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第3章 商都地変編
第87話 真実①
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次に俺達が目にしたのは大きな石造りの扉の前だった。
どうやら白虎の転移魔法は罠ではなく、無事に目的の場所へ転移できたのだろう。
扉の方を見ると、人が1人通れるほどの隙間が開いていた。恐らく、誰かが先にこの扉を開けて中へと入っていったのだろう。
「この先に誰か行ったのかしら……フール、私たちも」
「ああ……」
セシリアに促されて、俺は一歩を踏み出した。その一歩はもう逃げない、もう怖がることのないフールの強い意志の表れでもある。しかし、下に目を向けると俺の脚は小刻みに震えていた。そう、体はまだ怖がっている。人間には気持ちでは考えられても体が付いていかない事はよくある事だ。ただ、そう楽観的に考えるようにして俺はさらに一歩を踏み出す。半開きになっている扉の奥を覗くが、真っ暗な闇が広がっており何も見えなかった。額から一雫の冷たい汗が流れる。その闇の中に光源を持たずに入ることなど例え上流冒険者であっても恐怖を感じる筈だ。だが、決心してしまった以上、おいそれと逃げ出すものなら後ろの仲間達に向ける顔がない。ゆっくりと深呼吸をし半開きの扉を押して中へと入った。
部屋に入り、足場も悪く視界も最悪なこの暗い部屋を真っ直ぐに、ただ真っ直ぐに歩いた。
「セ……セシリーー? い、いるよね?」
「ええ……大丈夫よ」
「ねぇ? 怖いから手繋いでも良い?」
「言わなくても、もう繋いでるじゃない!」
「うげぇ……何も見えないんだぞぉ。ソレーヌ絶対に頭揺らさないんだぞ」
「わ、分かってますよぉ!」
「……はぁ」
全員の声を聞いて、先頭の俺はやっとみんな誰一人はぐれているものが居ないと安心する。
しかし、この部屋は一体どこまで続いているのだろうか?
最終地点の目印もない、後ろを振り向くと気がつけばもう入り口の場所すらも見えなくなっていた。それに変な肉が腐った様な腐臭もどこからか漂ってくる様な気もする。そんなことよりも、闇広がる閉鎖空間で縮こまりそうになってしまうがそれでも進む。今思うが、俺達が入る前に扉が半開きになっていたと言う事は誰かが先に入ったと言う事だろう。こんな変な所に勇敢に入っていく奴などあいつしか思いつかない。この静かさはきっと単独で入って行ったのだろう。何て怖いもの知らずな奴なんだ。俺なんて、仲間に後押しされてやっとここまでこれたのに、あいつは凄いやつだよ。
そう感心しながらも俺は歩みを止めない。だが、進んでいくほどに気がついたことがあった。さっきまで気のせいだと思っていた腐臭がどんどん強くなってきているのだ。
進めば進むほど、鼻につん裂く様な腐臭が派手に主張してくるのだ。
「うげぇ……くちゃいんだぞ……」
「うぅ……目も痛くなってきたかもです……」
そして、ある程度歩いた所で俺は足に何かが引っ掛かり、転びそうになったのを間一髪で耐えた。
「うわっ!? なんだ?」
俺はすぐに下を見る。真っ暗で何も見えなかったが、目が暗闇に慣れてゆっくりとぼんやりと俺の足を引っ掛けたものの正体が闇の中から浮き出てくる。目を凝らす、ずっと凝視する瞳に入ってきたのは俺の想像していたものとはかけ離れたものが床に寝そべっていたのだ。
「フール!? どうしたの!?」
「し……死体が……人間の死体が……転がっている」
「「「「「えっ!?」」」」」
そう、俺の下にあったのは肉が腐り切って、骨だけになった人間の亡骸があったのだ。なんで人か分かったかと言うと、まるで死体が捨てられたままそのまま肉だけ溶けて骨が綺麗に倒れた形で並んでいたからだ。
俺の一言で一斉に全員が凍りついた様に黙ってしまった。
この時だけ、まるで世界が1秒でも止まった感覚になったのは俺だけではなかった筈だ。その骸骨からふと目を離すと、奥にもぼんやりと闇に浮き出る白いものが見えた。
それを目で追って行くと、部屋の至る所に大量の白骨死体の山が築きあげられてた。そして、死体に気が付いたことで今まで漂ってた腐臭がここから来ていることを俺は悟る。
「これは……一体……?」
「死体があるだなんて……しかもこんなに沢山の」
セシリアが少し怯えたような弱々しい声でそういうと、ゆっくりと1つの白骨死体を見た。
「!?」
その時、セシリアは声を出さずに驚くとゆっくりその死体の元へ向かって行く。その様子に、俺も周りの仲間も視界が悪い為、気が付かない。
「おかしい……おかしいです。普通、ダンジョン攻略に失敗した冒険者の死体は長い間放置されていると肉食の魔物に死体は食べられてしまうはずです。でも、これは綺麗に白骨化している……」
ルミナがその場にしゃがんで、じっとその死体の頭蓋骨を見ていた。
「これは、恐らく魔物にはやられていない。この綺麗に白骨化した様子は……恐らく、自然に肉が腐り落ちていった可能性が高いわね」
シュリンが死体を調べているルミナの隣にしゃがみ込む。
「それって、もしかして」
ルミナとシュリンの目が合う。
「ああ、誰かがここに捨てていったんだ」
シュリンの言葉を聞いて、ソレーヌが顔を青くさせる。
「そ……そんな! そんな酷いこと……一体だれが……何のために」
俺もソレーヌの考えに同感だった。どうしてここに死体があるのだ? 仮に、これが人間の仕業と言うなら何のために? 真実を見ろと言われここへ来させた白虎はこれを俺たちに見せたかったのだろうか?
考えれば考えるほど謎が深まってくる。
「ねぇ……ちょっと……これ」
ふと、目線をあげる。セシリアの声が聞こえた方に目を向ける。そろそろ、暗闇にも慣れてきた頃なのか、仲間の様子が少しづつ見えるようになってきた。
目を凝らすとセシリアが地面にへたり込んで何かを見ていた。俺は急いでセシリアのところへと向かった。
「セシリア! どうした!」
俺が駆けつけ、しゃがんでセシリアの顔を覗き込むとセシリアの両目から大粒の涙があふれ出ていた。セシリアは涙を流しながら、ただ目線の先にあるものをじっと見ているばかりだった。
俺はセシリアの見ている視線を辿るとそこには当時は綺麗だっただろう水色のドレスを身に纏った1体の白骨化した死体が倒れていた。その死体だけは異様に他の死体よりもどこか特別な感じが伝わってくる。
手はお腹の前で組み、まるで死ぬことを受け入れたような綺麗な死体だった。
「セシリア、この死体がどうかしたのか?」
「分からない……分からないの。でも、この人を見ると自然と涙が出てくるの。あれ? なんでだろう?」
セシリアは目をこすり、涙をせき止めようとするがその涙は止まることなく流れ続ける。
「それに……フール見てここ」
セシリアが指さしたのは死体の頭蓋骨だった。その頭蓋骨には人間にはない2つの窪んだ部分が見えた。
「もし、この人が人間ならこんなくぼみなんてない。これは……獣人族特有の耳の位置にあるくぼみ……」
「てことは……この人は獣人族ってことか?」
ここで判明してしまった。ここにある死体は人間だけではなく、獣人族も混ざっていることが。
ますます深まる謎に、俺は混乱してしまいそうになった時だった。
「来たか……」
久しく聞いていなかった声が聞こえた。後ろを振り向くとウォルターがそこに立っていた。しかし、いつもより様子が可笑しい。いつもより覇気が感じられなかった。
「ウォルター、あんたが先にここに来てたんだな」
「……」
