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1章 呪いの女
143話 昼食
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「そいや昼飯わすれたな」
3匹目のジャイアントフォレストラットにトドメを刺した頃、空腹を感じて思い出した。
「あー俺も何も考えてなかった」
朝食はギルドの食堂で食ってきたのだが昼の事なんて考えてなかった。
解体場にいる時は昼食出してもらえてたから心配もしていなかったが、準備が甘かったな。
俺は旅してきていた間もメシに関しては適当にしがちだったが、1人のときは良くても今はエドガーががいるから考えないといけないな。
「魚の干物と干し肉が少しあるから今日はそれで勘弁してくれ。次からはちゃんと考えよう」
「食えるだけありがたいぜ」
何か森で獲って食うにしても近くには小動物ぐらいしかおらず食い出がない。
捌くとなると手間もかかるしやめておく。
「肉と魚どっちがいい?」
「そんじゃ肉」
エドガーの返事を聞き干し肉の入った袋をバッグから取り出して渡す。
俺が時々つまんでいてもう残り少ない。
俺の分の魚の干物も取り出す。
ギルダナの東にある巨大な湖の近くの漁村で買ったニシンっぽい魚の干物だ。
「それ食えるのか?」
バッグから魚がそのまま出てきてエドガーが疑念の視線を向けてくる。
「保存用にしっかり干されたやつだしな。
それに俺のマジックバッグは強力な時間停滞と腐敗止めの魔法つきの最新モデルだから何ともないはず」
「へー」
エドガーにはいまいち凄さが伝わっていないようで残念。
俺のマジックバッグは肩掛けにしたデカい丸底の巾着バッグだ。
それに10倍の容量拡張と時間停滞、腐敗止めが施されている。
一般的なマジックバッグは3倍から5倍の容量拡張だけで他の機能も無い。
追加機能つきのバッグが開発されたのはつい去年の事で、10倍というのも2、3年前から最上級品として少量だけ作られている。
なんで俺がそんな貴重なマジックバッグを持っているのかというと、マジックバッグの技術革新を起こした本人が九孫の魔法学園のシオンという教授で、俺を散々こき使ってきた礼をしろと脅して無理やり作らせたのだ。
それでもバッチリ俺の持ち金全て差し押さえやがって、魔法学園辞めた後は暫くサバイバル生活を余儀なくされた。
俺の5年間の苦労の結晶がこのマジックバッグという訳だ。
姉ちゃんから託された謎の刀に次ぐ俺の大事な持ち物だ。
「制作部門に登録したし、材料も買ったからエドガーのバッグにも今度容量拡張の魔法かけてやるよ。3倍だけどな」
「まじで!ありがてぇぜ」
なんだかんだ思い至ってから時間が空いてしまってよくないな。
さっさと済ませないと。
そう考えながら炎の魔法で少し炙った魚の干物を骨など気にせず齧っていった。
うまいうまい。
3匹目のジャイアントフォレストラットにトドメを刺した頃、空腹を感じて思い出した。
「あー俺も何も考えてなかった」
朝食はギルドの食堂で食ってきたのだが昼の事なんて考えてなかった。
解体場にいる時は昼食出してもらえてたから心配もしていなかったが、準備が甘かったな。
俺は旅してきていた間もメシに関しては適当にしがちだったが、1人のときは良くても今はエドガーががいるから考えないといけないな。
「魚の干物と干し肉が少しあるから今日はそれで勘弁してくれ。次からはちゃんと考えよう」
「食えるだけありがたいぜ」
何か森で獲って食うにしても近くには小動物ぐらいしかおらず食い出がない。
捌くとなると手間もかかるしやめておく。
「肉と魚どっちがいい?」
「そんじゃ肉」
エドガーの返事を聞き干し肉の入った袋をバッグから取り出して渡す。
俺が時々つまんでいてもう残り少ない。
俺の分の魚の干物も取り出す。
ギルダナの東にある巨大な湖の近くの漁村で買ったニシンっぽい魚の干物だ。
「それ食えるのか?」
バッグから魚がそのまま出てきてエドガーが疑念の視線を向けてくる。
「保存用にしっかり干されたやつだしな。
それに俺のマジックバッグは強力な時間停滞と腐敗止めの魔法つきの最新モデルだから何ともないはず」
「へー」
エドガーにはいまいち凄さが伝わっていないようで残念。
俺のマジックバッグは肩掛けにしたデカい丸底の巾着バッグだ。
それに10倍の容量拡張と時間停滞、腐敗止めが施されている。
一般的なマジックバッグは3倍から5倍の容量拡張だけで他の機能も無い。
追加機能つきのバッグが開発されたのはつい去年の事で、10倍というのも2、3年前から最上級品として少量だけ作られている。
なんで俺がそんな貴重なマジックバッグを持っているのかというと、マジックバッグの技術革新を起こした本人が九孫の魔法学園のシオンという教授で、俺を散々こき使ってきた礼をしろと脅して無理やり作らせたのだ。
それでもバッチリ俺の持ち金全て差し押さえやがって、魔法学園辞めた後は暫くサバイバル生活を余儀なくされた。
俺の5年間の苦労の結晶がこのマジックバッグという訳だ。
姉ちゃんから託された謎の刀に次ぐ俺の大事な持ち物だ。
「制作部門に登録したし、材料も買ったからエドガーのバッグにも今度容量拡張の魔法かけてやるよ。3倍だけどな」
「まじで!ありがてぇぜ」
なんだかんだ思い至ってから時間が空いてしまってよくないな。
さっさと済ませないと。
そう考えながら炎の魔法で少し炙った魚の干物を骨など気にせず齧っていった。
うまいうまい。
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