黄昏一番星

更科二八

文字の大きさ
上 下
10 / 255
序章 新天地と仲間との出会い

9話 荷物検査

しおりを挟む
「最後は荷物検査だ。
荷物をここに出してくれ」
言われて肩掛けのカバンを机の上に置き中身を取り出していく。

「マジックバッグか?容量は?」
「10倍だな」
「10倍!すげえな!高級モデルじゃねえか!魔石使うタイプ?」
「いや、必要ない。知り合いに魔方陣の専門家がいてな、作ってもらった。」
「マジかよ!レアもんだな!取られないよう気をつけな。」
バッグを見せると明らかにテンションあがったな、魔道具マニアなんだろうか。
そうじゃなくても俺のマジックバッグを褒めてもらえるのは嬉しい。
このバッグは俺の5年間の努力の結晶だ。

何が出てくるのか楽しみそうに見ている受付の男に見られつつ中身を出して並べていく。

数枚の肌着、部屋着1組、ローブ1着、角傘、手袋、手拭い数枚、毛布1枚、筵1枚、ロープ5m1本、石鹸2個、鋏1本、裁縫箱、ナイフ2本、鉈1本、太刀一振り、砥石2個、小型の弓1本、矢3本、火打ち石、塩、砂糖、香辛料、乾燥ハーブ、魚介の干物多数、大麦、クルト、干し肉、茶葉、乾燥麹、魔力ポーション2本、解毒ポーション2本、虫除けの薬草の束、木の平皿1枚、木の深皿1枚、木のコップ1個、スプーン1本、フォーク1本、箸1膳、まな板1枚、小鍋2つ、水筒、灯りの魔道具、食用植物図鑑、賢者の証明書、財布、以上!

「これだけか?意外と少ないしまともだな。」
「あいにくここまでは物を増やさないようにしていたからな。」
「旅には邪魔になるだけだもんな、珍しいものといえば火打石とこの剣みたいなの?それとこの証明書だな。」
受付の男はそう言って手に取って観察している。
「たまには魔力を使わずに火を起こしてみるのも面白いのさ、剣みたいなのは太刀っていうんだ、俺の国の武器なのだが、これは何故か鞘から抜けないんだ。」
「抜けない?」
そう疑問を口にしながら受付の男は刀を手に取り鞘から抜こうと引っ張っているが、全く抜ける気配もなく受付の男は首を捻っている。
「壊そうとしても傷一つつかないからな、諦めた方がいいぞ。」
「それはそれですごくないか?」
そうなのだ、この剣ほんとになにをどうやっても傷の一つもつかない。
なので俺は鈍器として使っている。
おれの膂力に耐える武器がなかなかないので便利だ。
元々俺が死にかけてた時に姉ちゃんから助けられた際に託されたもので、大切なものなのだろうが詳細はよく知らない。

「あとこの賢者の証明書は俺が前にいた魔法学院を出るときに記念に取ったやつだな。」
「賢者ってなんか凄そうだけどどれほど凄いんだ?」
「魔法が人よりたくさん使えるってだけだ、まあ1番下の階級だけどな。」
「魔法なんて普通に生活してて使い所なんてないだろ、あんま凄そうじゃねえな。」
「そんな事ないぞ、掃除や洗濯なんか一瞬だ。」
「んーそうか、そんな使い道もあるのか。」
受付の男にはあまり刺さってない様子だな。
普段家事をしないのだろうか。
俺は家政魔法は使い倒してるんだけどな。

「とりあえず荷物も特に問題ないだろう。
検査は異常なし!街へ入ってかまわないぞ。」
「手間をかけたな。」
荷物を片付けると。許可証の建物を後にした。
さあ!いよいよギルダナの街だ!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話

白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。 世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。 その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。 裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。 だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。 そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!! 感想大歓迎です! ※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。

処理中です...