53 / 119
第2章 光と「ウール村」
51話 鳥の味
しおりを挟む
村に戻るともう夕暮れも近かった。
一旦、馬車を倉庫に入れて、ルージュとアマリージョと共に村長の家に報告に行く。
ヒカリは、明日まで動かさないでくれ、と言うので馬車の中に置いてきた。
何をしているのかさっぱり見当もつかなかったが、何かに熱中していることは間違いなかったので、そっとしておくことにした。
「村長! ただいま~!」
バタン! という激しい音と共に、村長の家のドアが開けられる。
「わっ!! 驚かすな、ルージュ!」
村長が一人驚いたように言う。
奥さんと息子のジョセフは、いつものことだと言わんばかりに全く気にも留めていないようだった。
「ただいま戻りましたので、ご報告に伺いました」
俺が少しかしこまって言うと、
「いやいや、そんな丁寧にせんでいい。それよりも、せっかく来たんだ、婆さんも呼んでみんなで晩飯でも食っていくか?」
「あ、いや、そんな、突然じゃご迷惑で・・・」
「あら! 村長、太っ腹ね。あ、そうだ、今朝獲ったゲフ肉があるから、みんなで食べましょうよ」
「何!? ゲフー鳥を捕まえたのか。朝鳴き声が聞こえたから、みんなで探してたんだぞ。ルージュが捕まえていたのか!」
村長が驚きと興奮が入り交じったような、大声で言った。
「うふふふふふふ・・・しかもメス。1メートル超えの大物よ!」
「すごーい! ルージュ姉ちゃん!! さすが僕の先生だ!!」
ジョセフが目をキラキラさせながら、ルージュの周りをまとわりついている。
――ん? 何か今、聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がしたが・・・まあ、気のせいだろうな。
「クロードさん、今さら帰りませんよね。せっかくですし、ゲフー鳥、一緒に食べていきましょう!」
少し躊躇していると、アマリージョも食事を勧めてきた。
「うん・・・仕方ないか。村長さん、お言葉に甘えてご飯頂いていきます」
「お、そうか。ならば今日はゲフー鳥づくしだ。誰か婆さんを呼んできてくれ」
♣
そして、宴会が始まった。
この村は、水が不足して大変だと聞いた。
だが、いつも明るく楽しそうで気のいい人たちばかりだ。
村長にいたっては、メインのゲフー鳥が出てくるのを今か今かと待ちわびて、お酒をがぶ飲みしていたが、完全に出来上がってしまったようで、
「ゲフー鳥は誰にもやらん! 儂のものだー!!」と、窓から叫んでいた。
気がつくと、部屋にいる人数が増えていた。
案の定、近所の人が集まってきたようだった。
何か用事を作っては村長の家を尋ねて来てはいたが、全員、ゲフー鳥が目当てのようだった。
まあ、村長があれだけ大声で窓から叫んだのだから、当然と言えば当然だが・・・
「はい。スープとお肉が焼けたので、こちらは、みんなで分けてくださいね」
村長の奥さんがゲフー鳥のスープとオーブンで焼いた肉をテーブルに並べてくれた。
「ありがとうございます」
アマリージョが俺とルージュとジョセフの4人分を取り分ける。
奥さんは、テーブルにつかず、集まった村人たちに、大きめに切った肉を金串に刺して焼いた、言わば焼き鳥のようなものを振る舞っていた。
村長は、窓の所で大きないびきをかきながら寝てしまっていた。
――あんなに食べるのを楽しみにしていたのに・・・
村長に少し申し訳ない気持ちを抱きながら
まずはスープを一口。
「!! 何これ!? うめええぇーー!」
「でしょ!! この濃厚なのに上品な感じの奥深いスープがたまらないのよね! 肉は柔らかくて、油がのっているのに、ほのかに感じる柑橘系の風味がさわやかなのよね! 」
自慢げにルージュが説明してくれた。
「うん。確かに・・・なんだろこれ。レモンみたいな、オレンジみたいな爽やかな感じがする」
「焼いた肉を食べるともっとよく分かりますよ」
