111 / 253
1章 呪いの女
110話 薄暗い部屋の男
しおりを挟む
窓から月明かりが差し込む薄暗い部屋の隅に男は座っていた。
そろそろ駒の1人が来る頃合いだろうか。
1人思案に更けていた。
これまでに失敗をすることなど無かった駒が失敗をした。
殺したはずの男がまだ生きていた。
気持ちが焦った。
駒を探る動きがある。
あの方の世界にいていはいけない存在がまだ生きている。
駒の働きは信用していた。
殺したというのならば、確実に致命傷を負わせたはずである。
そうさせる命令だからだ。
生きているはずがない。
でも生きている。
生かした奴がいる。
許せない。
それをしていいのは・・・
男は焦っていた。
だから多少犠牲が増えても仕方がないと駒を再び放った。
コトン
小さな扉が静かに音を立てて開いた。
現れたのは黒いローブに身を包んだ人物。
「・・・」
男は察した。
「ジェシカがしくじったぜ、どうする?」
・・・なぜそうなった。
「誰が」
「あの犬っころの近くにいたオーガだ。
ジェシカが手も足も出なかった。
前の時も犬っころの近くにいたからな。治したものあいつかもな」
何ということだろう。
駒の能力はよく知っている。
たとえ駒の能力を知っていようと、簡単に対処できるようなものではないはずだ。
そう作った。
能力の高い子供を攫い時間をかけて作り上げていた駒だ。
それなのに負けるなんて。
手間をかけたのに何故期待に応えない。
価値がない。
「いりません。明日中にお願いします」
不要と切り捨てたなら早めに処理しなければ。
奴隷印があるうちは猶予がある。
「簡単に言ってくれるぜ。あいつ魔法兵団の詰め所だぜ」
男は沈黙を返す。
「了解主人様」
ローブの人物は入ってきたドアを再び潜り部屋から去った。
残された男は酷く憤る。
いれない、これではいけない。
あの方に尽くさなければならないのに。
それなのに自分のことにしか手が回らない。
そんなこと許されていいはずがない。
男には自由がない。
本当ならば全てを捧げたい。
しかし男の立場がそれを許さず、そしてまだあの方の為には男の立場は必要だ。
歯がゆい。
でも今は耐えるだけだ。
いつかきっと全てを捧げられる時が来る。
それに男は思いを馳せた。
そろそろ駒の1人が来る頃合いだろうか。
1人思案に更けていた。
これまでに失敗をすることなど無かった駒が失敗をした。
殺したはずの男がまだ生きていた。
気持ちが焦った。
駒を探る動きがある。
あの方の世界にいていはいけない存在がまだ生きている。
駒の働きは信用していた。
殺したというのならば、確実に致命傷を負わせたはずである。
そうさせる命令だからだ。
生きているはずがない。
でも生きている。
生かした奴がいる。
許せない。
それをしていいのは・・・
男は焦っていた。
だから多少犠牲が増えても仕方がないと駒を再び放った。
コトン
小さな扉が静かに音を立てて開いた。
現れたのは黒いローブに身を包んだ人物。
「・・・」
男は察した。
「ジェシカがしくじったぜ、どうする?」
・・・なぜそうなった。
「誰が」
「あの犬っころの近くにいたオーガだ。
ジェシカが手も足も出なかった。
前の時も犬っころの近くにいたからな。治したものあいつかもな」
何ということだろう。
駒の能力はよく知っている。
たとえ駒の能力を知っていようと、簡単に対処できるようなものではないはずだ。
そう作った。
能力の高い子供を攫い時間をかけて作り上げていた駒だ。
それなのに負けるなんて。
手間をかけたのに何故期待に応えない。
価値がない。
「いりません。明日中にお願いします」
不要と切り捨てたなら早めに処理しなければ。
奴隷印があるうちは猶予がある。
「簡単に言ってくれるぜ。あいつ魔法兵団の詰め所だぜ」
男は沈黙を返す。
「了解主人様」
ローブの人物は入ってきたドアを再び潜り部屋から去った。
残された男は酷く憤る。
いれない、これではいけない。
あの方に尽くさなければならないのに。
それなのに自分のことにしか手が回らない。
そんなこと許されていいはずがない。
男には自由がない。
本当ならば全てを捧げたい。
しかし男の立場がそれを許さず、そしてまだあの方の為には男の立場は必要だ。
歯がゆい。
でも今は耐えるだけだ。
いつかきっと全てを捧げられる時が来る。
それに男は思いを馳せた。
21
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
連続寸止めで、イキたくて泣かされちゃう女の子のお話
まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
「一日中、イかされちゃうのと、イケないままと、どっちが良い?」
久しぶりの恋人とのお休みに、食事中も映画を見ている時も、ずっと気持ち良くされちゃう女の子のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる