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第3章 商都地変編
第77話 セシリア達の場合
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「むむぅ……んぅ?」
フールたちを助けようとして別の罠にかかってしまい、ルミナと一緒に落ちてしまったセシリアが目を覚ました。目を開けると壁には必要最低限の松明の火の明かりがついていた。
冷たい地面から離れるためにゆっくりと立ち上がり周りを見る。隣にはルミナが倒れており、まだ目を覚ましていない。セシリアはルミナへとよると肩を優しく叩きを声をかける。
「ルミナ、ルミナ起きて!」
「んんぅ……そこはだめだよぉ……セシリィ~~」
黄色い尻尾をフリフリと振り、涎を垂らしながらにやにやと笑い寝言を話していた。セシリアは呆れた深い溜息を吐くとルミナの頭にチョップする。
「ふぐぅ! んん……痛い……」
ルミナが頭と眠気眼を擦りながらゆっくりと起き上がる。それに対してセシリアは更に溜息を漏らした。
「ルミナ……もっと危機感持ちなさいよ……」
「セシリーと一緒だとなんだか安心しちゃって、えへへ♪」
まったくもう……と苦笑いをしながら立ち上がり、周りの様子を伺うとこの部屋の松明の火を中心に左右二手に道が分かれていた。双方、道の先には光がなく真っ暗だ。どうやら、進むにはこの部屋の松明を持って進むしかないようだった。さて、左右どちらに進もうか考えていると右の方向から嫌な気配の臭いが漂ってくるのを感じた。獣人の鼻はよく効くのだがここまであからさまに嫌な臭いがするのは危険であると教えてくれている意味を持っていた。
「ルミナ……分かる?」
「……セシリーも感じる?」
セシリアとルミナは目と目を合わせると何も言わずに左の道の方を向いた。ルミナもこの臭いを感じていたようだ。
「とりあえず、ここに長居するのは良くないわね。さ、ルミナ立って! フールたちと合流しましょ!」
「うん!」
セシリアはルミナに手を差し伸べると、ルミナは手を取って立ち上がる。セシリアはかけてある松明を取り、左側の道を照らした。照らした先の道には更に闇が広がっている。
2人だけと言う心細さをぐっと抑え、セシリア達は先へと進んだ。足場が悪い道をゆっくりと落ち着いて歩んでいく。吐く息1つ1つが白くなり、気温も低くなってくる。
「うぅ……寒くなって来たわね……ルミナ、大丈夫?」
「こういう時はねセシリー……」
ルミナは手が空いているセシリアの腕に絡みつき、ぎゅっと抱き着く。
「こうすれば暖かくなるよね♪ セシリーあったかい♡」
「もう、調子いいんだから」
さりげなく当たるルミナの胸が不服だが、腕から伝わる温もりには敵わなかった。ルミナとお互いに暖を取りながら進んでいくと一つの部屋へと入った。
目の前には大きな石碑がそびえたっており、それ一つだけで存在感がある。しかし、この部屋にはそれ以外何もなく行き止まりの作りになっていた。
「え⁉ 行き止まり⁉」
「うそぉーー⁉ そんなぁ……」
ルミナは地面にパタリとへたり込む。これ以上進むことができないのならばあの危険な匂いがする右の道を戻って進むしかない。しかし、セシリアは雀の涙の可能性でもほかに道が無いかこの部屋の調査をすることにした。まずはこの部屋の中央で鎮座する大きな石碑が目に入るので、セシリアはそこを調べることにした。石碑には鳥、亀、虎、竜の4体の中心に鹿のような生物が高らかに前足を上げている絵が描かれている。
この4体の特徴が四神に似ている気もするが、中心にいる生物についてはセシリアは見たことがなかった。石碑には古代文字のようなものも書いてあるが、セシリアに読むことなど不可能だった。
「うーーん、何かしらこの絵? 周りの動物は四神っぽい外見だけど……真ん中のは見たことないわね」
何かしらのヒントでもいうのだろうか。気になって隅々まで調べるがこれ以上の情報は出てこなかった。石碑の周りをぐるりと一周してみるが隠し扉なども存在しないこともわかった。一通り調べ終わり、一息はいてルミナに伝える。
「戻るよ、ルミナ」
「ですよねえぇ……うん……」
ルミナはともかくセシリアは戻ることを決意し、最初にセシリアたちがいた場所まで戻ってきた。そして、あの嫌なにおいを発していた右側の道へ重い足取りで向かった。
相変わらず、続く道は嫌なにおいが漂ってくる。具体的に言うと血なまぐさい匂いだ。生物の血が放置されたにおいが漂う時程良いことが起こったためしがない。それでも進まなくてはフールたちとも合流することなど出来ないため、駆け抜けたい一心で進んでいく。
セシリアとルミナ、お互いに早足になりながら向かうと広い部屋へと入る。
その部屋へと踏み込んだ時、下から鉄の柱が生まれるとセシリアたちが入ってきた入口を閉じてしまった。
「セシリー! 入口が!」
「ええ……」
やっぱりねと思い、後ろも確認せずに前を警戒するセシリアはゆっくりと剣に手を置く。下か、前か、横か……目だけで部屋の様子を見る。
「上⁉」
セシリアは気配を感じた上へと見上げると、上から何かが無数に降ってくるのが見えた。
セシリアとルミナはその落下物を回避する。落ちてきたのは大きな木の箱だった。表面には薄く十字架の紋章が刻まれている。そう、死体などを入れる棺桶だったのだ。そして、棺桶がひとりでに一斉に開くと禍々しいオーラとともに起き上がってくる影が見えた。それはボロボロの細い布で体中が巻かれ、黄色い目だけがその隙間からきらめかせた大柄な肉体の怪物、アンデット系の魔物であるマミーである。
「ひぇ⁉ セ、セシリー‼ 上見て上‼」
ルミナの声でさらに上を見上げると紫色の布切れを纏った風貌で、細い腕に鋭い爪を持った顔のない魔物が多数、壁を抜けながら宙を舞っていた。実体を持たぬ亡霊ファントムだ。
ファントムとマミーは互いに危険度C級の魔物だ。2、3体でも脅威となる魔物だがそれが複数現れた時点でセシリアは気づく。
「これ、モンスターハウスよ!」
モンスターハウスとは冒険者達を一部屋に閉じ込め、魔物の群れが配置されている罠である。昔から存在しているダンジョンと言えばの罠だが、ダンジョンの危険度が高ければ高いほど厄介な罠である。そして、今回は2人だけなので明らかに苦しい状況である。しかも、物理攻撃耐性のあるマミーと魔法のみダメージを与えることができるファントムという組み合わせはセシリアとルミナにとって相性が悪すぎる。魔法なら、いつもフールやソレーヌに任せていたのでここでの肉弾戦は辛い状況だった。
しかし、先手必勝。セシリアは腰につけた烈風と雷光を引き抜くと手前にいたマミーへ向けて、一気に二刀の双術を畳み掛ける。しかし、セシリアの手に鈍痛が走った。セシリアが振ったその刀はマミーの固い肉の半分程度しか刃が入らず、振りぬくことができなかったのだ。物理攻撃耐性がある分、防御力が高いためうまくダメージを与えることができない。
「痛っーー!! 何よこいつ硬すぎ!!」
セシリアの攻撃を受け、カウンターの如くマミーがセシリアに向けて拳を振る。しかし、その横からルミナがマミーの身体を盾で吹き飛ばす。
「セシリーから離れて‼」
吹き飛ばされたマミーは他のマミーにぶつかり、ドミノ倒れになるがまるで攻撃が効いている様子はない。地上で押されている状況下で空中からもファントムの攻撃が始まる。鋭く長い鉤爪で切り裂こうとしてくるが、それをルミナが必死でセシリアを庇う。
「ううぅ……! セシリー……このままだと……私たち……」
非常にまずい状況だ。自分たちも強くなったと思っていたが、フールが居たからこそ自分たちが安心して戦うことができ、力を発揮していただけだったのかもしれない。途端にフールが居なくなっただけでこのざま……やはり、私たちにはフールしかいない。気が付いたら、フールを求める自分がいる。助けてフール、助けてフール……そう思えば思うほどどんどん弱気になる自分を見て更に悲しくなる。強くなったと思った……
でも、こんなところで死にたくない。まだ、彼に思いを伝えてないのだから……しかし、この絶望的状況でセシリアが死を覚悟したとき、奥から一筋の光が飛んでくる。その光は一体のマミーに命中すると激しく燃え上がり、息絶えた。
「これは……火球?」
そう、この光だと思った物は火球の魔法、セシリアの知っている中で火球を使用できるのは火球ノ杖を持つフールしかない。しかしフールが助けに来てくれたと思い、その火球が飛んできた方向を見るがその方向からフールの匂いではない別の匂いがした。
コツコツと足音がこちらに近づいてくる音が聞こえる。この時、セシリアはフールではない者が近づいてきている。味方か新手の敵か……不安な面持ちで見つめていると火球を放った者の正体が現れた。
