大きな損傷も魔力で正常な状態を再現してから治療するから、かなりの大怪我でも時間かければ治るはずだ」
通常複数の魔法を同時使用なんてかなり魔法に慣れておかないと難しいのだが、魔法陣は複数の魔法を組み合わせられる。通常の治癒魔法では難しい傷も複数の魔法を使えば対処可能になる。
俺がエドガーの治療で行っていた魔法を更にアレンジして魔法陣化したのだ。
ちぎれた手足だって直ぐに治療を始めたらくっつけられるだろう。
これまでの治癒魔法を大きく変えてしまうような物を俺は作ったと思う。
「ぐ・・偶然出来てしまったという訳じゃ無いんだな。
こんなもの王家に献上するレベルのもんだぞ」
「俺はこれをそこそこ作って売るつもりだけどな」
「こんな、術の隠蔽も不完全なやつをか?直ぐ真似されるぞ!」
「真似されてもいいと思ってるからな。これは普及すべきだろ。俺もずっと作り続けるのは嫌だしな」
「欲がねえ奴だなー。まあいい、これはある意味危険だが、効果的には問題なし。持ち出し可能にしてやるよ」
検品カウンターの男は治癒の魔法陣の布を、受付の直ぐ裏に置いてある魔道具に載せると、魔道具が一瞬光った。
これで外でも使用できるようになるようだ。
「最後のこの板は、これまた何だこりゃ?
魔力を同期?」
「まあ鑑定で見たまんまだ、これは俺の魔法の研究用だな、上手く行けば誰でもスキル魔法を習得できるようになるかもしれん」
「ああ!スキル魔法に適性がある奴と同期すればいいのか、調律師要らずな訳か!すげえな!」
「まあな、それが出来るにはまだまだ技術不足だけどな」
俺が作った魔力を同期させる魔道具は魔力の流れを大きく変化させられるものではない。
それに魂の位置を魔法で探すことができなかった。魂を観測できる魔法がまだ無いからだ。
なので氣で観測しながらでないと魂の同期はできなかった。
全部上手く行けばスキル持ちと魔力の流れと魂の位置まで同期させてスキル魔法を習得なんて夢のあることができたのだが、現実はうまくいかなかった。
「お前さんの自身が同期される対象になっているようだし、他に影響もないなら外で使うのも問題ないな、これも持ち出し可だ」
よしよし、これの許可がもらえなかったらここにエドガーを連れてこないと行けなかったからな、手間が省けて良かった。
「いやーとんでもねえ魔道具作る兄ちゃんが来たもんだ。これからも楽しみにしとくぜ」
「ああ、なにか思いついたらな」
検品してもらった道具を返してもらい、今度は数日ぶりのオークション部屋にやってきた。
治癒の魔法陣の描かれた布を出品するとまた驚かれていた。
オークションの出品価格は1000ロングにした。
魔法陣の効果は凄いが、材料の質は全く良くないから高い値段を付ける気にはならなかった。
そのうち消耗品としてポーションの代用みたいになればいと思っているので、1番安い低品質の回復ポーションと同じ値段にしてみた。
回復ポーションは飲むと数時間は体の回復力が非常に高まり傷の治りを早めてくれる物だ。
いくつかの薬草から薬効を抽出した液体に魔法をかけて作られると言われている。
薬師教会という組織が技術を独占しているので安くならない。
そんなポーションの代替品になって欲しいと思いつつも最初はどんな値段になるかも楽しみではある。
真似され出すまではやっぱり儲けたいという想いもあるのだ。
毎日娼館に通うのは結構儲けがあった俺でも中々痛手だ。その費用ぐらいは捻出しておきたい。
オークションの期限はあまり待つのも嫌なので3日に設定した。
さて、どうなるだろうか。
制作部門の工房は地下で窓もなく、時計も見当たらないが俺の魔法学園の下働きで鍛えられた体内時計はだいたい5時ごろを指している。
エドガーはぼちぼち風呂に入ってる頃だろう。
いいなー風呂。
旅人の輪のおかげで体は清潔に保たれるがやっぱり入りたい。
ある程度金策できたら俺も解体の仕事しよう。
作業台を片付けて今日作ったものを工房内の検品カウンターへ持っていく。
魔法陣や魔法の術式が刻まれた魔道具類を作った場合はここで検品が必要になる。
もし危険な物を作って、外に持ち出せば魔道具検知の魔法に引っかかって兵士団がきてしまう。
そうならない為にも検品してもらい持ち出し許可を得なければならない。
俺が今日作ったのは、3倍の容量拡張を施したマジックバッグ1つ、カスタマイズした治癒の魔法陣が縫い付けられたデカい布1枚、俺とエドガーの魔力の流れと魂の位置を同期させる魔法陣の描かれた小さな木の板1枚。