アマリージョがそう言って、焼いた肉を勧めてくれた。
「おぉぉ本当だ。焼くとさらに肉って感じがして美味しいね。油が凄く甘いし、それに柑橘系の風味をさっきよりも強く感じるかも・・・」
「この時期のゲフー鳥はまるまる太っていて美味しいだけでなく、柑橘系の木の実を好んで食べる習性があるので、肉が爽やかに香るんです。焼くと風味が引き立つのでよく分かりますよね」
アマリージョが、ジョセフの分の肉を細かく切りながら説明してくれた。
「ありがとう、アマリ姉ちゃん」
ジョセフがアマリージョにお礼を言って食べ始めた。
「アマリージョさん、ありがとう。ジョセフも良かったわね。それと・・・クロードさん、無事に引っ越しは終わりましたか?」
村人に焼き鳥を、配り終えた奥さんが、ジョセフの隣に座る。
「はい。おかげさまで荷物は全部運んでくることが出来ました。村長さんには、馬車まで貸して頂いて本当に助かりました、ありがとうございます」
「そう、それは良かったですわ」
奥さんは、ゆっくりと優しく微笑む。
「それでね、フェリスさん。クロードがついでに私たちも好きなものを持って帰っていいって言ってくれたから、いろいろ持ってきたの。もちろんジョセフにも、お土産も持ってきたわ」
ルージュがジョセフに顔を近づけて言うと、ジョセフが嬉しそうに、あれこれ質問していた。
ルージュは内緒の一点張りで、明日片付けたら、持ってくると約束し、優しく彼の頭を撫でた。
一体何を持ってきたのだろうか。
マンションにも子供はいたから、おもちゃもあったとは思うけど。
その後、ジョセフを中心に色々な話をした。
やはり子供は可愛いものだ。
さきほど気になっていたルージュを「先生」と呼んでいたことについては、時々遊び相手をするときに、剣術を教えているからだった。
剣術といっても、ルージュのは、ほとんど自己流らしく先生と呼ばれるのを嫌がっていた。
気づけば夜もだいぶ更けていたので、村長の奥さんに食事のお礼を言い、3人で家路につく。
「ねぇクロード。あなたまだ引っ越しも終わってないし、ベッドも持ってこなかったのよね?」
ルージュが唐突に聞いてきた。
「あぁ、使っていたベッドはかなり古かったし、ブルーノさんと所にあったベッドのほうが、質が良かったからね」
久々のお酒のせいなのか、楽しい時間をすごしたせいなのか、足取りがふわふわしていた。
「そういうことなら・・・うちでもう一泊していきなさいよ。帰っても寝る場所が無いんだし。それで明日の朝一でブルーノの所へ行って、一緒に買い物しましょう!」
ルージュは俺の答えも聞かずに決定事項のように言った。しかも何か楽しそうだ。
「別に買い物くらい一人でも大丈夫だけど」
なんとなく反抗してみる。
「ほら、ゴブリンの魔石。これを売っていろいろ買いたいの。それに、クロードは割引してもらえるって話だったでしょ! 一緒に行けば安くなるかもしれないわ」
「ああ、俺じゃなくて金か・・・まあ、いいよ。じゃあ今日泊めてくれるならそのお礼ってことで。それから、その魔石も俺が売ることにして、買い物もまとめて俺がするよ、そうすれば割引は大丈夫だと思うし」
「やった! ありがとう、クロード。これでやっとちゃんとした剣とかが手に入りそうね」
ルージュがうれしそうに、アマリージョを見た。
「良かったですね、姉さん」
アマリージョも自分のことのようにうれしそうだった。
「あなたのもよ、アマリ」
「私も?」
アマリージョが驚いた顔をして言う。
「とりあえず剣と杖。どちらかでも必要でしょ」
「でも、足りるかしら・・・」
「その辺はなんとかなるわよ。こっちには割引券がいるからね」
ルージュはこちらを見ていたずらっ子のように笑う。
「割引券って・・・まあいいよ。それと明日、馬車から荷物運ぶの手伝ってもらうからね」
「はい」「わかってるわよ」
二人が答えた。
――ヒカリ、そういう事になんだけど、今から迎えに行っていい?
