黄昏一番星

更科二八

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1章 呪いの女

115話 レアリティ

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「お前は星2だろ」
「いや、俺がこの中で一番でかいから星3だね!」
「たいして変わんねーだろ!」

解体の仕事を終えて風呂場に行くと湯船の隅で男数人が比べ合っていた。
微笑ましい光景だ。
昨日エドガーに語ったレアリティの話が広がったようである。
楽しくなってきたぜ。

「タイガ、あれは・・・」
「全員星2だな、星3ってのは俗に言う巨根レベルだ」
「あれでまだ違うんだな」
「星3になれば明らかに質量を感じるんだよ」

俺たちの会話を聞いた男たちの表情が沈む。
別の場所では、なら誰々はレアじゃないかなども小声で聞こえる。
俺も耳はいいし、エドガーも犬だから当然聞き逃さない。

「なんか面白いことになったな」
「だろ、やっぱ風呂は最高だぜ」
「お前らか、変な話流したのは!その話詳しく聞かせろよ。俺も昨日星2って言われたんだが」
「バートは星3に後一歩及ばすってところだ。細かく評価すれば星2.9ぐらいだろう。全然悪くないと思うぞ」
「じろじろ見んじゃねえ!」

バートはこの場所の責任者だ。
ここはしっかり説明してやらないといけない。
俺は再び昨日より丁寧に、他の奴らにも聞こえるように、レアリティの説明をした。
経緯から基準まで細かく。

バートはずっとアホなのか?という表情をしていた。
「はーてめぇの故郷の変な文化持ち込むなよ。もう収拾つかねーぞ」
「楽しくなるからいいじゃないか」
「てめーらはアホみたいにデケェからいいかもしれねーが星2とか1とか判定された奴は悔しいじゃねえか」
「殆どがその辺りなんだ、その中でも良い方とか、誰々には勝てたとかそう楽しめばいい。それにそこ以外で男を上げていけば良いんだからな」

男の象徴であるのだからやはり大きさは大事だが、男はそれが全てではないのだ。
体の逞しさや漢気、そして強さ、それが無ければ真の漢は語れない。

「なよなよしい男にデカいのがぶら下がっててもみっともないだけだ。
逆に漢らしさ漲る逞しいやつに普通のモノが付いていてもそれなりの格好良さがある」

そういう意味ではエドガーはまだまだだ。
もっと漢気を上げていけば、更に持ち物にふさわしくなれるだろう。

「そう言われてみればそうかもな」
「レアリティはただ楽しむだけのもので、大事なのは漢磨きを怠らないことだな」
「いいこと言うじゃねえかよ、ここの奴らが逞しくなりそうだ」

エドガーや周りの男たちは皆一様に決意を秘めた顔をしていた。
漢気溢れる解体場。いいじゃないか。
俺好みだ。
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