同期の魔法陣に時間かかりまくってあまり数を増やせなかったが、量産しようと思ってる2種類は作った。
「これの確認を頼む」
「はいよ」
検品カウンターにいたハーフドワーフと思わしき男に渡すと一つずつに鑑定の魔法をかけて調べ出した。
「マジックバッグはオッケー。品質も問題なし。
この布は・・・まてまて、何だこりゃ?」
ふふふ、驚いてる。
そうだろう、俺もなかなかいい物を作ったと思ってる。
「鑑定してどんなものかは分かったが、一応口頭での説明を頼む」
「ああ、傷の治療用の魔法陣だ、発動は布を羽織れば勝手に魔力を吸い上げて発動する。使用者の魔力量によっては治療時間を伸ばす代わりに魔力消費も抑えるようにしている。
他の者が魔力を流すことでも使用できる。
治療の内容としては、止血、痛みの緩和、傷口の浄化、傷の接着からの治癒。大きな損傷も魔力で正常な状態を再現してから治療するから、かなりの大怪我でも時間かければ治るはずだ」
通常複数の魔法を同時使用なんてかなり魔法に慣れておかないと難しいのだが、魔法陣は複数の魔法を組み合わせられる。通常の治癒魔法では難しい傷も複数の魔法を使えば対処可能になる。
俺がエドガーの治療で行っていた魔法を更にアレンジして魔法陣化したのだ。
ちぎれた手足だって直ぐに治療を始めたらくっつけられるだろう。
これまでの治癒魔法を大きく変えてしまうような物を俺は作ったと思う。
「ぐ・・偶然出来てしまったという訳じゃ無いんだな。
こんなもの王家に献上するレベルのもんだぞ」
「俺はこれをそこそこ作って売るつもりだけどな」
「こんな、術の隠蔽も不完全なやつをか?直ぐ真似されるぞ!」
「真似されてもいいと思ってるからな。これは普及すべきだろ。俺もずっと作り続けるのは嫌だしな」
「欲がねえ奴だなー。まあいい、これはある意味危険だが、効果的には問題なし。持ち出し可能にしてやるよ」
検品カウンターの男は治癒の魔法陣の布を、受付の直ぐ裏に置いてある魔道具に載せると、魔道具が一瞬光った。
これで外でも使用できるようになるようだ。
「最後のこの板は、これまた何だこりゃ?
魔力を同期?」
「まあ鑑定で見たまんまだ、これは俺の魔法の研究用だな、上手く行けば誰でもスキル魔法を習得できるようになるかもしれん」
「ああ!スキル魔法に適性がある奴と同期すればいいのか、調律師要らずな訳か!すげえな!」
「まあな、それが出来るにはまだまだ技術不足だけどな」
俺が作った魔力を同期させる魔道具は魔力の流れを大きく変化させられるものではない。
それに魂の位置を魔法で探すことができなかった。魂を観測できる魔法がまだ無いからだ。
なので氣で観測しながらでないと魂の同期はできなかった。
全部上手く行けばスキル持ちと魔力の流れと魂の位置まで同期させてスキル魔法を習得なんて夢のあることができたのだが、現実はうまくいかなかった。
「お前さんの自身が同期される対象になっているようだし、他に影響もないなら外で使うのも問題ないな、これも持ち出し可だ」
よしよし、これの許可がもらえなかったらここにエドガーを連れてこないと行けなかったからな、手間が省けて良かった。
「いやーとんでもねえ魔道具作る兄ちゃんが来たもんだ。これからも楽しみにしとくぜ」
「ああ、なにか思いついたらな」
検品してもらった道具を返してもらい、今度は数日ぶりのオークション部屋にやってきた。
治癒の魔法陣の描かれた布を出品するとまた驚かれていた。
オークションの出品価格は1000ロングにした。
魔法陣の効果は凄いが、材料の質は全く良くないから高い値段を付ける気にはならなかった。
そのうち消耗品としてポーションの代用みたいになればいと思っているので、1番安い低品質の回復ポーションと同じ値段にしてみた。
回復ポーションは飲むと数時間は体の回復力が非常に高まり傷の治りを早めてくれる物だ。
いくつかの薬草から薬効を抽出した液体に魔法をかけて作られると言われている。
薬師教会という組織が技術を独占しているので安くならない。
そんなポーションの代替品になって欲しいと思いつつも最初はどんな値段になるかも楽しみではある。
真似され出すまではやっぱり儲けたいという想いもあるのだ。
毎日娼館に通うのは結構儲けがあった俺でも中々痛手だ。その費用ぐらいは捻出しておきたい。
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さて、どうなるだろうか。
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