『――事情はわかりました。ですが今、馬車の中を離れる訳にはいきませんので、明日、午前中にブルーノさんの店に行き、全ての買い物を済ませてから戻ってきて頂けると助かります。家のほうに何かあれば、すぐに知らせます』
――そうなの? 別にいいけど・・・でも、危ないこととかしないでよ
『はい。こちらは万事、問題ありませんので。ではまた明日に』
――わかった。 じゃおやすみ。ヒカリ
一旦、馬車を倉庫に入れて、ルージュとアマリージョと共に村長の家に報告に行く。
ヒカリは、明日まで動かさないでくれ、と言うので馬車の中に置いてきた。
何をしているのかさっぱり見当もつかなかったが、何かに熱中していることは間違いなかったので、そっとしておくことにした。
「村長! ただいま~!」
バタン! という激しい音と共に、村長の家のドアが開けられる。
「わっ!! 驚かすな、ルージュ!」
村長が一人驚いたように言う。
奥さんと息子のジョセフは、いつものことだと言わんばかりに全く気にも留めていないようだった。
「ただいま戻りましたので、ご報告に伺いました」
俺が少しかしこまって言うと、
「いやいや、そんな丁寧にせんでいい。それよりも、せっかく来たんだ、婆さんも呼んでみんなで晩飯でも食っていくか?」
「あ、いや、そんな、突然じゃご迷惑で・・・」
「あら! 村長、太っ腹ね。あ、そうだ、今朝獲ったゲフ肉があるから、みんなで食べましょうよ」
「何!? ゲフー鳥を捕まえたのか。朝鳴き声が聞こえたから、みんなで探してたんだぞ。ルージュが捕まえていたのか!」
村長が驚きと興奮が入り交じったような、大声で言った。
「うふふふふふふ・・・しかもメス。1メートル超えの大物よ!」
「すごーい! ルージュ姉ちゃん!! さすが僕の先生だ!!」
ジョセフが目をキラキラさせながら、ルージュの周りをまとわりついている。
――ん? 何か今、聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がしたが・・・まあ、気のせいだろうな。
「クロードさん、今さら帰りませんよね。せっかくですし、ゲフー鳥、一緒に食べていきましょう!」
少し躊躇していると、アマリージョも食事を勧めてきた。
「うん・・・仕方ないか。村長さん、お言葉に甘えてご飯頂いていきます」
「お、そうか。ならば今日はゲフー鳥づくしだ。誰か婆さんを呼んできてくれ」
♣
そして、宴会が始まった。
この村は、水が不足して大変だと聞いた。
だが、いつも明るく楽しそうで気のいい人たちばかりだ。
村長にいたっては、メインのゲフー鳥が出てくるのを今か今かと待ちわびて、お酒をがぶ飲みしていたが、完全に出来上がってしまったようで、
「ゲフー鳥は誰にもやらん! 儂のものだー!!」と、窓から叫んでいた。
気がつくと、部屋にいる人数が増えていた。
案の定、近所の人が集まってきたようだった。
何か用事を作っては村長の家を尋ねて来てはいたが、全員、ゲフー鳥が目当てのようだった。
まあ、村長があれだけ大声で窓から叫んだのだから、当然と言えば当然だが・・・
「はい。スープとお肉が焼けたので、こちらは、みんなで分けてくださいね」
村長の奥さんがゲフー鳥のスープとオーブンで焼いた肉をテーブルに並べてくれた。
「ありがとうございます」
アマリージョが俺とルージュとジョセフの4人分を取り分ける。
奥さんは、テーブルにつかず、集まった村人たちに、大きめに切った肉を金串に刺して焼いた、言わば焼き鳥のようなものを振る舞っていた。
村長は、窓の所で大きないびきをかきながら寝てしまっていた。
――あんなに食べるのを楽しみにしていたのに・・・
村長に少し申し訳ない気持ちを抱きながら
まずはスープを一口。
「!! 何これ!? うめええぇーー!」
「でしょ!! この濃厚なのに上品な感じの奥深いスープがたまらないのよね! 肉は柔らかくて、油がのっているのに、ほのかに感じる柑橘系の風味がさわやかなのよね! 」
自慢げにルージュが説明してくれた。
