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1章 呪いの女
117話 罠にかかった者
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ギルドでの用事を終えていつも通りタニロの店で食事をして兵舎に帰った。
解体場で捌かれていたあのデカい魚のことをすっかり忘れていたのに気がついたのはメシ食ってる頃だった。
タニロの店に入ってないか聞いたが、固定メニューしか無いので当然なく、なんでもそこそこ人気があるようなので市場に出てもすぐに売り切れるらしい。
とても悔やまれる。
兵舎に戻ってからはトレイに調べてもらっていた切り裂き魔や、詰め所で罠に掛かって捕まった人物の事を聞いていた。
「切り裂き魔の奴隷印の解術は夕方には終わるだろうって言ってたっす。もう解術されてる頃っすね」
「1日がかりってところか、だいぶ大変なんだな」
「でも詰め所で捕まった方は同じ奴隷印だから早く終わるだろうってことっす」
やはり同じ手のものの差金か。
どんな人物なのやら。
罠にかかったとは言え、詰め所に侵入できる人物を飼っているのだからかなり悪どいことをしていそうだ。
「後から捕まったやつはどんな奴だったんだ?」
「こっちら普人族のスキル持ちって聞いたっすよ。視覚強化と隠密スキル、格闘系のスキルがかなり高レベルって言ってました」
「密偵か暗殺者か、殺しに来たのか助けに来たのかどっちなんだ?」
「眠らせたままなので分かってないっす」
「そうか」
切り裂き魔捕獲は市民には知らされていない情報なのに即仕掛けてしているから切り裂き魔自体が監視されていたのかもしれない。
俺の警戒にかかっていないのでやたら遠くから、かつ視線も感じさせずにと言うことだ。
やはりスキル持ちは油断ならないな。
「スキル対策ってどうすんだか」
「スキル身につけるしかないっすね」
「スキルってたまに聞くけど何だ?」
エドガーが聞いてくる。
俺もエドガーもスキル魔法に適合しないので使えないが、今後傭兵としてやっていくなら必要な知識だから教えておこう。
「個人の能力を引き上げる魔法っすよ。
使える人が少ないっすけど、スキル魔法を覚えられると、個人にあった能力強化や魔法を勝手に授けてくれるっす。
スキルで覚えた魔法は念じるだけで使えるらしいっす」
トレイが代わりにざっくり説明してくれた。
概ね説明通りだ。
「そんな便利な魔法があるんだな!タイガは使えるのか?」
「無理だな、体内の魔力の流れがスキル魔法の企画に適合しないと使えないんだ。ほとんど普人族にしか適合しない」
「そうなのか、残念だな」
ほんとにそうだろう。
使えたらどれほど便利だろうか。
スキル魔法の研究は魔法学院などで多く行われている。
調律の技術なんかも研究から生まれたものだ。
いつか誰でも使えるようになればいいのだが。
それはそれでちょっと物騒かもしれないな。
解体場で捌かれていたあのデカい魚のことをすっかり忘れていたのに気がついたのはメシ食ってる頃だった。
タニロの店に入ってないか聞いたが、固定メニューしか無いので当然なく、なんでもそこそこ人気があるようなので市場に出てもすぐに売り切れるらしい。
とても悔やまれる。
兵舎に戻ってからはトレイに調べてもらっていた切り裂き魔や、詰め所で罠に掛かって捕まった人物の事を聞いていた。
「切り裂き魔の奴隷印の解術は夕方には終わるだろうって言ってたっす。もう解術されてる頃っすね」
「1日がかりってところか、だいぶ大変なんだな」
「でも詰め所で捕まった方は同じ奴隷印だから早く終わるだろうってことっす」
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「密偵か暗殺者か、殺しに来たのか助けに来たのかどっちなんだ?」
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「そうか」
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やはりスキル持ちは油断ならないな。
「スキル対策ってどうすんだか」
「スキル身につけるしかないっすね」
「スキルってたまに聞くけど何だ?」
エドガーが聞いてくる。
俺もエドガーもスキル魔法に適合しないので使えないが、今後傭兵としてやっていくなら必要な知識だから教えておこう。
「個人の能力を引き上げる魔法っすよ。
使える人が少ないっすけど、スキル魔法を覚えられると、個人にあった能力強化や魔法を勝手に授けてくれるっす。
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概ね説明通りだ。
「そんな便利な魔法があるんだな!タイガは使えるのか?」
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「そうなのか、残念だな」
ほんとにそうだろう。
使えたらどれほど便利だろうか。
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いつか誰でも使えるようになればいいのだが。
それはそれでちょっと物騒かもしれないな。
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