「あら? 誰かと思えば、あなたは騎士団長様ではないかしら」
ウォルターに気が付いたシュリンがその場で立ち上がり、ウォルターの方をに歩み寄った。
「君は、バールギルドのS級パーティにいたウィザードか」
「残念だけど、私はもうS級パーティでもウィザードでもないの。そこにいるF級回復術士の元で一時的に活動してる上級職よ」
「……そうか、ところで残念だが君のパートナーはここには居ない。あるのは死体だけだ」
「そう……残念。でも、おかしいわねぇ? 私、まだあなたにここに居る理由を伝えてないのだけど?」
「……ふっ」
ウォルターは少し間を置いてから笑った。あの笑いは何かを観念したような、悟った様な、ウォルターというよりかは何か都合の悪い事や仮説が真実へと変わって安堵しているような様子だった。ウォルターの顔はいつものキリッとした顔というよりも、どこかいつもより柔らかい表情だった。
いつもと様子が違うウォルターに対してそれでも、シュリンは更に問い詰めた。
「あなた、何か知ってるんでしょ? あの人が居なくなって探していることは、少なくとも私しか知らない筈よ。それをなんで聖騎士協会の一騎士団長様が私の事情を知っているのかしら?」
シュリンの言葉にウォルターは一切答えることはなかった。
「さあ! 答えなさい!」
シュリンの怒号をが響いた時だった。シュリンとウォルターの間に入るように久しぶりに聞くあの老人のような声が空間に響いた。
「これで全員か」
すると、この空間全体が小刻みに揺れだしたかと思うと途端に大きく揺れだす。俺たちの目の前の地面が揺れと共に変形していくと大きな穴ができた。そして、その穴の下から土が押しあがってくる。
そして、その押しあがる土の上にあの双頭の頭と亀の甲羅の胴体が見えた。揺れが収まるとともにその穴は元通りになった。そして、声の主が姿を現した。
「久しぶりだな。お前さんら」
「……玄武」
井戸での邂逅から最後、あれから顔を見ることがなかった”知神”玄武が姿を現したのだ。そして、玄武の隣には罠にかかってから離れ離れになっていたアルとイルの倒れている姿があった。
どうやら白虎の転移魔法は罠ではなく、無事に目的の場所へ転移できたのだろう。
扉の方を見ると、人が1人通れるほどの隙間が開いていた。恐らく、誰かが先にこの扉を開けて中へと入っていったのだろう。
「この先に誰か行ったのかしら……フール、私たちも」
「ああ……」
セシリアに促されて、俺は一歩を踏み出した。その一歩はもう逃げない、もう怖がることのないフールの強い意志の表れでもある。しかし、下に目を向けると俺の脚は小刻みに震えていた。そう、体はまだ怖がっている。人間には気持ちでは考えられても体が付いていかない事はよくある事だ。ただ、そう楽観的に考えるようにして俺はさらに一歩を踏み出す。半開きになっている扉の奥を覗くが、真っ暗な闇が広がっており何も見えなかった。額から一雫の冷たい汗が流れる。その闇の中に光源を持たずに入ることなど例え上流冒険者であっても恐怖を感じる筈だ。だが、決心してしまった以上、おいそれと逃げ出すものなら後ろの仲間達に向ける顔がない。ゆっくりと深呼吸をし半開きの扉を押して中へと入った。
部屋に入り、足場も悪く視界も最悪なこの暗い部屋を真っ直ぐに、ただ真っ直ぐに歩いた。
「セ……セシリーー? い、いるよね?」
「ええ……大丈夫よ」
「ねぇ? 怖いから手繋いでも良い?」
「言わなくても、もう繋いでるじゃない!」
「うげぇ……何も見えないんだぞぉ。ソレーヌ絶対に頭揺らさないんだぞ」
「わ、分かってますよぉ!」
「……はぁ」
全員の声を聞いて、先頭の俺はやっとみんな誰一人はぐれているものが居ないと安心する。
しかし、この部屋は一体どこまで続いているのだろうか?