「うん。確かに・・・なんだろこれ。レモンみたいな、オレンジみたいな爽やかな感じがする」
「焼いた肉を食べるともっとよく分かりますよ」
アマリージョがそう言って、焼いた肉を勧めてくれた。
「おぉぉ本当だ。焼くとさらに肉って感じがして美味しいね。油が凄く甘いし、それに柑橘系の風味をさっきよりも強く感じるかも・・・」
「この時期のゲフー鳥はまるまる太っていて美味しいだけでなく、柑橘系の木の実を好んで食べる習性があるので、肉が爽やかに香るんです。焼くと風味が引き立つのでよく分かりますよね」
アマリージョが、ジョセフの分の肉を細かく切りながら説明してくれた。
「ありがとう、アマリ姉ちゃん」
ジョセフがアマリージョにお礼を言って食べ始めた。
「アマリージョさん、ありがとう。ジョセフも良かったわね。それと・・・クロードさん、無事に引っ越しは終わりましたか?」
村人に焼き鳥を、配り終えた奥さんが、ジョセフの隣に座る。
「はい。おかげさまで荷物は全部運んでくることが出来ました。村長さんには、馬車まで貸して頂いて本当に助かりました、ありがとうございます」
「そう、それは良かったですわ」
奥さんは、ゆっくりと優しく微笑む。
「それでね、フェリスさん。クロードがついでに私たちも好きなものを持って帰っていいって言ってくれたから、いろいろ持ってきたの。もちろんジョセフにも、お土産も持ってきたわ」
ルージュがジョセフに顔を近づけて言うと、ジョセフが嬉しそうに、あれこれ質問していた。
ルージュは内緒の一点張りで、明日片付けたら、持ってくると約束し、優しく彼の頭を撫でた。
一体何を持ってきたのだろうか。
マンションにも子供はいたから、おもちゃもあったとは思うけど。
その後、ジョセフを中心に色々な話をした。
やはり子供は可愛いものだ。
さきほど気になっていたルージュを「先生」と呼んでいたことについては、時々遊び相手をするときに、剣術を教えているからだった。
剣術といっても、ルージュのは、ほとんど自己流らしく先生と呼ばれるのを嫌がっていた。
気づけば夜もだいぶ更けていたので、村長の奥さんに食事のお礼を言い、3人で家路につく。
「ねぇクロード。あなたまだ引っ越しも終わってないし、ベッドも持ってこなかったのよね?」
ルージュが唐突に聞いてきた。
「あぁ、使っていたベッドはかなり古かったし、ブルーノさんと所にあったベッドのほうが、質が良かったからね」
久々のお酒のせいなのか、楽しい時間をすごしたせいなのか、足取りがふわふわしていた。
「そういうことなら・・・うちでもう一泊していきなさいよ。帰っても寝る場所が無いんだし。それで明日の朝一でブルーノの所へ行って、一緒に買い物しましょう!」
ルージュは俺の答えも聞かずに決定事項のように言った。しかも何か楽しそうだ。
「別に買い物くらい一人でも大丈夫だけど」
なんとなく反抗してみる。
「ほら、ゴブリンの魔石。これを売っていろいろ買いたいの。それに、クロードは割引してもらえるって話だったでしょ! 一緒に行けば安くなるかもしれないわ」
「ああ、俺じゃなくて金か・・・まあ、いいよ。じゃあ今日泊めてくれるならそのお礼ってことで。それから、その魔石も俺が売ることにして、買い物もまとめて俺がするよ、そうすれば割引は大丈夫だと思うし」
「やった! ありがとう、クロード。これでやっとちゃんとした剣とかが手に入りそうね」
ルージュがうれしそうに、アマリージョを見た。
「良かったですね、姉さん」
アマリージョも自分のことのようにうれしそうだった。
「あなたのもよ、アマリ」
「私も?」
アマリージョが驚いた顔をして言う。
「とりあえず剣と杖。どちらかでも必要でしょ」
「でも、足りるかしら・・・」
「その辺はなんとかなるわよ。こっちには割引券がいるからね」
ルージュはこちらを見ていたずらっ子のように笑う。
「割引券って・・・まあいいよ。それと明日、馬車から荷物運ぶの手伝ってもらうからね」
「はい」「わかってるわよ」
二人が答えた。
――ヒカリ、そういう事になんだけど、今から迎えに行っていい?
