黄昏一番星

序章 新天地と仲間との出会い

41話 観察

・・・
30秒
変化はない、再び状態維持の魔法の準備をしながら観察する。

自分の魔力が染み込んだエドガーの体内の血の流れが感じられない。
心臓も動いていない、呼吸もない。
すぐにエドガーの体に状態維持の魔法を施す。
脳にも時間停止をかける。

考える。
体は直しても身体機能が戻らない。
それならば再現しよう。
とりあえず思いつくのは心臓の動き、そして呼吸。
しかし再現とはいえどうしたものか。

心臓や肺がどう動いているのかなど知らない。
「いや、俺自身を参考にすればいいのか。」
集中するため目を閉じる。

まずは心臓に意識を向ける、氣が心臓へ流れるのを感じる、そのまま心臓の動きを観察する。
一定のリズムで動く心臓の中で動く流れを感じる。
これは血液だろう。
とても早く力強い。

全身の血の流れを意識して体に氣を流す。
体が急に熱く力が込み上げてくる感覚を覚える。
これは、いつもしている氣の身体強化よりも感覚が強い。
良い方法を見つけたな。

意識を戻す。
氣を使って全身の血の流れを観察してみる。
これ再現するのはかなりしんどいぞ・・
そして肺に意識を向ける
呼吸と共に伸縮する肺の動きを観察する。
そして肺の中の血の流れを読む。
「･･･うん」
とりあえず観察は続けつつやってみるか。