それは長い黒髪と妖美漂う風貌……その豊満な胸を見せつける奇抜な魔導師の恰好をした久しく見るあの顔……シュリンだった。
フールたちを助けようとして別の罠にかかってしまい、ルミナと一緒に落ちてしまったセシリアが目を覚ました。目を開けると壁には必要最低限の松明の火の明かりがついていた。
冷たい地面から離れるためにゆっくりと立ち上がり周りを見る。隣にはルミナが倒れており、まだ目を覚ましていない。セシリアはルミナへとよると肩を優しく叩きを声をかける。
「ルミナ、ルミナ起きて!」
「んんぅ……そこはだめだよぉ……セシリィ~~」
黄色い尻尾をフリフリと振り、涎を垂らしながらにやにやと笑い寝言を話していた。セシリアは呆れた深い溜息を吐くとルミナの頭にチョップする。
「ふぐぅ! んん……痛い……」
ルミナが頭と眠気眼を擦りながらゆっくりと起き上がる。それに対してセシリアは更に溜息を漏らした。
「ルミナ……もっと危機感持ちなさいよ……」
「セシリーと一緒だとなんだか安心しちゃって、えへへ♪」
まったくもう……と苦笑いをしながら立ち上がり、周りの様子を伺うとこの部屋の松明の火を中心に左右二手に道が分かれていた。双方、道の先には光がなく真っ暗だ。どうやら、進むにはこの部屋の松明を持って進むしかないようだった。さて、左右どちらに進もうか考えていると右の方向から嫌な気配の臭いが漂ってくるのを感じた。獣人の鼻はよく効くのだがここまであからさまに嫌な臭いがするのは危険であると教えてくれている意味を持っていた。
「ルミナ……分かる?」
「……セシリーも感じる?」
セシリアとルミナは目と目を合わせると何も言わずに左の道の方を向いた。ルミナもこの臭いを感じていたようだ。
「とりあえず、ここに長居するのは良くないわね。さ、ルミナ立って! フールたちと合流しましょ!」
「うん!」
セシリアはルミナに手を差し伸べると、ルミナは手を取って立ち上がる。セシリアはかけてある松明を取り、左側の道を照らした。照らした先の道には更に闇が広がっている。
2人だけと言う心細さをぐっと抑え、セシリア達は先へと進んだ。足場が悪い道をゆっくりと落ち着いて歩んでいく。吐く息1つ1つが白くなり、気温も低くなってくる。
「うぅ……寒くなって来たわね……ルミナ、大丈夫?」
「こういう時はねセシリー……」
ルミナは手が空いているセシリアの腕に絡みつき、ぎゅっと抱き着く。
「こうすれば暖かくなるよね♪ セシリーあったかい♡」
「もう、調子いいんだから」
さりげなく当たるルミナの胸が不服だが、腕から伝わる温もりには敵わなかった。ルミナとお互いに暖を取りながら進んでいくと一つの部屋へと入った。
目の前には大きな石碑がそびえたっており、それ一つだけで存在感がある。しかし、この部屋にはそれ以外何もなく行き止まりの作りになっていた。
「え⁉ 行き止まり⁉」
「うそぉーー⁉ そんなぁ……」
ルミナは地面にパタリとへたり込む。これ以上進むことができないのならばあの危険な匂いがする右の道を戻って進むしかない。しかし、セシリアは雀の涙の可能性でもほかに道が無いかこの部屋の調査をすることにした。まずはこの部屋の中央で鎮座する大きな石碑が目に入るので、セシリアはそこを調べることにした。石碑には鳥、亀、虎、竜の4体の中心に鹿のような生物が高らかに前足を上げている絵が描かれている。
この4体の特徴が四神に似ている気もするが、中心にいる生物についてはセシリアは見たことがなかった。石碑には古代文字のようなものも書いてあるが、セシリアに読むことなど不可能だった。
「うーーん、何かしらこの絵? 周りの動物は四神っぽい外見だけど……真ん中のは見たことないわね」
何かしらのヒントでもいうのだろうか。気になって隅々まで調べるがこれ以上の情報は出てこなかった。石碑の周りをぐるりと一周してみるが隠し扉なども存在しないこともわかった。一通り調べ終わり、一息はいてルミナに伝える。
「戻るよ、ルミナ」
「ですよねえぇ……うん……」
ルミナはともかくセシリアは戻ることを決意し、最初にセシリアたちがいた場所まで戻ってきた。そして、あの嫌なにおいを発していた右側の道へ重い足取りで向かった。
相変わらず、続く道は嫌なにおいが漂ってくる。具体的に言うと血なまぐさい匂いだ。生物の血が放置されたにおいが漂う時程良いことが起こったためしがない。それでも進まなくてはフールたちとも合流することなど出来ないため、駆け抜けたい一心で進んでいく。
