黄昏一番星

更科二八

文字の大きさ
上 下
118 / 255
1章 呪いの女

117話 罠にかかった者

しおりを挟む
ギルドでの用事を終えていつも通りタニロの店で食事をして兵舎に帰った。

解体場で捌かれていたあのデカい魚のことをすっかり忘れていたのに気がついたのはメシ食ってる頃だった。
タニロの店に入ってないか聞いたが、固定メニューしか無いので当然なく、なんでもそこそこ人気があるようなので市場に出てもすぐに売り切れるらしい。
とても悔やまれる。

兵舎に戻ってからはトレイに調べてもらっていた切り裂き魔や、詰め所で罠に掛かって捕まった人物の事を聞いていた。
「切り裂き魔の奴隷印の解術は夕方には終わるだろうって言ってたっす。もう解術されてる頃っすね」
「1日がかりってところか、だいぶ大変なんだな」
「でも詰め所で捕まった方は同じ奴隷印だから早く終わるだろうってことっす」

やはり同じ手のものの差金か。
どんな人物なのやら。
罠にかかったとは言え、詰め所に侵入できる人物を飼っているのだからかなり悪どいことをしていそうだ。

「後から捕まったやつはどんな奴だったんだ?」
「こっちら普人族のスキル持ちって聞いたっすよ。視覚強化と隠密スキル、格闘系のスキルがかなり高レベルって言ってました」
「密偵か暗殺者か、殺しに来たのか助けに来たのかどっちなんだ?」
「眠らせたままなので分かってないっす」
「そうか」

切り裂き魔捕獲は市民には知らされていない情報なのに即仕掛けてしているから切り裂き魔自体が監視されていたのかもしれない。
俺の警戒にかかっていないのでやたら遠くから、かつ視線も感じさせずにと言うことだ。
やはりスキル持ちは油断ならないな。

「スキル対策ってどうすんだか」
「スキル身につけるしかないっすね」
「スキルってたまに聞くけど何だ?」
エドガーが聞いてくる。
俺もエドガーもスキル魔法に適合しないので使えないが、今後傭兵としてやっていくなら必要な知識だから教えておこう。

「個人の能力を引き上げる魔法っすよ。
使える人が少ないっすけど、スキル魔法を覚えられると、個人にあった能力強化や魔法を勝手に授けてくれるっす。
スキルで覚えた魔法は念じるだけで使えるらしいっす」
トレイが代わりにざっくり説明してくれた。
概ね説明通りだ。

「そんな便利な魔法があるんだな!タイガは使えるのか?」
「無理だな、体内の魔力の流れがスキル魔法の企画に適合しないと使えないんだ。ほとんど普人族にしか適合しない」
「そうなのか、残念だな」

ほんとにそうだろう。
使えたらどれほど便利だろうか。
スキル魔法の研究は魔法学院などで多く行われている。
調律の技術なんかも研究から生まれたものだ。
いつか誰でも使えるようになればいいのだが。
それはそれでちょっと物騒かもしれないな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話

白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。 世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。 その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。 裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。 だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。 そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!! 感想大歓迎です! ※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。

処理中です...