『――事情はわかりました。ですが今、馬車の中を離れる訳にはいきませんので、明日、午前中にブルーノさんの店に行き、全ての買い物を済ませてから戻ってきて頂けると助かります。家のほうに何かあれば、すぐに知らせます』
――そうなの? 別にいいけど・・・でも、危ないこととかしないでよ
『はい。こちらは万事、問題ありませんので。ではまた明日に』
――わかった。 じゃおやすみ。ヒカリ
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
全裸ドSな女神様もお手上げな幸運の僕が人類を救う異世界転生
山本いちじく
ファンタジー
平凡で平和に暮らしていたユウマは、仕事の帰り道、夜空から光り輝く物体が公園に落ちたのを見かけた。
広い森のある公園の奥に進んでいくと、不思議な金色の液体が宙に浮かんでいる。
好奇心を抱きながらその金色の液体に近づいて、不用心に手を触れると、意識を失ってしまい。。。
真っ白な世界でユウマは、女神と会う。
ユウマが死んでしまった。
女神は、因果律に予定されていない出来事だということをユウマに伝えた。
そして、女神にもお手上げな幸運が付与されていることも。
女神が作った別の世界に転生しながら、その幸運で滅亡寸前の人類を救えるか検証することに。
ユウマは突然の死に戸惑いながら、それを受け入れて、異世界転生する。
金眼のサクセサー[完結]
秋雨薫
ファンタジー
魔物の森に住む不死の青年とお城脱走が趣味のお転婆王女さまの出会いから始まる物語。
遥か昔、マカニシア大陸を混沌に陥れた魔獣リィスクレウムはとある英雄によって討伐された。
――しかし、五百年後。
魔物の森で発見された人間の赤ん坊の右目は魔獣と同じ色だった――
最悪の魔獣リィスクレウムの右目を持ち、不死の力を持ってしまい、村人から忌み子と呼ばれながら生きる青年リィと、好奇心旺盛のお転婆王女アメルシアことアメリーの出会いから、マカニシア大陸を大きく揺るがす事態が起きるーー!!
リィは何故500年前に討伐されたはずのリィスクレウムの瞳を持っているのか。
マカニシア大陸に潜む500年前の秘密が明らかにーー
※流血や残酷なシーンがあります※
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
レベルが上がりにくい鬼畜な異世界へ転生してしまった俺は神スキルのお陰で快適&最強ライフを手にしました!
メバル
ファンタジー
元地球生まれの日本人。
こよなくタバコと糖分を愛しタバコは1日5箱。糖分は何よりもあんこが大好物。まず俺は糖分過多で28歳で二型糖尿病というファックなスキルをゲット。更にタバコの吸いすぎで40歳独身のおっさんは、気づいた時には時既に遅し。普通に末期の肺癌で死んだ。
たったの40年。不健康な生活をしてしまった付けだろう。
そして俺は死ぬときに強く思った。
願わくば次に生まれ変わる場所では、不健康な生活を好む体に生まれ変わりますように……
と強く願ったら地球ではなく、まさかの異世界転生をしてしまう。
その場所はベイビーから老人までレベルが存在する世界。
レベルにより生活も変われば職業も変わる。
この世界では熟練度・スキル・アビリティ。これも全てレベルが存在する。
何をしてもOK。
どう生きるかも自由。
皿洗いでも皿洗いの熟練度レベルがある。
レベルが低い者は重宝されない。
全てはレベルの世界。
しかしこの世界のレベルは非常に上がりにくい。
ゆえにレベルが低い者は絶望的な世界。
まさに鬼畜な世界。
そう鬼畜な世界だったのだが……
そっと推しを見守りたい
藤森フクロウ
ファンタジー
綾瀬寧々子は気が付いたら、大好きな乙女ゲームの世界だった。
見習い神使として転生していた新生オタク『アヤネコ』爆誕である。
そしてそこには不遇ながらも必死に生きる推しこと『エルストン・ジル・ダルシア』がいた。
母を亡くし失意の底に居ながらも、双子の弟妹の為に必死に耐える推し。
今ここに、行き過ぎた愛が圧倒的な行動力を伴って推しを救う―――かもしれない。
転生したヤベー人外と、それにストーカーされている推しのハートフル(?)ストーリーです。
悪気はないが大惨事を引き起こす無駄にパワフルで行動派のお馬鹿さんと、そんなお馬鹿さんに見守られているのを知らずに過ごす推し。
恋愛要素薄目、ほぼコメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる