黄昏一番星

更科二八

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序章 新天地と仲間との出会い

16話 S

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「S」
魔道具に現れた文字を見て俺は嬉しくなる。
Sってギルドのランクと同じならば1番凄いって事だ。
「おおー!」
嬉しくてつい声が漏れてしまった。
俺って結構凄いみたいだ、うれしい。

受付の女性も凄いびっくりしている様子。
「えっえっ・・・エス~~!!?」
驚きのあまり声を上げてしまった。
それに合わせて周りもざわざわし始める。
ふふん、どうだ凄かろう。
俺はにやけ顔を表に出さず済ました表情を作る。

「ちょっ、タイガさん、ちょっとお待ちくださいね!」
そう言って受付の女性は3度席を立ってカウンターの奥の部屋へと引っ込んでいった。

「おう!おっさんSランクなのか?傭兵か?」
「ああ、能力測定でSだった。」
「そっか、すげえな!」
「おっさん強えーんだな!」
「どうやって鍛えたんだ!」
「オーガのフィジカルか?ズリィ!」
「俺とパーティ組め!」
周りがガヤガヤ喧しくなる。
俺がカウンター1つ塞いでいたので後ろに結構人が並んでいた。

「おっさんこっちは待ってんだから早く退けよー!」
「おせーぞオーガ!」
「おい、オーガ!俺と勝負しろ!」
ほんとやかましいな、どうしたもんか。

「騒がしいよあんたたち!静かにしな!!」
急によく通る自信に満ちた大声がカウンターの中から聞こえた。
周りの奴らも黙る。
「げぇっ!ジャッキー!」
「おっかねえ。」
「今日も良い乳してんな。」
「挟まれてえ。」
「すりおろされるぞ!」
「息子が元気になっちまう。」
「だれかあの格好やめさせろ。」
「俺は無理だ。」
黙ってない。
小声で大声を発した女のことを口々に言っている。

声を発した女を見る。
身長が高く2メートルはありそうだ。
朱色の肌に額には角、髪は黒色で後ろでまとめている。整った輪郭に少し吊り上がった切長の目、厚い唇のしたにはほくろ、広い肩幅にぴっちりとしたワイシャツ、はち切れんばかりの胸、すっと引き締まったくびれから続くメリハリの効き過ぎた腰回りにこれまたぴっちりとしたタイトスカート。

「狙ってやってんのか?」
「何がだい?」
現れたのはとんでもなくダイナマイトな美人オーガ族の女性だった。
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