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序章 新天地と仲間との出会い
64話 蘇生
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蘇生魔法は一般的には存在しないとされている物だ。
それがあるとするならばその情報の価値は計り知れない。
誰もが知りたがる事だろう。
俺もあるなら知りたかった。
エドガーもこの事は分かっていたようで重要な事はぼかしてくれていた。
俺が言い淀んでいるとコリンズが続けた。
「ロージーから鬼族だったから治療ができたと報告を受けている。こちらとしては君に何かして欲しいと思ってる訳では無いのだ。
ただもしも蘇生魔法だとしてこのことが他の思わしくない者に先に伝わる事を懸念している。」
それはもっともだと思う。
俺が蘇生魔法を使えると分かれば利用したいと考える者は大勢いるだろう。
そういう者よりも先んじて情報を掴んでいれは上手くコントロールすることもできるだろう。
つまりこれはそういうことだ。
エドガーを殺した奴は確実に死んだと知っている。
エドガーを狙った犯行なので、エドガーが生きていればまた再び狙いに動くだろう。
そしてエドガーを狙う理由のある連中はエドガーが蘇生されたと知れば、蘇生を行った者を探すかもしれない。
その動き読み、主犯を探したいという事だろう。
それは俺にもエドガーにも好ましい状況だと思う。
「ロージーに言った通りだがエドガーの治療は鬼族としての能力が不可欠だった。
そして俺が治療に使った魔法一つひとつは蘇生魔法ではない。
だがそれで蘇生に至る条件は見つかった。
だからエドガーは生き返ったんだ。」
「そうか、分かった。協力に感謝する。タイガ殿もくれぐれも気をつけてくれ。」
「ああ、油断はしない。」
「タイガは強いからな、魔族倒したし。」
ここでエドガーがいらん事を言う。
「そうか、タイガ殿の事だったのか。オーガ族と聞いていたので別かと思っていた。ちなみにそれもどうやったか聞いても?」
「暗殺。」
やってる事は色々極まってると思うが、ざっくり言うとそれに尽きる。
「そうか、兵士を暗殺者にするわけにはいかないな・・」
何事もバランスがあるのだ。
魔族殺せる暗殺者だらけの街はめちゃくちゃ安心だろうが力は悪用されてしまうものだ。
暗殺部隊を作るというのも物騒な話だ。
結果余計な争いを生むことにもつながる。
故郷の忍とか言う連中も苦労人だらけだった。
「聴きたかった事は以上だ。私はこれで失礼させてもらうよ。
君たちは宿舎に向かう準備をしていてくれ。」
そう言ってコリンズは去っていった。
俺たちは言われた通り兵舎に移動する為の支度を始めよう。
コリンズは先程の会話を反芻していた。
すごい事を聞いた、詳しい方法までは話してくれなかったが、これまで長く研究されてきた蘇生魔法を実現できたということは、とんでもない偉業だ。
かの聖女でさえ死者の蘇生は行えない。
この事が知れるとタイガ殿はあらゆる国から欲しがられる存在となり得る。
きっと争いの火種になる。
この情報だけは漏れることが無いようにしなくてはいけない。
噂になっても広がらないように注意が必要だ。
そして、これまで掴み得なかった事件の手がかりも聞けた。
被害者が誰1人として生きておらず、有力な目撃情報も得られていない事件。
認識阻害の魔法を使われていたのならば、手がかりが出てこなくて当然だろう。
そして無差別ではなく、狙っての犯行と分かった事も大きい。
大きいと言えば、思考の中に度々入る雑念。
タイガという男は気を利かせていたようでできてないようで、男には誰しも察しがつく毛布の膨らみ。
側から見るとあんなに存在感のあるものなのだろうか、はたまたそれだけのものがそこにはあったと言う事なのだろうか。
しばらくその雑念はコリンズの邪魔をした。
それがあるとするならばその情報の価値は計り知れない。
誰もが知りたがる事だろう。
俺もあるなら知りたかった。
エドガーもこの事は分かっていたようで重要な事はぼかしてくれていた。
俺が言い淀んでいるとコリンズが続けた。
「ロージーから鬼族だったから治療ができたと報告を受けている。こちらとしては君に何かして欲しいと思ってる訳では無いのだ。
ただもしも蘇生魔法だとしてこのことが他の思わしくない者に先に伝わる事を懸念している。」
それはもっともだと思う。
俺が蘇生魔法を使えると分かれば利用したいと考える者は大勢いるだろう。
そういう者よりも先んじて情報を掴んでいれは上手くコントロールすることもできるだろう。
つまりこれはそういうことだ。
エドガーを殺した奴は確実に死んだと知っている。
エドガーを狙った犯行なので、エドガーが生きていればまた再び狙いに動くだろう。
そしてエドガーを狙う理由のある連中はエドガーが蘇生されたと知れば、蘇生を行った者を探すかもしれない。
その動き読み、主犯を探したいという事だろう。
それは俺にもエドガーにも好ましい状況だと思う。
「ロージーに言った通りだがエドガーの治療は鬼族としての能力が不可欠だった。
そして俺が治療に使った魔法一つひとつは蘇生魔法ではない。
だがそれで蘇生に至る条件は見つかった。
だからエドガーは生き返ったんだ。」
「そうか、分かった。協力に感謝する。タイガ殿もくれぐれも気をつけてくれ。」
「ああ、油断はしない。」
「タイガは強いからな、魔族倒したし。」
ここでエドガーがいらん事を言う。
「そうか、タイガ殿の事だったのか。オーガ族と聞いていたので別かと思っていた。ちなみにそれもどうやったか聞いても?」
「暗殺。」
やってる事は色々極まってると思うが、ざっくり言うとそれに尽きる。
「そうか、兵士を暗殺者にするわけにはいかないな・・」
何事もバランスがあるのだ。
魔族殺せる暗殺者だらけの街はめちゃくちゃ安心だろうが力は悪用されてしまうものだ。
暗殺部隊を作るというのも物騒な話だ。
結果余計な争いを生むことにもつながる。
故郷の忍とか言う連中も苦労人だらけだった。
「聴きたかった事は以上だ。私はこれで失礼させてもらうよ。
君たちは宿舎に向かう準備をしていてくれ。」
そう言ってコリンズは去っていった。
俺たちは言われた通り兵舎に移動する為の支度を始めよう。
コリンズは先程の会話を反芻していた。
すごい事を聞いた、詳しい方法までは話してくれなかったが、これまで長く研究されてきた蘇生魔法を実現できたということは、とんでもない偉業だ。
かの聖女でさえ死者の蘇生は行えない。
この事が知れるとタイガ殿はあらゆる国から欲しがられる存在となり得る。
きっと争いの火種になる。
この情報だけは漏れることが無いようにしなくてはいけない。
噂になっても広がらないように注意が必要だ。
そして、これまで掴み得なかった事件の手がかりも聞けた。
被害者が誰1人として生きておらず、有力な目撃情報も得られていない事件。
認識阻害の魔法を使われていたのならば、手がかりが出てこなくて当然だろう。
そして無差別ではなく、狙っての犯行と分かった事も大きい。
大きいと言えば、思考の中に度々入る雑念。
タイガという男は気を利かせていたようでできてないようで、男には誰しも察しがつく毛布の膨らみ。
側から見るとあんなに存在感のあるものなのだろうか、はたまたそれだけのものがそこにはあったと言う事なのだろうか。
しばらくその雑念はコリンズの邪魔をした。
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