黄昏一番星

序章 新天地と仲間との出会い

25話 朝の日課

エドガーが去った部屋で、俺は夜に堪能できなかったまだ微かにエドガーの体温の残るベッドに仰向けになり、今日の予定を思案する。

夕飯の予定は確保した。
エドガーに色々飯屋を教えてもらっていい場所を知りたい腹づもりだ。

住居探しはしたい。
宿暮らしも楽しくはあるがやはり家があると落ち着くだろう。
後はギルドの依頼を見るのもいいだろう。
街歩きもしたい。
「よし」
かけ声ひとつ気持ちを切り替える。
立ち上がるとすっと息を吸い込みゆっくりと吐き出す。

まずは出かける前に朝の日課だ。
他の日課が疎かになっていると邪念がよぎるが吹き飛ばす。

一瞬で集中し、全身の意識を研ぎ澄ます。
氣を体に染み込ませて、より力強さを持たせるように意識していく。
体の奥から力が湧き上がり全身が温まるのを感じる。
体の外に意識を向けて氣が体から溢れ包み込むように操る。
そして絶対に傷つかない揺るぎない意志を込める。
体に纏う氣は鋼のように硬くそれでいて液体の様に流れる。
次に体の魔力に意識を向ける。
体の隅々の魔力の流れを確認し滞っている箇所は魔力操作で整える。
最後はずっと遠くを意識する。
自分の存在がずっとずつ大きく広がるように意識して氣を広げていく。
そして中で起こる氣の流れをゆっくりと丁寧に読み取っていく。
人の動き、意識の動き、魔力の動き大量の情報を整理する。

「ふう」
短く息を吐き集中を解く。
今日も調子は悪くない。
体も動かしたいが部屋が狭いのでやめておく。
さて、行くか。