最終地点の目印もない、後ろを振り向くと気がつけばもう入り口の場所すらも見えなくなっていた。それに変な肉が腐った様な腐臭もどこからか漂ってくる様な気もする。そんなことよりも、闇広がる閉鎖空間で縮こまりそうになってしまうがそれでも進む。今思うが、俺達が入る前に扉が半開きになっていたと言う事は誰かが先に入ったと言う事だろう。こんな変な所に勇敢に入っていく奴などあいつしか思いつかない。この静かさはきっと単独で入って行ったのだろう。何て怖いもの知らずな奴なんだ。俺なんて、仲間に後押しされてやっとここまでこれたのに、あいつは凄いやつだよ。
そう感心しながらも俺は歩みを止めない。だが、進んでいくほどに気がついたことがあった。さっきまで気のせいだと思っていた腐臭がどんどん強くなってきているのだ。
進めば進むほど、鼻につん裂く様な腐臭が派手に主張してくるのだ。
「うげぇ……くちゃいんだぞ……」
「うぅ……目も痛くなってきたかもです……」
そして、ある程度歩いた所で俺は足に何かが引っ掛かり、転びそうになったのを間一髪で耐えた。
「うわっ!? なんだ?」
俺はすぐに下を見る。真っ暗で何も見えなかったが、目が暗闇に慣れてゆっくりとぼんやりと俺の足を引っ掛けたものの正体が闇の中から浮き出てくる。目を凝らす、ずっと凝視する瞳に入ってきたのは俺の想像していたものとはかけ離れたものが床に寝そべっていたのだ。
「フール!? どうしたの!?」
「し……死体が……人間の死体が……転がっている」
「「「「「えっ!?」」」」」
そう、俺の下にあったのは肉が腐り切って、骨だけになった人間の亡骸があったのだ。なんで人か分かったかと言うと、まるで死体が捨てられたままそのまま肉だけ溶けて骨が綺麗に倒れた形で並んでいたからだ。
俺の一言で一斉に全員が凍りついた様に黙ってしまった。
この時だけ、まるで世界が1秒でも止まった感覚になったのは俺だけではなかった筈だ。その骸骨からふと目を離すと、奥にもぼんやりと闇に浮き出る白いものが見えた。
それを目で追って行くと、部屋の至る所に大量の白骨死体の山が築きあげられてた。そして、死体に気が付いたことで今まで漂ってた腐臭がここから来ていることを俺は悟る。
「これは……一体……?」
「死体があるだなんて……しかもこんなに沢山の」
セシリアが少し怯えたような弱々しい声でそういうと、ゆっくりと1つの白骨死体を見た。
「!?」
その時、セシリアは声を出さずに驚くとゆっくりその死体の元へ向かって行く。その様子に、俺も周りの仲間も視界が悪い為、気が付かない。
「おかしい……おかしいです。普通、ダンジョン攻略に失敗した冒険者の死体は長い間放置されていると肉食の魔物に死体は食べられてしまうはずです。でも、これは綺麗に白骨化している……」
ルミナがその場にしゃがんで、じっとその死体の頭蓋骨を見ていた。
「これは、恐らく魔物にはやられていない。この綺麗に白骨化した様子は……恐らく、自然に肉が腐り落ちていった可能性が高いわね」
シュリンが死体を調べているルミナの隣にしゃがみ込む。
「それって、もしかして」
ルミナとシュリンの目が合う。
「ああ、誰かがここに捨てていったんだ」
シュリンの言葉を聞いて、ソレーヌが顔を青くさせる。
「そ……そんな! そんな酷いこと……一体だれが……何のために」
俺もソレーヌの考えに同感だった。どうしてここに死体があるのだ? 仮に、これが人間の仕業と言うなら何のために? 真実を見ろと言われここへ来させた白虎はこれを俺たちに見せたかったのだろうか?
