黄昏一番星

更科二八

文字の大きさ
上 下
13 / 355
序章 新天地と仲間との出会い

12話 出会い

しおりを挟む
南大通りにあるというギルドを目指して歩く。
東大通りを進むと、串焼き屋に聞いた通り南に続きそうな道が現れたので曲がって進むもほんとに合ってるのか気になってくる。

こういうのはさっさと人に聞くに限る。
辺りをさっと見渡すと同じ方向に歩くかなり身長の高い青年が目につく。
2メートルよりは少し低いか、体付きはかなりがっしりとしているように見える。
傭兵だろうか。
シャツに前を開けた薄いベスト、ゆったりしたズボン、肩掛けの大きめなバッグを背負っている。
かなりガタイがいい割にそんなに威圧感はなく人が良さそうだ。
俺の姿に警戒しているその辺のやつよりよっぽど話しかけやすそうだ。

「なあ、ちょっと道を聞きたいんだがいいか?」
話しかけると青年は少し驚いた顔をする
「お!ああ!いいぜ!道には詳しいからな!」
笑顔で気のいい返事をしてくれたので好感が持てる。

「助かる。ギルドの本店とやらに行きたいのだが、街に着いたばかりで場所を知らないんだ。」
「ギルドかー!それなら俺もちょうど向かってるところだから一緒に行くか?すぐだぜ!」
「そうなのか、じゃあそうさせてくれ。」
これは渡りに船というやつだ、ついてるな。
青年案内で一緒にギルドへ向かって歩みを進めた。

「なんかデカいのがキョロキョロしてるなーと思ってたけど、まさか話しかけられるとは思ってなかったぜ、オーガ族?珍しいよな。」
「いや、似てるが鬼族なんだ、この国ではどっちも珍しいようだな。」
「そうなのか、初めて会ったぜ!
初めてギルドに行くなら登録か?
強そうだし傭兵?」
「そこのところもよくわかっていないのだが傭兵仕事ならできそうだな。君も傭兵なのか?」
「俺?俺は違うよ、剣も握った事ないし魔法だってからっきしだ。」
「そうなのか、ずいぶん体つきが良さそうだから最初そう思ったのだがな。」
「傭兵とか兵士連中にももったいねえって言われるよ、体はずっと荷運びや配達やってるからだな、今もギルドに手紙の配達中さ。」
「そうだったんだな。」

傭兵の言うこともわかる。
これだけ身体ができていれば剣の基本的な動きを練習するだけでもそれなりになるだろう。
それに青年から感じる魔力もかなり濃い。
それはもうその辺の奴らとは比べようもないぐらいに。
魔法学園でもこれ程の奴はそうはいない、それぐらい魔力が高い。
ほんとかなりいい素材だ。

「配達の仕事をしているなら街のことにも詳しいか?」
「そうだなー、それなりに色々わかると思うぜ。街中に配達してるし。」
「なら時間がある時でいいので色々教えてくれないか?これから暮らしていこうと思っているから街のことが知りたいんだ。」
「俺が教えられることならいいぜ!
早い方がいいならこの後でも大丈夫だ。
手紙をギルドにに届けたら今日の仕事終わりだからな。」
「そうか、助かるよ。それなら礼に今晩奢らせてくれ、その時に話をしよう。」
「おお!マジ!美味くて安い店知ってるから案内するぜ!」
最初からいい奴を見つけられたもんだ、凄く感じも良いし、街中に配達しているのなら本当に色々知っていそうだし、繋がりも多そうだ。
是非仲良くなっておきたいな。

そうこう会話をしつつ歩いていたら視界の中で目立っていた大きな建物の前に行き着いた。
「ここがギルドの本店だ!」
見ればすぐわかると言われたがほんとにそうだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...