セシリアとルミナ、お互いに早足になりながら向かうと広い部屋へと入る。
その部屋へと踏み込んだ時、下から鉄の柱が生まれるとセシリアたちが入ってきた入口を閉じてしまった。
「セシリー! 入口が!」
「ええ……」
やっぱりねと思い、後ろも確認せずに前を警戒するセシリアはゆっくりと剣に手を置く。下か、前か、横か……目だけで部屋の様子を見る。
「上⁉」
セシリアは気配を感じた上へと見上げると、上から何かが無数に降ってくるのが見えた。
セシリアとルミナはその落下物を回避する。落ちてきたのは大きな木の箱だった。表面には薄く十字架の紋章が刻まれている。そう、死体などを入れる棺桶だったのだ。そして、棺桶がひとりでに一斉に開くと禍々しいオーラとともに起き上がってくる影が見えた。それはボロボロの細い布で体中が巻かれ、黄色い目だけがその隙間からきらめかせた大柄な肉体の怪物、アンデット系の魔物であるマミーである。
「ひぇ⁉ セ、セシリー‼ 上見て上‼」
ルミナの声でさらに上を見上げると紫色の布切れを纏った風貌で、細い腕に鋭い爪を持った顔のない魔物が多数、壁を抜けながら宙を舞っていた。実体を持たぬ亡霊ファントムだ。
ファントムとマミーは互いに危険度C級の魔物だ。2、3体でも脅威となる魔物だがそれが複数現れた時点でセシリアは気づく。
「これ、モンスターハウスよ!」
モンスターハウスとは冒険者達を一部屋に閉じ込め、魔物の群れが配置されている罠である。昔から存在しているダンジョンと言えばの罠だが、ダンジョンの危険度が高ければ高いほど厄介な罠である。そして、今回は2人だけなので明らかに苦しい状況である。しかも、物理攻撃耐性のあるマミーと魔法のみダメージを与えることができるファントムという組み合わせはセシリアとルミナにとって相性が悪すぎる。魔法なら、いつもフールやソレーヌに任せていたのでここでの肉弾戦は辛い状況だった。
しかし、先手必勝。セシリアは腰につけた烈風と雷光を引き抜くと手前にいたマミーへ向けて、一気に二刀の双術を畳み掛ける。しかし、セシリアの手に鈍痛が走った。セシリアが振ったその刀はマミーの固い肉の半分程度しか刃が入らず、振りぬくことができなかったのだ。物理攻撃耐性がある分、防御力が高いためうまくダメージを与えることができない。
「痛っーー!! 何よこいつ硬すぎ!!」
セシリアの攻撃を受け、カウンターの如くマミーがセシリアに向けて拳を振る。しかし、その横からルミナがマミーの身体を盾で吹き飛ばす。
「セシリーから離れて‼」
吹き飛ばされたマミーは他のマミーにぶつかり、ドミノ倒れになるがまるで攻撃が効いている様子はない。地上で押されている状況下で空中からもファントムの攻撃が始まる。鋭く長い鉤爪で切り裂こうとしてくるが、それをルミナが必死でセシリアを庇う。
「ううぅ……! セシリー……このままだと……私たち……」
非常にまずい状況だ。自分たちも強くなったと思っていたが、フールが居たからこそ自分たちが安心して戦うことができ、力を発揮していただけだったのかもしれない。途端にフールが居なくなっただけでこのざま……やはり、私たちにはフールしかいない。気が付いたら、フールを求める自分がいる。助けてフール、助けてフール……そう思えば思うほどどんどん弱気になる自分を見て更に悲しくなる。強くなったと思った……
でも、こんなところで死にたくない。まだ、彼に思いを伝えてないのだから……しかし、この絶望的状況でセシリアが死を覚悟したとき、奥から一筋の光が飛んでくる。その光は一体のマミーに命中すると激しく燃え上がり、息絶えた。
「これは……火球?」
そう、この光だと思った物は火球の魔法、セシリアの知っている中で火球を使用できるのは火球ノ杖を持つフールしかない。しかしフールが助けに来てくれたと思い、その火球が飛んできた方向を見るがその方向からフールの匂いではない別の匂いがした。
コツコツと足音がこちらに近づいてくる音が聞こえる。この時、セシリアはフールではない者が近づいてきている。味方か新手の敵か……不安な面持ちで見つめていると火球を放った者の正体が現れた。
それは長い黒髪と妖美漂う風貌……その豊満な胸を見せつける奇抜な魔導師の恰好をした久しく見るあの顔……シュリンだった。
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