考えれば考えるほど謎が深まってくる。
「ねぇ……ちょっと……これ」
ふと、目線をあげる。セシリアの声が聞こえた方に目を向ける。そろそろ、暗闇にも慣れてきた頃なのか、仲間の様子が少しづつ見えるようになってきた。
目を凝らすとセシリアが地面にへたり込んで何かを見ていた。俺は急いでセシリアのところへと向かった。
「セシリア! どうした!」
俺が駆けつけ、しゃがんでセシリアの顔を覗き込むとセシリアの両目から大粒の涙があふれ出ていた。セシリアは涙を流しながら、ただ目線の先にあるものをじっと見ているばかりだった。
俺はセシリアの見ている視線を辿るとそこには当時は綺麗だっただろう水色のドレスを身に纏った1体の白骨化した死体が倒れていた。その死体だけは異様に他の死体よりもどこか特別な感じが伝わってくる。
手はお腹の前で組み、まるで死ぬことを受け入れたような綺麗な死体だった。
「セシリア、この死体がどうかしたのか?」
「分からない……分からないの。でも、この人を見ると自然と涙が出てくるの。あれ? なんでだろう?」
セシリアは目をこすり、涙をせき止めようとするがその涙は止まることなく流れ続ける。
「それに……フール見てここ」
セシリアが指さしたのは死体の頭蓋骨だった。その頭蓋骨には人間にはない2つの窪んだ部分が見えた。
「もし、この人が人間ならこんなくぼみなんてない。これは……獣人族特有の耳の位置にあるくぼみ……」
「てことは……この人は獣人族ってことか?」
ここで判明してしまった。ここにある死体は人間だけではなく、獣人族も混ざっていることが。
ますます深まる謎に、俺は混乱してしまいそうになった時だった。
「来たか……」
久しく聞いていなかった声が聞こえた。後ろを振り向くとウォルターがそこに立っていた。しかし、いつもより様子が可笑しい。いつもより覇気が感じられなかった。
「ウォルター、あんたが先にここに来てたんだな」
「……」
「あら? 誰かと思えば、あなたは騎士団長様ではないかしら」
ウォルターに気が付いたシュリンがその場で立ち上がり、ウォルターの方をに歩み寄った。
「君は、バールギルドのS級パーティにいたウィザードか」
「残念だけど、私はもうS級パーティでもウィザードでもないの。そこにいるF級回復術士の元で一時的に活動してる上級職よ」
「……そうか、ところで残念だが君のパートナーはここには居ない。あるのは死体だけだ」
「そう……残念。でも、おかしいわねぇ? 私、まだあなたにここに居る理由を伝えてないのだけど?」
「……ふっ」
ウォルターは少し間を置いてから笑った。あの笑いは何かを観念したような、悟った様な、ウォルターというよりかは何か都合の悪い事や仮説が真実へと変わって安堵しているような様子だった。ウォルターの顔はいつものキリッとした顔というよりも、どこかいつもより柔らかい表情だった。
いつもと様子が違うウォルターに対してそれでも、シュリンは更に問い詰めた。
「あなた、何か知ってるんでしょ? あの人が居なくなって探していることは、少なくとも私しか知らない筈よ。それをなんで聖騎士協会の一騎士団長様が私の事情を知っているのかしら?」
シュリンの言葉にウォルターは一切答えることはなかった。
「さあ! 答えなさい!」
シュリンの怒号をが響いた時だった。シュリンとウォルターの間に入るように久しぶりに聞くあの老人のような声が空間に響いた。
「これで全員か」
すると、この空間全体が小刻みに揺れだしたかと思うと途端に大きく揺れだす。俺たちの目の前の地面が揺れと共に変形していくと大きな穴ができた。そして、その穴の下から土が押しあがってくる。
そして、その押しあがる土の上にあの双頭の頭と亀の甲羅の胴体が見えた。揺れが収まるとともにその穴は元通りになった。そして、声の主が姿を現した。
「久しぶりだな。お前さんら」
「……玄武」
井戸での邂逅から最後、あれから顔を見ることがなかった”知神”玄武が姿を現したのだ。そして、玄武の隣には罠にかかってから離れ離れになっていたアルとイルの倒れている姿があった。
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◇
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よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
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