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第二章 乙女ゲーム?
精霊魔術総合学校
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精霊魔術総合学校とは、精霊術、魔術のみならず、様々な学問を学ぶことができる、小中高一貫校である。だが、編入試験を受け見事合格すれば、途中入学も可能である。
記録上、唯一精霊王を召喚することに成功したと言われている賢者が設立した学校で、どの国の支配下にもない。そのため、この学校では身分制が適応されない。
そうなると、優秀な平民も多く入学することになる。
場所はブリリアン帝国だが、世界中からこの学校の門を叩く者がいる。しかし、実際に入学して卒業出来るものはごく僅かである。
なお、世界中から人が集まるため、寮生活を送ることも可能だ。
「それでだ、サザンカ。
君、この学校を受けてみる気は無いか?」
「私が、ですか……」
俺もこの学校のことは知っている。なんせ母上と公爵の母校でもあるから。
母上は精霊術科を、公爵は魔術科を、そして目の前のエンゼルランプ様は騎士科を選択し、卒業している。
だから当然、この学校が如何に未来に有利に働くのかということも知っている。
もし、魔術で優秀な成績を収めれば、将来は魔術師になれると言われているし、騎士科で収めれば、騎士になること間違いなしだ。
つまり、国の要人はだいたいこの学校を卒業していると言っても過言では無いのだ。
だけど、俺なんかが入れる場所なんだろうか…?
「初等部は満6歳から入学だから、君は途中入学という形になるが……
ここならば、君の父からの干渉も受けないだろう。
どうだ?やってみるつもりはないか?」
エンゼルランプ様は、あくまで俺に判断を委ねてくれている。
やはり、優しい方だ。そんな優しさを無下にしたくない。
俺なんかが受かる所ではないのかもしれないが、やれるだけやってみよう。
「は、はい!お─私、やってみます!
なんとしてでも学校に入学して、あの家から逃れてみせます!!!」
また俺、と言いそうになって私、と言い直した。
一世一代のこの覚悟はカッコつけて言いたいからね。
鼻息を荒くして張り切ってそう答えた俺に、エンゼルランプ様は少し微笑んでこう言った。
「ああ。よく言ったサザンカ。ならば私は、君を全力でサポートしよう。
…それと、楽な話し方で構わない。君の第一人称は"俺"なんだろう?
初対面の人には"私"でいいだろうが、私には気を抜いて話して欲しい。」
「あ、ありがとう、ございます……」
エンゼルランプ様の心遣いが染み渡る。
お礼を言うと、エンゼルランプ様が頭を撫でてくださった。嬉しいけど、なんだか気恥ずかしくて赤面してしまう。
「──サザンカ。話は終わった?」
記録上、唯一精霊王を召喚することに成功したと言われている賢者が設立した学校で、どの国の支配下にもない。そのため、この学校では身分制が適応されない。
そうなると、優秀な平民も多く入学することになる。
場所はブリリアン帝国だが、世界中からこの学校の門を叩く者がいる。しかし、実際に入学して卒業出来るものはごく僅かである。
なお、世界中から人が集まるため、寮生活を送ることも可能だ。
「それでだ、サザンカ。
君、この学校を受けてみる気は無いか?」
「私が、ですか……」
俺もこの学校のことは知っている。なんせ母上と公爵の母校でもあるから。
母上は精霊術科を、公爵は魔術科を、そして目の前のエンゼルランプ様は騎士科を選択し、卒業している。
だから当然、この学校が如何に未来に有利に働くのかということも知っている。
もし、魔術で優秀な成績を収めれば、将来は魔術師になれると言われているし、騎士科で収めれば、騎士になること間違いなしだ。
つまり、国の要人はだいたいこの学校を卒業していると言っても過言では無いのだ。
だけど、俺なんかが入れる場所なんだろうか…?
「初等部は満6歳から入学だから、君は途中入学という形になるが……
ここならば、君の父からの干渉も受けないだろう。
どうだ?やってみるつもりはないか?」
エンゼルランプ様は、あくまで俺に判断を委ねてくれている。
やはり、優しい方だ。そんな優しさを無下にしたくない。
俺なんかが受かる所ではないのかもしれないが、やれるだけやってみよう。
「は、はい!お─私、やってみます!
なんとしてでも学校に入学して、あの家から逃れてみせます!!!」
また俺、と言いそうになって私、と言い直した。
一世一代のこの覚悟はカッコつけて言いたいからね。
鼻息を荒くして張り切ってそう答えた俺に、エンゼルランプ様は少し微笑んでこう言った。
「ああ。よく言ったサザンカ。ならば私は、君を全力でサポートしよう。
…それと、楽な話し方で構わない。君の第一人称は"俺"なんだろう?
初対面の人には"私"でいいだろうが、私には気を抜いて話して欲しい。」
「あ、ありがとう、ございます……」
エンゼルランプ様の心遣いが染み渡る。
お礼を言うと、エンゼルランプ様が頭を撫でてくださった。嬉しいけど、なんだか気恥ずかしくて赤面してしまう。
「──サザンカ。話は終わった?」
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